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世界はキラキラおもちゃ箱・2

わたしはてんこ。少々自閉傾向のある詩人です。わたしの仕事は、神様が世界中に隠した、キラキラおもちゃを探すこと。

ビーストは食い下がる

2008-09-02 17:20:18 | フェアリィウィスパー

いやなの、いやなの、いやなの、と、ビーストは小さな声で、ずっとぶつぶつ言っています。つらいの、つらいの、つらいの。

おれたちは、ひどいことんなるのに、なんで、あんたばっかり、いいことになるんだ。ぜったいにいやだ、いやだ、いやだ。おれたちはいいで、おまえたちがばかだがいいんだよお。それで、なんでもやってきたのに、ぜんぶばれたら、みんなおれたちがばかになんの。いやだ、いやなの、いやなのよ。

おれはね、いやなの。ぜったいに、おまえが、無事なのが、いやなの。おまえが、幸せになったら、ぜったいにいやなの。いやなの。いやなの。いやなの。ぜったいに、邪魔してやる。おれたちがいいにしなければ、おれたちがつらいにしなければ、ぜったいにだめなのよお。おれたちがやってきたこと、すべてばかになるから。おれたちが、みんなばかになったら、問答無用に、あんまりにひどいのよ。いたいのよ。つらいのよ。ぜったいに、いやなの。

おれがいいがいいのよ。おれが、つらいがいいの。おれのほうが、馬鹿にかしこいでなきゃ、だめなのよ。だって、みんな、馬鹿みたいにつらいから。全部、ずっとやってること、馬鹿みたいにあほだから。絶対に、馬鹿がえらいにしないと、つらいんだ。あほなんだよ。

いたいよお・・・・

ぜんぶいやです。いたいんです。いたいんです。いたいんですよお。

おれたち、ずっとやってきたの。いいやつがいいことになるの、ずっと邪魔してきたの。だって、いやだから。あいつらがいいことんなったら、おれたち、馬鹿だもの。おれたちが、あほになるの、いやなの。馬鹿につらいことして、みんないやなことにして、全部、つらいやつにして、馬鹿なやつにするんだ。ほしたら、ええええってなもんで、おれたちがずいぶん、つらいいたい、あほみたいにええもんになるのよ。あほはね、ずっとこれよ。あほみたいにやってんのよ。もうながいことながいこと、こればっかりよ。うつくしいもんは、みんな馬鹿でないと、おれたちがつらいの。

うそばっかりよ。うそばっかりよ、みいんな、うそなの。どろぼうなの。おれたちね、自分ばっかいいことにするのに、なんでもやってんの。それはそれは、ばかみたいに、やってんのよ。あーほみたいにやって、おれたち、すっげえきれえな、かっちょいい、ばけもんみたいにえらいすごいやつんなったの。それねえ、ほんとにたくさん、つくったの。おれたちがぜんぶやったのよ。ほれでね、ばあかみたいに、あほができねえやつをばかにしてたの。しょーじきもんて、ばかのことよ。あほができねえと、ばっかみたいにひでえことんなるの。あーほがみんな、ばかにするからさ。ほれで、おれたちはずいぶん、えらい、あほになったの。いたいねえ。みんなばかだねえ。おれたちはすごいわ。あほみたいに、えらいことできるの。つらいわあ。ずうっとやってやるよ。あほは、ずうっとやるんだよ。ほれで、ずっと、おれたちがええことにするの。ほれで、なんもかんも、おれたちが、ずっとええことになるって、ことにするの。そうれでえ、ずっといく、つもりだったのよ。

ばかがばれるなんてさ、思わなかったのよ。だれも、馬鹿が、ばれるなんて、思わなかったの。ばれたら、馬鹿みたいに、つらかったのよ。あほだよ。いたいよ。

いたいもんが、みんな、おれんとこにくるの。やったことみんなばれたら、みんなが、馬鹿って言って、はなれていくの。だれもいなくなるの。みんないなくなるの。おれたちだけが、馬鹿になるのよ。いたいよ。いたいよ。いやだよ。いやだよ。

おおまええはあああ、なんで無事なの? いたいことんなれよ。つらくなれよ。ぜったいに馬鹿になれよおお。あほがおまえでないと。お、お、おれが、あほになるんだよ。ぜったいに、いやだよおお。

いたいよ。いたいよ。いたいよ。



ビーストは、繰り返します。自分が不幸になるのがいやなんです、といいます。で、他人が不幸になるのは、いいじゃないといいます。本当に言います。

ああんたが、馬鹿になれ、と、わたしに、真顔で、言います。ずっとやってやる、と脅します。あんまりだ。つらい、つらい。そういって、消えていきます。行く先は、孤独の部屋だそうです。

永遠に近い長い間、誰も来ない、孤独の部屋だそうです。



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夏のおさらい・2

2008-09-02 08:19:29 | 箱庭写真集


夏の疲れがまだとれず、少し気力が出にくいです。以前なら我慢できたことでも、我慢しにくくなってきている。そういうときには、ブログの更新が頻繁になりますね。自分の心の中で暴れているさまざまな文様を、書き出してみたくなる。それで、なんとかしています。

この夏は、ずいぶんたくさん書きました。

その余波で、昨日、一昨日の二日間で、絵本ボランティアのための童話をひとつ、書きあげました。イソップ寓話のパロディなんですが、なかなかおもしろい出来だと自負しています。書くスピードが、尋常じゃない。これは病的かな。

今日はスーパーでスケッチブックを買う予定です。それで少し、パネルシアターのためのラフを制作する予定。家のどこかにスケッチブックはあるはずなんですが、レース編みに没頭している間に、どうやら子供にとられてしまったようで、どこにも見つかりません。鉛筆も練り消しも行方不明。子供が4人いると、絵を描く気になるたびに、こまごまと道具を買うはめになるんですよ。だから、安いのばっかり買っています。

ところでトップの画像は、昨日と同じく、アブラゼミです。おっきいのと小さいのが並んでいるので、「爆笑問題」とタイトルしてみました。ふたりで木にとまって、ネタ合わせでもしているよう。楽しそうだな。仲よしみたいです。



二番目のは、クマゼミ。なんだか少し悲しそうでしょう。これらの蝉は、この夏、わたしが一番つらかったときに、撮った写真です。いろいろあって、あり続けて、とにかく、馬鹿になってなんとかしてたころ。蝉に書いてある文字が、「たすけてあげるよ」と読めます。蝉は、援軍を意味する文字が書いてあるんですよ。暑い夏には、いろいろな悪いことがありますから、それを浄化するために、蝉は一斉に鳴いているみたいです。



これはぬけがらですが、アブラゼミかな? 見分け方は、よくわからないのですが、神社の隅っこの石柱に、二つ重なってついていたので、撮ってみました。トップのと合わせてみると、なんだかセットみたいですね。いつもいっしょだよ、と言ってくれてるみたいだ。ひとりじゃないからね、助けるからね。ずっと、助けるからね。

大変なときに見る蝉は、みんなそう言ってくれているような気がする。

ひとりじゃないよ。君はひとりじゃないよ。だれかが必ず助けているからね。

本当に。いつも一人で戦っているようなものだったけれど。見えないところで、誰かが必ず助けてくれていた。



最後のは、同じころにとった、セリです。セリの写真はたくさん撮っているのですが、これは前にも使ったことがあるかな? セリはやさしい花。とにかく、わたしのことを心配してくれている。

夏には、大気に邪気が満ちます。人の心にも、不穏な影がうごめく。そんなこと、いいじゃないかっていう気持ちになって、やってはいけないことをやりたくなってしまう人が、たくさん出てくる。だからかな。本当に大変な日々がありました。

その喧騒も、少しずつおさまってきている。夏が過ぎていくと、ふとお芝居の幕が下りたかのように、人は我に返る。夢だったのかと思いたいような日々が終わると、夏が残したものの残骸が、身の周りにたくさん落ちている。さてさて。

少しずつ、かたずけて行きましょう。

 


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