538ねん。

プログラムピクチャーとごみ映画を懐かしく語りたいなと・・・

獄(ひとや)に咲く花

2011-01-27 01:38:08 | 邦画
山口県の肝入りで作られた映画だそうで
長州の偉人 吉田松陰の伝記映画
といっても江戸で斬首される直前まで居た
国元の牢屋暮らしのお話。

「獄」と書いて「ひとや」と読むって知らなかったなぁ
で、辞書で調べたら

人屋、牢の雅語表現

なんだそうで
牢屋に雅語なんて必要・・・なんだろうか?

律令国家が形成され始めた奈良時代には
曽我氏、物部氏、藤原氏が権力闘争していて
天皇を毒殺したり、暗殺したり、死罪にしたりと
そんなこんなで天皇を入れる牢も必要だったんだろうな

そして牢自体、個室というか小部屋のケージなわけで
「一屋」みたいになってるから読みが「ひとや」
で一応天皇に敬意を表しての雅語表現なんかなぁ
なんて  って話がそれましたけど

主役の近衛はなさん
目黒祐樹さんの娘さんとか
そんで父方の名跡をつがれて近衛を名乗られたのですね
ちょっとどんな演技をされるのかと興味がわき

昨年の公開時期に映画館で見たかったんですが体調が・・・
東京の吉田松陰の首が祭られてるという松陰神社の近くの
三茶でようやっ見ることができました。

ちょっと見はやっぱお母さんの江夏夕子そっくりだし
ふっと見せる表情に目黒さんの面影を宿しましたね

幕末の時代劇ではありますが
舞台が牢屋と限られておりますし
じつにまじめに正面から
吉田松陰と久さんの男女の心の綾を微妙な距離感で
映像化してましたねぇ

牢屋というか獄舎の建て物内のトーンは
獄舎につながれてる人たちの内面を表わすかのように
トーンを落として暗くして

対比するよう、映像文法忠実に
四季折々の風景で時間経過をあらわす映像は明るく
色鮮やかに・・・

水をものすごく生かした撮り方もしてますよね
雪と見まごうばかりに雨粒の落下を超スローで撮影
涙の一滴の落とし方にもスロー

水垢離の水に男への愛を表現し
風呂の湯で男への思慕を確認し  と

この監督さん必殺シリーズをとってられた方なので
光と影の使い方がうまいんですねぇ
この映画をしっかりとした映画に昇華されてる

本田博太郎さんがいつものくせというか
アクの強いえんぎを封印して好演
神山繁さんまだいきてらっしゃんたんですね

そしてそして松陰の母親に赤座美代子さん

私には感情移入もなんもできない映画でしたけど
近衛はな演じる高須久の生き方と
恋愛感情に共感できる女性は
結構いるんじゃないのかな