音楽中心日記blog

Andy@音楽観察者が綴る音楽日記

She & Him

2009年01月17日 | CDの感想
  
○シー&ヒム「ヴォリューム・ワン」(2008)
 「2008年に出たアルバムの感想を2009年に書く」その3。(←企画名を微妙に変えた)
 女優ズーイー・デシャネルと音楽家マット・ウォードによるユニットのファーストアルバム。

 ズーイー嬢のことはほとんど知らない。彼女が出演した映画を見たこともない。だから特になんの思い入れも持たずに聴いたのだが…。

 「1960年代末にひっそりとリリースされた隠れポップ名盤の再発だよ」と言われたら疑いもなく信じてしまうだろう。そんな音。
 サウンドメイキングにはM・ウォードの力が大きく働いているのだろうが、(その核となる)チャーミングなオリジナル曲を書いているのはズーイー・デシャネル本人だ。その60年代音楽マニアぶりには感心してしまう。「ちょっと歌ってみました」女優アルバムとは性根の入り方が違う。
The Muffs' Fanpage In Japan管理人ぴかおさんが書かれた日本盤ライナーノーツは、その音楽オタクぶりを詳細に記述・分析していて興味深かった。)
 「あたしはこういう音楽が死ぬほど好きなの!信じてるの!」という想いがストレートに伝わってきて、ちょっとばかり胸が熱くなったよ。

 正直言って好き嫌いが分かれる声ではあると思う。けして歌唱力で聴かせるタイプの歌い手ではないし。
 今にもピッチを外しそうな不安定さに最初はとまどうかもしれない。しかし繰り返し聴くうちに、その「揺れ」の奥にある細やかなニュアンスがたまらなく魅力的に思えてくるはずだ。
 世界を変えてはくれないけれど、誰かの心は変えるかもしれない。そんなアルバム。

 まあとりあえず聴いてみてください。ここで。

 「Why Do You Let Me Stay Here?」PV。血まみれやん。


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