世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

地獄

2016-04-01 07:25:43 | 詩集・空の切り絵

セックスがしたいんです
セックスくらいしか
いいものがないんですよ
馬鹿の世界には

とびきりのいい女と
寝たいんです
馬鹿みたいにきれいな女が
欲しいんです

でも そんなの
一瞬なんだ
えらい苦労して
馬鹿みたいなことをして
やっと女を手に入れて
セックスをしても
いいのは一瞬なんですよ
すぐに終わるんだ
女もしらっとしてる

馬鹿みたいだって感じで
いやなことをして
セックスをしても
なにもないんだ
いいことなんて

こんなことはあほなんだって
おれも馬鹿みたいで
つらくって
つらくって

また
セックスがしたくなるんです




存在痛

2016-03-28 07:15:43 | 詩集・空の切り絵

セックスがしたいのに
女が寄って来ない
だから全部女を殺したんです

いい女ばかり狙って
裏から馬鹿にしまくって
罠にはめて
全員をセックスの豚にしようとしたら
すべて死んだんです

大勢の女を
それでみんな殺したら
女がすべていなくなったんですよ
あんまりに男がひどいんで
神さまがもう駄目だって言ったんです
女はもう駄目だって

おれがそれやったんですよ
全部の女駄目にして
人類のすべてを馬鹿にしてしまったんです
あんまりなんです
いやなんですよこんなの
だっておれ 何もしないんです
人類に迷惑をかけておいて
何もできないっていって逃げるんです

こんな馬鹿みたいなおれはいやなんですよ
汚いんです 醜いんです
いやなんだ
逃げるんです
すっとぼけて
馬鹿なことをやっているだけでいい
人間のために
痛いことをするなんてできない
そんなおれはいやなんだ

絶対にいやなんだ
あっちに行けって言ってるのに
はりついて離れねえ
永遠に向こうへ行けって言ってるのに
ずっと居座ってやがる

痛いんです
苦しいんです
助けてください
こんなおれを
おれからとっぱらってください




2016-03-27 07:14:46 | 詩集・空の切り絵

盛大に馬鹿をやって
しこたまずるをしこんで
他人から盗みまくって
大勢の小さい馬鹿を利用して
やっとすげえいいもんになったと思ったんだよ

いい女はみんなおれのもんだ
でかいいい家に住んで
えらいいい宝を集めて
えつに入って眺めてた
どんどん人が寄ってくる
えらいいいもんになったんだよ

でもそんなのは一瞬だ
徹底的に愛を馬鹿にして
全員が馬鹿なんだって言ったら
愛がすっとなくなって
枯れていくんだ
女も宝も家も
すっと命を吸い込まれて
消えていくんだよ

何もかもが一斉に崩れだして
てっぺんから真っ逆さまに落ちていく
借金取りが追いかけてきて
おれは一目散に逃げる
助けてくれる人間のところに行ったら
とっくの昔に死んでいた
おれが殺したんだよ
全部おれよりいいからって

だんだん だんだん
なくなっていく
服が消える
人がいなくなる
食べ物がなくなる
おれは身を粉にして働かなくちゃいけない
そうでないと食べていけない

ひとりぼっちで
世間の隅に吹き黙って
時々馬鹿がおれを振り向いて言うんだよ
この馬鹿猿
まだいやがるのか

てっぺんにいたころ
おれは巨人だった
それが今
ハレムの隅でごみを拾って食っている
馬鹿な猿なのさ






サタン・2

2016-03-26 07:16:52 | 詩集・空の切り絵

なんでもない小さなことでも
激しく馬鹿にして
すべてをだめにしたんです

いやらしいことをふんだんにやって
あらゆるものを下等な馬鹿にしようとして
神さまの理屈を曲げまくったんです

おれが馬鹿なのがいやだったからです
全員が馬鹿にならないと
おれが偉いことにならないからです
ええそうですとも

全部返ってきます
すべておれがやったこと
返ってきます
全部支払わないといけません
でもおれ それいやなんです
絶対にいやなんです

そんなこと払えるわけないじゃないですか
とんでもないんですよ
激しく激しく 複雑怪奇に
無理無体に べらぼうに
エロい感じで
五万年は早かったという馬鹿をやって
地球をだめにして
人類をだめにして
それ全部支払えなんて
いやですよ

おれ馬鹿ですから
許してください
こんまいガキがやったことだからって
ないことにしてください
なんでもないことにしてください

そんなこと通らないって言われますよ
何をしたと思ってるんだって言われますよ
でもいやなんだ
どうにかしてくれないといやなんだ
おれ痛いことや辛いことはいやなんです
やりたくないんです
楽して馬鹿になってるほうがいいんです

なんでこんなにつらいんだって
言いますよ
みんな行っちゃうから
あほだこいつはって言われて
みんなあっちに行っちまう
誰もおれを愛してくれない
おれはどこにも行くところがない

なんでこんなにつらいんだって
なんでこんなにつらいんだって
おれは言うだけなんです
永遠にそればかり言うってだけの
そういう馬鹿になるんです




永遠に

2016-03-25 06:47:24 | 詩集・空の切り絵

こんなのは馬鹿だって言って
自分を馬鹿にして
それがつらくって
自分を馬鹿にするからつらいんだって言われて
それが馬鹿だって言って
また自分がつらくって
だから自分を馬鹿にするからだよって言われて
それだから馬鹿なんだって言って
また自分がつらくって
自分がつらいのは
自分で自分を馬鹿だって言うからだって
わかってるよって言って
だからこんなのは馬鹿なんだって言って
またそれがつらくって
だから自分を馬鹿にするなって言われて
それがつらくって
こんなのは馬鹿だって言って
またそれがつらくって
つらくって
ずぶずぶ ずぶずぶ
馬鹿にはまって
痛いほどこんなのは馬鹿だって言って
それがまたつらくって
永遠に 永遠に
そればかりで
そればかりで
それだから馬鹿なんだって言うと
馬鹿なんですよ

で それがつらいんです
馬鹿なんですよ これ






弱い男

2016-03-24 07:20:21 | 詩集・空の切り絵

何もしなくても
いい女と寝られるって世界が
作りたかったんです
男なんてみんな馬鹿だから
それでいいんだってことにしたかったんです

偉いことをするのは嫌なんだ
痛い思いをするのは嫌なんだ
だっておれ馬鹿だから
弱いから
楽して儲けられる馬鹿の方がいいんだよ

嫌な奴は
影に回って背中をどんと押して
崖から突き落とすんです
おれよりいい男はみんな
邪魔なんです
あんなのがいると
女がおれによってこないからさ

つらいほど みんな
おれよりいいんだ
おれよりかっこいいんだ
全員殺してやる
全部おれのものにしてやる
痛いんだよ おれは
馬鹿なんだよ

痛いほど馬鹿やっても
おれは馬鹿なだけで
偉いことをやったやつは
きれいになって 大きくなって
上の方に行っちまう
全部おれよりずっとよくなる
おれはもっと馬鹿になって
偉い馬鹿になりたくて
ずっとずっとアホみたいに痛い馬鹿をやるんだよ

永遠に 馬鹿は
こんなことばっかりさ
ずいぶんとやったよ
年貢の納め時だ
おれよりいい嫌な男はみんな殺して
おれによってこない女はみんな殺したら
もう誰もいなくなったのさ




まじめになんなさいよ

2016-03-16 06:35:36 | 詩集・空の切り絵

悪いことばっかりやってるとねえ
何やっても駄目になるっていうときが
必ず来るんです

良いことをしている人っていうのはね
偉いんですよ
長い長い間
偉いことばかりしてきて
それが積み重なって
とんでもなく大きくなっているんです
そんなやつがいるから
悪いやつものさばることができるんです

馬鹿はね
痛いことしてるんですけどね
実情は何にもしてねえんですよ
ぜんぶ いいやつから盗んでくるんです
盗んだものばっかりで
自分たちの世界を作るんです
でもそれ結局馬鹿だから
全部自分で駄目にしちまって
仕方ないからまた盗みに行くんですよ

そんなことばっかりしてたらね
いやなことが積み重なって
悪いことばかり起こって
何もかもが駄目になってくるんです
馬鹿をやる前にもう馬鹿になって
何をやっても何をやっても
馬鹿になるって時がくるんです

偉いやつがいなけりゃ
何もできないからなんですよ
馬鹿にばかりしてきた
いいやつがいなければ
何もないからなんですよ

いやなことばかりしてるとねえ
いつかはすべてが駄目になりますよ
馬鹿は自分では何もしないからなんです
悪いことってのは結局
馬鹿なんです
何にもならないんですよ
苦しいだけなんです

いつまでもいつまでもやってるんじゃねえ
もう少し勉強して
やりなおさなきゃいけねえ
人間 いつまでも甘えてるんじゃねえ

馬鹿はやめて
まじめになんなさいよ
それでないともう
生きていけなくなるよ






大勢

2016-03-15 07:01:31 | 詩集・空の切り絵

馬鹿は
大勢でないと
何もできません

ひとりの知恵と力で
難に切り込んでいく
そういうことはやりません
馬鹿だと言って
逃げます

そして 裏に回って
大勢の中に紛れて
みんなを馬鹿にし始めるのです
すべてのものは馬鹿だ
痛いことなどなにもないと
言い始めるのです

正しい人も
美しい女性も
そうやって馬鹿にして
馬鹿はみんなで殺してきたのです






ほんとの男

2016-03-14 06:42:54 | 詩集・空の切り絵

馬鹿な男は
女に助けてもらわないと
男ができないんです

女なんか馬鹿みたいだって
いつも言ってる癖してね
女に 
あなたがいいわって言ってもらわないと
てんで自信が持てないんだよ

あなたが正しいわって
あなたが一番だわって
あなたが好きよって
言ってもらわないと
何もできないんだよ

男は時々
とてもできねえってこと
しなくちゃいけないもんだから
強がってやってるけど
半分以上は女にやってもらってるの
いやんなるくらい
大事なことを女にやってもらって
男はやっと男ができるの

そんなこともわかってない男が
女は何もできない馬鹿だからって
いやなことすると
女が行ってしまって
それで男はぜんぶ駄目になるんだよ
ぜんぜん何もできなくなるんだよ

馬鹿な男は
ここ勉強しなくちゃいけないよ
弱いからって
年増だからって
簡単に女を馬鹿にしちゃいけないよ

女は尊敬して
大事にするのが
ほんとの男ってものなんだよ






人間よ

2016-03-08 05:12:52 | 詩集・空の切り絵

もう終わっていた時代を
未練たらしく続けていたら
いつの間にかすべてが馬鹿になっていた

着られない服を
いつまでも着ていたら
いつの間にか着られる服がなくなっていた

波が引いていくように
社会から生きる意味が引いていく
面白かったものが
突然面白くなくなり
大勢の人が忽然といなくなる

すべては
狸が化けていた
世界だったのだ

人間は
どこまで行くのか
やらねばならない宿題を
無視し続けて
どこまでいくのか

あふれてくる虚しさをごまかすために
一切を馬鹿にし続けてきた報いを
どうやって受け止めるつもりなのか

人間よ