午前中、TVで木島平の「菖蒲たたき」というお祭りを見た。
菖蒲か・・・
私の実家ではいつも端午の節句の日
お風呂に菖蒲の葉が浮かんでた。
いわゆる「菖蒲湯」だねー
邪気払いだよね、確か。
TVでは子どもたちが何かを言いながら
太い縄を地面にたたきつけている。
台所仕事をしながら見たので
声が良く聞こえない。
面白いなー
何て言ってるんだろ?
気になると、すぐ調べたくなるのが私(^-^;
で、早速ネットで調査開始!
私が見たのは長野県木島平村の祭り映像だったけど
この「菖蒲たたき」は「菖蒲打ち」とも言って
各地で端午の節句に行われる伝統行事らしい。
★菖蒲打ち(デジタル大辞林)
近世、五月五日の節句に、子供が菖蒲の葉を編んで縄のようにし
地面をたたきあい、切れた方を負けとする遊戯。しょうぶたたき。
菖蒲は古来病気や邪気を払う薬草と考えられていて
菖蒲の縄で地面をたたくことで悪魔を封じ
音で邪気祓いをする意味があったそうだ。
どうやらモグラを退散させる狙いもあるようで。
なるほどねー
子どもたちの掛け声は、地域によって異なるようだ。
「しょーぶたたき、しょーぶたたき、やまんば(山姥)、金時(おたふく風邪の意味)、くーんなくんな(来るな)」(山形県東根市)
「五月ごゆぎの菖蒲たたき、いがいがまだか、あぐらかいてちょうどいいおまけに10」(最後の数字は変わる)(山形県)
「ねーんに一度のしょ~ぶたたき」(山形県遊佐町)
「今日は5月のゴロエジの菖蒲叩き、一つ二つ三つおまけに一つ、もう一つ、そうれ、チャラポッポ、チャラポッポ」(秋田県由利本荘市飯沢)
あれ?山形県のヒット率が高いな(^-^;
未だに続いている地域が多いのが山形県ということかな。
けど、木島平でも行われているように
近畿、中国、北陸地方でも続いている伝統行事らしいので
ご興味のある方は、自分の故郷を調べてみてくださいm(__)m
2015年に出版された『SF』という体育施設の月刊誌に
江戸時代の遊び「菖蒲打ち」が紹介されたという記述を見つけたので
少しだけ引用させていただこう。
「菖蒲の花が咲くころ,つまり,5月5日の端午の節句のころには
菖蒲湯を涌かし,父親は菖蒲酒を楽しみ,子どもたちは菖蒲打ちで遊ぶ
これは定番のようなものでした。
この遊びが天保時代にはもっと盛んに行われていたと知ると
なんとも懐かしいものです。」
天保時代というと、有名なのは天保の大飢饉。
疫病も大流行して、餓死・疫病の死者は20~30万人に達したとか。
だから盛んに行われたのかもしれないねー
そもそも、5月は季節の変わり目で体調を崩しやすい。
また、生きる上で大切な田植えの時期でもあり
昔は田植の時期にに「菖蒲」で身を清める
「五月忌み(さつきいみ)」という行事があったそうだ。
これは、若い女子(早乙女)が
田植え前の「みそぎ」として行う行事で
刻んだ菖蒲の根を浸して作った「菖蒲酒」を飲んで
身を清めたんだって。
うーん・・・
そもそも端午の節句の始まりは何だっけ?
と、更に調べてみるた。
端午の節句は、古代中国で始まったものらしい。
端というのは「初め」の意味
端午とは月の初めの午(うま)の日を意味
五月は午の月で、その午の月の午の日は忌日(いみび)として
災厄や不浄を除くために祓(はら)えを行ない
蓬(よもぎ)でつくった人形を軒下に吊るし
菖蒲を浸した酒を飲み、蘭を浮かべた湯に入った。
★忌日
月と日が重なる日は
・陰と陰が重なる
・陽と陽が重なる
善悪ともに倍加すると考える重日(じゅうにち)思想により
月と日の数字が重なる日を忌日とした。
午が五に通じるとして、五月五日を
端午の節句とするようになったのは
漢代以降のことらしい。
端午の節句が日本にもたらされたのは平安時代らしい。
貴族たちは、菖蒲を軒に挿し、粽を食べ、蓬で人形をつくったりしたとか。
やがて鎌倉時代になると―
菖蒲が「尚武」(武事、軍事を重んずること)に通じるとして
武士の間でも盛んになった。
室町時代には―
武者人形が飾られるようになって
江戸時代には―
男子誕生の喜びを世間に知らせ
健康と立身出世を願う鯉のぼりが立てられるようになった。
「菖蒲叩き」が男子の遊びとして流行したのも
江戸時代なんだって。
「祈り」「祭り」「遊び」は繋がってるんだねー
コロナ禍の今と天保時代は似ている。
今は米不足による飢饉ではなく
貨幣を稼げず米を買えない飢饉(一つの例え)
菖蒲の邪気祓い、やっている地域もあるだろうなー
と思ったら、ありました!
【菖蒲に託す疫病退散】
葛飾区では、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中
5/5「こどもの日」の前にショウブの葉を
銭湯や神社の一角に飾ろうとする取り組みが広がったとか。
古くから邪気を払う力があるとされてきたショウブの葉に
疫病退散の思いを託して行われたようだ。
最後に菖蒲の効用を記載しておこうー
因みにここで言う菖蒲は、花菖蒲とは異なるので
お間違いなく!
菖蒲の根は特に効能があるようだ。
【菖蒲根に含まれる成分】
◎アサロン:揮発性の物質、主にアロマオイルなどに用いられ殺虫作用などが認められる
健胃などの作用を持つ
◎オイゲノール:淡黄色のフェニルプロパノイド、刺激のある快い芳香を持ち菖蒲の香りの大元
◎テルペン・セスキテルペン:鎮痛作用や血流促進、疫病を媒介する可能性のある虫への殺虫効果あり
またもや発展しすぎたな・・・
さて・・・夜は稽古だ。
そうそう!
ついに透明マスクを購入したよー
今日はこれで実験してみる‼