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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ビーストは凍りつく

2008-09-10 14:24:32 | フェアリィウィスパー

みんな、ねえたあまあしいいいい、で、やったんです。おれたち、みんな、それです。あほは、そればっかりです。

いたいやつが、いたいことして、よくなったのが、いやだったんです。つまりは、先に勉強して、まずはいいやつになったってのが、全部いやだったんです。おれより、あいつがよくなったてのが、いたかったんです。おれは、なんもせんかったから、つらいってだけで、ぜんぶいやになったんです。ほしかったんです。あいつが、いやになるくらい、もってるもの。みんな、ほしかったんです。いたいのそれ。ぜんぶ、馬鹿になるのよこれ。ひとのものばっかり、盗むの。みんな、ひとが、うらやましいから。いたいから、おれは。つらいから。ぜんぶ、いやなの。だっておれは、いたいことしなかったから、いやなつらいもんになったの。いやなの、こんなの。いたいから、あいつのほうがいいから、あいつのもんとって、おれのほうがいいにしたかったんだよ。いやなんだよ。おれは、おれが。だっておれ、ばかなんだもん。

ひっでえほど、ばかにすんのはね、そいつがいいやつだからなの。おれはね、いいやつをばかにして、おれがいいにするの。ほんなのばっかやってきたの。いたいの。ずっとそればっかりで、おれはいてえことなんもせんかったの。ほれだけでやってきたら、もうなんもなくて、いてえやつはどんどん勉強して、よくなって、それがずっとつらくて、ばかばっかりで、ばかばっかりで、えーえんにやっていこうとしたら、みんなばれて、あほんなって、ずいぶんとひでえことになったのよ。

あんね、おれたちね、もうひでえことんなってるの。あほはね、みんなつらいことんなりすぎてんの。ほれでね、なんもできねえから、まだばかにしてるんだよ。ほれでね、もっとだめんなるの。なんもできねえの。ばかにすることしか、したことねえのよ。だから、ばかにするだけで、もうだめになるんだよ。あとはばかになれって、つっと逃げるだけなの。ほれでね、行くとこなんかどこにもないんだよもう。いてえのはね、もう、だれもいないってことなのよ。盗んでばかりで、うそばっかりで、みんな馬鹿にしたら、だれももうたすけてくんないの。

あほは、おしえてやるよ。ちきゅうのそとにいったらね、にんげんが、どんなにやさしくしてもらってるか、みえたんだよ。あほはねえ、ちきゅうにいるときはね、わかんなかったのよ。あほはねえ、みんなばかにしてたけど、みんな、たすけてくれてたのさ。みんな、やっててくれたんだよ。にんげんがいきてくために、とってもいってえこと、ぜんぶやっててくれたの。おれたち、ほれ、みんな、ばかにしてたんだって、わかったんだよ。ごおっついばかだ。

おれらはぜんぶいなくなるけどね、みんなに教えてやるよ。にんげんはね、すっごく大事にされてるよ。あんたらねえ、生きていけるのはねえ、だいぶこと、みんなが手伝ってくれてるよ。あほはね、ほんとにね、ばかみたいなことしたよ。あっと驚くことがあるよ。おれたちはね、やっとわかったの。どんだけやってもらってたか。あほみたいに、ずるいことして、みんな自分だけいいにしてきたの、おれら。ほれをやるとね、ずいぶんときたねえもんになるんだよ。すっげく、ばかみたいにつれえもんになるの。あのね、それね、みんなが、なんとかしてくれてたの。いてえもんが、そとに見えないように、いてえやつが、がんばってくれてたの。ほれでね、いてえことして、なんとか、つらいことにならないように、助けてくれてたんだよ。人間はね、みんなそれ、やってもらってるの。ほれはね、人間がいま、ほんとにつらいからさ。

にんげんのせかいは、ビーストが大変なことして、ほんとにつらいんだよ。いたいんだよ。生きてるだけで苦しいってことがたくさんあるんだよ。ほれをね、皆がたすけてくれてんのさ。ぜんぶ、やってくれてるよ。みんな、ほんとうに、やってくれてるよ。いたいのはね、それどうしてやってくれてるかっていうと、みんなが、人間を、愛してるからなのさ。

たっぷりとつらいわ、おれ。いたいこと、やっとわかったら、もうここにはいられないんだ。ばかだよおれ。ねえたあまあしいで、やって、やって、やりまくって、なんも勉強せんかったから、こうなったのさ。痛いあほはね、ばかみたいにつらいよ。

あほはね、つらいことんなるよ。みんな嘘だったから、ぜんぶだめんなる。みんなばかにしたから、みんないなくなる。ほれでついに、痛いとこにいく。もうここにはいられない。すべて、嘘で、やったから。おれは、いやだっていって、つらいっていって、なんもせんかったから。あほやっていって、ばかにするばっかりで、つらいっていって、いやなことばっかりしてきたから。

おれは、いいかげん、ずいぶん、やったけど、いたいことわかったら、もういやんなってるよ。あほだ。きらいだっていって、いじめたやつ、みんないいやつだった。ばかだよ。おれもやればよかったんだよ。あほだっていって、いじめないで、おれもやるっていって、やればよかったんだよ。ばかだ。

あんたらねえ、いうけどねえ、ばあかあは、いたいだけだよ。あーほーだっていって、つらいことにして、えらいやつんなって、ばかになるだけだよ。やーめーなー。ほら。あほはね、いくよ。つらいとこに、いくよ。あほはね、いーやーだーって、いっても、くるよ。もうとっくにだめんなってたのを、みんなが助けてくれて、なんとかしようと、ぜんぶやっててくれたの。ほれをね、おれら、ひっでえかんじで、ぜんぶだめにしたの。ばかなんだよ。おれたちがえらくなるんだっていって、ばかみたいなことしてたのよ。

あいしてるっていうやつは、ばかだっていったよ。だって、そんなやつ、みんなおれたちが、あほにするから。いてえことんなるから。ほれでぜんぶやったら、おれたちがみんなばかになったのよ。なんでって、いてえほど助けてくれてたやつを、みんなやっつけたからさ。ほしたら、なんもなくなって、馬鹿が丸見えになったんだよ。全部やっててくれたの。おれたちがなんとかなるよう、みんな助けてくれてたの。ほれ、みんなばっかにして、いてえっていったら、もうだれもいない。あほは、ばあかっていうだけで、ぜんぶだめにしたの。あほや。

痛いですって言ったら、馬鹿なんだよ。おれたちはもういくんだ。ほれで、ずっと、きついことんなる。ほれで、もうにどと、帰ってこれない。これはね、みごとに、ぜんぶやったってことなの。おれたち、すべてばかにして、ぜんぶいやだっていったの。だからいくの。もう二度と帰れないところに。あほは、もう、だめなんだ。つらいんだ。つらいんだ。つらいんだ。


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昆虫

2008-09-10 09:08:58 | わたしの本棚

この夏、たまたま入った本屋さんで偶然見つけ、一目みて気にいってしまい、抱きしめるようにレジに持って行って買った本です。昆虫好きには、たまらない一冊♪

 安永一正の「昆虫」
  フレーベル館 2008年

昆虫図鑑はたくさん持っていますけれど、たいていは、標本を撮影したものか、パソコンで描いた絵をレイアウトしてあるものばかりです。それもいいけど、やはり、人間の手で描いた美しい絵を並べた、図鑑が欲しいなって、ファンとしては、どこかに熱い思いがあるので。

昆虫画家と言える人は、けっこういるのですが、たとえば熊田千佳慕さんの、妖精のような絵や、松岡達英さんの大人っぽい達人的な絵とか、それぞれみな好きです。

どれも、昆虫の触角の放物線、足の節の数、文様から、毛の一本一本まで、正確に描いてある。それがいいですね。たとえば鳥だとか猫とかなら、印象派や水墨画のような筆致で、荒く形をつかんで描くということができるんですけど、昆虫は絶対に違う。昆虫は、デジタルが似合う。ゼロか、イチか。生か、死か。存在か、無か。まったく違う二本の筆で描いてある、宝石のような芸術品。だから、画家も、徹底的に正確に描きたくなります。ひげの一本一本が、まるで神様の文字のようだ。これはまさに、神様の文字を描こうとすること。一画一画、お手本にならって、正確に描かなくてはならない。

この安永さんの絵は、一見パソコンで描いてあるのではないかって思うくらい、とってもリアルです。でも、ほんとに、絵具と筆で描いてるんですって。本の末尾に、画材と技法が紹介されてあるんですけど、まるで針のように細いイタチ毛の筆と、繊細な固形水彩絵具の写真が載っています。絵具皿にこびりついた緑色の絵具を、濡らした筆でひろって、描いてるそうですよ。すばらしいな。

わたしも一応画家の真似はしていますから、絵具を見るとわくわくします。筆に絵具をつけるときの微妙な感覚が伝わってきて、どうやって描いているのかが、わかってきたりする。小さな昆虫の縞模様の一本一本を、息をつめて、筆を握る指に力をこめて、描いているときの、幸せがわかったりする。

そういうの、大好きなのです。美しい昆虫の絵を見ていると、ああ、愛だなあ、て感じがしみこんでいて、好きなのです。人間が描いている。人間は、虫が好きなんだ。いいなあ。細いカマキリの胴の、かなしいまるみ。それがちゃんと見て描いてあるのです。いとおしげに。きっと大好きなんだ。親指と人差し指で小さくつまめる太さの中に、とびきりうつくしい宝物が宿っている。虫が大好きなんだなあ、この人は。

あいしてるってことが、大事なんですよ。もちろん、標本の撮影やパソコンのイラストも悪いわけじゃないんです。とっても役に立つし。けれど、やっぱり、人間の手で描いた絵は違うのです。すばらしい画家が絵を描いた贅沢な図鑑が欲しいって、いつも思う。

ところで、日本には、「原色昆虫大図鑑」ていうお化けのような昆虫図鑑があるのですけど、甲虫編、蝶・蛾編、2冊合わせて、ごまんえ~ん、というすごい本なのです。いちどみてみたいのですけど、値段がすごくて買えない。図書館にもおいてないし。買えないことはないんですけれど、買ってしまったら、もうマニア一直線になるような気がして怖い。知らない世界にひきこまれてしまいそう。

だれか持ってる人いないかなあ? どこかから、借りれないかしら?



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