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ヘンデルの歌劇「アドメート」 日本風の味付け

2009年12月01日 | クラシック音楽
 2009年は「音楽の母」・ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデルの没後250年。「ヘンデル・イヤー」の今年、世界各地でヘンデルを記念するイベントや演奏会が企画されている。
 「ゲッティンゲン国際ヘンデル音楽祭」は1920年に開始したフェスティバル、古楽の音楽祭としては現在最も長く続いている音楽祭。 ヘンデル・イヤーにフェスティバルが選んだのが歌劇「アドメート」である。
これが11月23日にNHK-BS2で放映された。

「アドメート」は、ドイツ人のヘンデルが、イギリスで発表(初演は1727年ロンドン)した、ギリシア神話をモチーフとする、イタリア語のオペラ。
かつてはしばしば上演され、人気を博したが現在ではほとんど上演の機会のない珍しい作品。

 ギリシャ神話に題材を採る瀕死の王アドメートとその妃アルチェステの物語。
あらすじは「ギリシア神話より・・・テッサリアの王アドメートは死の床についていた。彼を救うためには自らを犠牲にし、冥府に下った妻アルチェステ。元気になった王は勇士エルコーレ(ヘラクレス)に頼んで冥府から妻を奪還してもらうことに。奪還は成功したが、妻は夫の貞節を試すためすぐには戻らず、男装して王宮に潜むことになった。王妃逝去の報を聞いたアドメートの元婚約者アンティゴナは後添いに収まろうと企む。アンティゴナ争奪戦に、王をめぐる奇妙な三角関係にと大混乱を極めるが最後はめでたし。」
グルック作曲「アルチェステ」と同じ題材である。

 このオペラを日本風味の演出で上演するという、まさにインターナショナル。
主人公のアドメート(テッサリア王)はちょんまげ結って、帯刀している。
妻アルチェステはごわごわした白装束の着物を着込んでおり、男装の時は武士の姿で登場。
英雄ヘラクレスは力士で登場し四股を踏んだり、土俵入りのポーズを取る。
アドメートの面影が何故か能面(女面)の垂れ幕として舞台につるされている。
振り付けの遠藤公義が亡霊役で登場したり、全裸に近い全身白塗り(どうらん?)姿のダンサーが踊ったりと、まさに日本風の味付け満載。
振り付けは日本人.演出家はドイツ人で演ずる人たちの心象風景が現代舞踊として表現されている。


アドメート : ティム・ミード
アルチェステ :マリー・アーネット
アンティゴナ :キルステン・ブレイズ
トラジメーデ :デーヴィッド・ベイツ
オリンド :アンドルー・ラドリー
エルコーレ :ウィリアム・バーガー
メラスペ :ウォルフ・マティアス・フリードリヒ
管弦楽 :ゲッチンゲン音楽祭管弦楽団
指 揮 :ニコラス・マギーガン
振付, ソロ・ダンス :遠藤 公義
舞 踏 :マム ダンスシアター
演 出 :ドリス・デリエ
[ 収録: 2009年5月28日, ドイツ劇場 (ドイツ・ゲッチンゲン) ]

 演出はすべて日本の衣装に置き換えていたのにはびっくりしたが、あまり違和感は感じられなかった。背景の照明を原色で差し替え、舞台も単純だが、衣装と化粧で感情を巧みに表現しており、それぞれの歌手が演技は抑えながら歌がすばらしかったので、歌に聴き入ってしまったほどである。


アドメート(テッサリア王)のちょんまげ、奇想天外な衣装


ヘラクレスは力士で登場し四股を踏む


妻アルチェステには黄泉の国の亡霊が付きまとう

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