key person

「どうする日本!」

右と左の真ん中で日本と世界を眺める

黛信彦の時事ブログ

鳩山首相虚偽献金 2億円にも

2009年10月19日 | 政治・政局
19日付産経新聞は次のように伝えた。
鳩山首相の故人献金を巡って首相側は17~20年の4年間で2200万円ほどが虚偽だったと認めて訂正したが、産経新聞の取材によれば未訂正の16年分にも虚偽記載が複数あることが判明し、虚偽記載合計は2億円近くに上る可能性がある。

東京地検特捜部は年内に『規制法違反容疑』で立件の可否を検討すると見られていて、更に、親族らの資金が流入していれば虚偽記載に加えて『量的制限違反』に当たる可能性もあり、「悪質性をどう判断」するか迫られている。

以下は、MSN産経ニュースの関連全文であるが、後日のためにコピペする。
~・~・~【疑惑の濁流】
故人、匿名、クリスマス…鳩山首相側が献金者の名前を“でっちあげた”のはナゼ?
 「故人献金」「匿名献金」「クリスマス献金」…。鳩山由紀夫首相の資金管理団体による政治資金収支報告書の虚偽記載問題は相当、根深そうだ。政界随一の資産家側が人の名前を勝手に使い、ウソの記載を続けてきた理由は何なのか。そこには、政治資金の透明化を訴えてきた民主党の代表とは思えない、ずさんな資金管理の実態も浮かぶ。東京地検特捜部も同問題で解雇された元公設第1秘書A氏から任意で事情聴取するなど捜査に着手している。総選挙で圧倒的な勝利を手にし、順風満帆なスタートを切った鳩山新政権の“致命傷”ともなりかねない疑惑の数々とは-。

■「勝手に名前使われた」
 「父は政治に全く関心がなく、献金をするような人ではなかった…」
 鳩山氏の資金管理団体「友愛政経懇話会」の収支報告書に、平成15~20年の6年間で計137万円を献金したと記載された東京都目黒区の元高校教諭の長男は、困惑した様子でこう語った。元教諭は13年2月に他界していたのだ。
 鳩山氏は元教諭の教え子だったという。長男は、鳩山氏側は亡くなったことも知っているはずだといい、「誰かが勝手に名前を使ったとしか思えない」と語気を強めた。職業欄には「会社役員」と記載されていたが、長男は「会社役員でもない」と否定した。
 鳩山氏は6月30日の記者会見で、収支報告書に名前が記載された個人献金のうち、故人や実際に献金していない人の名義の記載が17~20年の4年間で約90人、2177万8千円あったことを明らかにした。
 鳩山氏側は同日付で収支報告書を訂正。削除された分は、17年が延べ52人分(計708万円)▽18年が38人分(計541万2千円)▽19年が48人分(計522万円)▽20年が55人分(計406万6千円)。削除された人数は、全体の献金者の約76%に上った。
 これは鳩山氏側が調査を行った17年以降に限られており、政治資金規正法の虚偽記載の時効(5年)が成立していない16年分の記載についても、「勝手に名前を使われた」と訴える人たちが次々と出てきている。
 さらに、友愛政経懇話会は、17~19年に「寄付者」として名義を使われたとみられる延べ75人について、税金控除のための書類を総務省に申請していた。75人については、同会が「虚偽記載だった」として収支報告書から削除している。
 総務省によると、寄付者が税控除を申請する場合、政治団体がそれぞれの住所、氏名などを記載した控除用書類を政治資金収支報告書に添付して、同省に提出。同省は報告書と書類を照合し、書類に押印した団体を通じて寄付者に交付する。寄付者は確定申告でこの書類を提出し、税控除を受ける仕組みになっている。
 しかし、同会の場合はこの控除用書類は「寄付者」に渡っていないとみられ、税金控除手続きは、正規の献金を装うための隠蔽(いんぺい)工作だった可能性も浮上しているのだ。

■突出する個人献金
 この問題の最大の謎は、鳩山氏側がなぜウソの記載をする必要があったのか、だ。
 真っ先に考えつくのがヤミ献金隠しの疑いだが、鳩山氏側は献金の原資について、「個人的な出費や政治資金が不足した場合などに適切に支出、処理するよう秘書に預けていたもので、普通預金から拠出していた」と説明。鳩山氏も「いただいてはいけないお金を隠していたわけではない」と、自己資金だったことを強調している。
 鳩山氏側は、虚偽記載は会計事務担当の公設秘書A氏が「独断」で行ったものだと断定し、A氏を解任した。A氏は「寄付をお願いする仕事を自分が怠り、それを隠したのが原因」と話しているという。
 鳩山氏はA氏の動機について、「私に対しての個人献金があまりに少ないものですから、そのことが分かったら大変だ、という思いが一部にあったのではないか」と推察してみせたが、「個人献金が少ない」という説明は、実態とは大きく矛盾する。
 与党大物議員の中でも、鳩山氏の個人献金の多さは突出しているからだ。
 20年の資金管理団体の収支報告書によると、鳩山氏の個人献金は4525万4500円(訂正後は4118万8500円)。他の現職大臣と比較すると、1千万円を超えているのは長妻昭厚労相(2681万3054円)、亀井静香郵政改革・金融相(1135万円)の2人だけなのだ。

■虚偽記載2億円?
 さらに、特筆すべきは、5万円以下などの条件を満たす匿名献金の多さだ。
 政治資金規正法では、年間5万円以下の小口献金で税の控除を受けない場合などは、氏名などを記す必要はなく、「その他の寄付」として合計金額のみを記載すれば足りると定められている。
 友愛政経懇話会の収支報告書によると、匿名献金は16年=4617万3千円▽17年=3969万3千円▽18年=3682万5千円▽19年=2779万1千円▽20年=2668万8500円。
 20年の他の大臣の平均は約61万円で、鳩山氏の突出ぶりはここでも際立つ。
 5年間の総額は1億7717万500円に上り、仮に1人から最高額の5万円を受けたとしても、単純計算で延べ3545人から献金があったことになる。
 事件関係者は「匿名献金も虚偽が多い」と指摘しており、立件対象となる虚偽記載の総額は、鳩山氏側が公表した約2177万円と16年分を加え、2億円近くに上る可能性もある。
 ちなみに献金の背景事情などが異なるため、単純比較はできないが、今年3月に公設秘書が起訴された小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」などの虚偽記載額は3500万円だった。
 鳩山氏はこうした個人献金の多さを指摘された後、A氏の動機について「私に資産があるから企業・団体献金が集まらず、その焦りの中で個人献金を増やしてしまったのではないか」と修正した。

■日曜日にも振り込み?
 疑惑は東京だけに収まらず、北海道にも飛び火している。
 舞台は、鳩山氏が代表を務める「民主党北海道第9区総支部」(北海道白老町)だ。
 大きな疑惑の種となっているのが、「クリスマス献金」。9区総支部の収支報告書によると、地元の道議、市議、町議らが、毎年決まって12月25日のクリスマスに数万~数十万円を献金したと記載されている。その献金額は、15~19年で計1652万6千円に上る。17年のクリスマスは日曜日で、銀行振り込みができないはずだが、計315万6千円が振り込まれたことになっていた。
 このカラクリについて、年間26万4千円を寄付した道議は「1カ月に2万2千円を総支部の下部組織である苫小牧支部に振り込んでいる。苫小牧支部が年末に総支部の口座に一括して振り込んでいるため、クリスマスの日に集中している」と説明した上で、「確定申告の便宜上、一括して年末に振り込む慣習があった。指摘されるならば、今後は改めたい」としている。
 また、9区総支部の収支報告書によると、12年に死亡した登別市議が、13年に16万8千円を献金したと記載されていた。
 9区総支部にも、鳩山氏の個人資産が充てられているのではないか-。
 こうした疑問に対し、9区総支部の幹部は「故人献金は1件だけで事務処理上のミス。総支部では活動資金のため、議員の歳費に応じて寄付金を募っている。友愛政経懇話会とは全く違うケースだ」と言い切った。

■親族の資産流入? 本人は真っ向否定
 この問題を契機に、政界随一といわれる鳩山氏の個人資産に注目が集まった。18年に公開された鳩山氏の資産報告書によると、主な資産は次の通りだ。
 【不動産】大田区田園調布の自宅▽北海道室蘭市の自宅▽軽井沢の別荘▽北海道苫小牧市の現地事務所
 【株式】ブリヂストン株など計15銘柄
 【預金】約12億8千万円
 政界関係者によると、不動産を含めたその総額は75億円に上るとされ、鳩山氏の母、安子氏の父でブリヂストン創業者の石橋正二郎氏から生前贈与されたとされるブリヂストン株(350万株)が、資産の大半を占めている。
 こうした鳩山氏の資産を管理しているのが「六幸商会」(東京都港区)だ。特捜部も六幸商会から経理書類の任意提出を受け、献金原資の解明を進めている。
 同会は石橋家の資産を管理しており、安子氏や鳩山氏、弟の邦夫元総務相らの個人資産も管理。鳩山家の周辺者によると、本人の指示があれば、それぞれの口座から出金や送金の手続きを行い、株の配当収入の管理や納税なども代行するという。
 自民党関係者は「献金原資の解明には、六幸商会の口座を洗うことが不可欠だ。鳩山氏本人だけでなく、(六幸商会が管理する他の)鳩山氏の親族の潤沢なカネが流れている可能性がある」と指摘。「資産家の鳩山氏といえども、5年間で(匿名献金も含めると)2億円近い金を捻出(ねんしゅつ)できるとは思えない。この中に母親の安子氏の資産が入っていれば、寄付の上限逃れや、贈与税の脱税になる可能性もある」とも話す。
 鳩山氏本人は「母からは毎年150万円の上限いっぱいを献金してもらっており、それ以上はない」と真っ向から反論している。


■秘書の独断ありえず?
 7月に「鳩山由紀夫を告発する会」を名乗る団体から刑事告発を受けた特捜部は、10月に入り、収支報告書に名前を記載された「名義人」から参考人聴取するなど捜査に着手している。
 疑惑のキーマンはやはり、鳩山氏に「会計を任せていた」と“名指し”されたA氏だ。
 A氏とは一体どんな人物なのか。A氏を知る関係者の話を総合すると、A氏は昭和61年の鳩山氏初当選のころからの古参の秘書で、平成10年の民主党結党時には党の経理も担当したという。
 政界関係者はA氏について「真面目で役人タイプ」と評する一方、「パーティー券さばきや、資金集めは苦手だった」と語る。
 また、別の関係者は「(鳩山氏の資産を管理する)六幸商会の口座の引き出しは、本人の署名が必要。鳩山氏の資産をA氏の判断だけで動かし、献金に偽装したとは考えにくい」と“A氏の独断”説を疑問視する。
 特捜部はA氏への聴取結果なども踏まえ、年内に立件の可否について判断する方針とみられる。
 政治資金の透明化など、“政治とカネ”の問題に厳格な姿勢で臨んできた政治家として知られる鳩山氏は、15年7月23日付のメールマガジンに、次のように記している。「私は政治家と秘書は同罪と考えます。政治家は金銭に絡む疑惑事件が発生すると、しばしば『あれは秘書のやったこと』とうそぶいて自らの責任を逃れようとしますが、とんでもないことです」。かつて述べたその言葉は、いま自身に向かっている。 ~・~・~

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« NHK世論調査(09.10) | トップ | 5大紙社説にみる、郵政民営... »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
鳩山を許すな (会津っぽ)
2009-10-19 23:19:40
悪いことをして許されるようでは、日本もお終いですよね。
返信する

コメントを投稿

政治・政局」カテゴリの最新記事