蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

高井寺にて

2013年05月29日 14時09分53秒 | 日記
昨日、高山村にある高井寺に、夢幻関係者10名で訪問。
3時間に及ぶご住職のお話は、とても興味深く
書物では見つけられなかった発見もあり、大変参考になりました。

ご住職のお話は、まずお庭にて
お寺の成り立ちから始まりました。

このお寺は、浄土真宗本願寺派。
ご本尊は、阿弥陀如来さま。

お寺の敷地の周囲には石垣があり
ご住職は、この石垣の石積み手法「ぼたもち積み」や
便利な道具がない時代の水平の測り方などを通して
単に「歴史を学ぶ」のではなく「歴史に学ぶ」ことの大切さを強調。

本当にそうですね。
現代は到る処に情報が溢れ、いくらでも知識は仕入れられるけど
知恵がなければ宝の持ち腐れ。

「歴史に学ぶ」とは―
先人の知恵を学ぶのと同時に、先人の過ちに学ぶことでもある。

歴史に学び、今を知り、未来を推測し、より良い道を選択する―
言うは易し行うは難し、ですけど・・・(汗)

本殿に座り、ご住職を中心に
全員でお経を唱和。

その後、福島正則公の遺品である肖像画や
通常は公開されていない本物の仏舎利と槍先
そして絵伝が描かれた掛け軸を見せて頂きました。

下記をクリックすると写真が見れます。
福島正則公・旧館跡に伝わる遺品

仏舎利とは、ナント!お釈迦様のお骨!!
正則公が徳川家康公から頂いたもので
武運長久のお守りとして、戦(いくさ)時は兜に入れていたそうです。

槍は、柄が朽ちてしまったものの、穂先は然程錆びもなく
これが500年も前のものか・・・と思うくらい立派な刃でした。
穂先の長さは60㎝ぐらい。
中央には“血抜き”のための溝があり
ご住職はこの溝を「慟哭の溝」と呼んでいました。
この槍の穂先にどれだけの血が流れたのか…図り知れません…

掛け軸の絵伝説明は、特に興味深いものでした。

それは何故か?

二通りの解釈を伺ったからです。

荒くれの乱暴者と見れば、残虐・非道な絵にも見えるし
情け深く、公正な政(まつりごと)を行っている絵と見れば、そう見える。

人間って・・・
見る角度や価値観によって全く異なる答えを導き出すものなんだなぁ…

と、改めて痛感。
と共に、フィルターをかけずに見ることの難しさも実感。
「推測」と「妄想による断定」は違う。
自分の目で、あるがままを、色々な角度から見て、判断していかねば・・・

その後、私の質問に対しても、ご住職は
古文書を紐解きながら丁寧にお応えくださり
大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。

最後に、全員で合掌して終了。

ご住職さま、長時間に亘り様々なお話をお聞かせいただきまして
本当にありがとうございました!
しっかりと整理して、作品創りの糧にさせていただきます。

参加してくださった皆さん、お疲れ様でした!


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