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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ワイン用ぶどうの収穫と仕込み。メルロー・シラー・スチューベン(妻女山里山通信)

2022-10-13 | 男の料理・グルメ
 ワイン用ぶどうの収穫と仕込みに集まりました。ぶどうは日本では生食用が一般的ですが、世界では生産量の80%がワイン用だそうです。

 収穫の方法や手順の説明を聞いて作業開始。ここはフランスのボルドーでもチリでもありません。信州の上田市です。

 拙書「信州の里山トレッキング 東北信編」川辺書林の表紙にもなっている子檀嶺岳(こまゆみだけ)。ルビがないととても読めない山名の由来や歴史も説明しています。山頂は真田の山城です。全国からハイカーが訪れる人気の山。
子檀嶺岳 花と歴史のトレッキング(妻女山里山通信):下山後は、国宝大法寺の三重塔(見返りの塔)に参拝して別所温泉がおすすめ。

 拙書では載せられませんでしたが、仲間と登ったこれも歴史の山、夫神岳。近くに女神岳も鎮座します。
上田市塩田平、別所温泉の後背にそびえる雨乞いの山、夫神岳トレッキング(妻女山里山通信):戦没画学生慰霊美術館「無言館」へもぜひ。

 メルロー(Merlot)です。フランスのボルドーを原産地とする赤ワイン用ぶどう品種です。カシスやブラックベリーなどの濃厚な果実味を持ちながら、シルキーなタンニンを持つ滑らかな味わいを特徴とするといわれています。

 こんな風に横に移動しながら収穫していきます。ワインは、日本酒やビールと違って水を使わず果汁のみで作るので、ぶどうの品質がそのままワインの品質になります。

 収穫したぶどうは、選別作業で虫食いや腐っている実、病気の実、未成熟な実などを取り除いていきます。根気のいる作業です。周囲をコガタスズメバチがたくさん飛び回っています。ぶどうに取り付いて一心不乱に食べています。手で追い払ったりしなければ刺されませんが、鬱陶しいです。鹿よけの高圧電流の電線もあるので、うかつに触れると感電します。作業中は電源を切ってますけどね。

 処理したぶどうをトラックに積み込みます。手前はスチューベン。東御市にある醸造所へ向かいます。

 醸造所のTSUIJI LAB(ツイヂラボ)へ。醸造責任者(CTO)は、J.S.A ソムリエの須賀さん。ぶどうを運び込みます。

 ぶどう園オーナーのK氏の満面の笑み。美味しいワインができるといいのですが。義父がホテルオークラのグルメ関係のエンタープライズの社長をしていたり、私自身土井善晴さんや平野レミさん、ジュディ・オングさんなどとグルメ関係の仕事をしたり、妻がやっていたプランタン銀座でのカフェメニュー教室のバックアップをしたり、料理本を監修したりメニュー制作をしたりと関わってきたので、ピンからキリまで色々なワインを飲んできましたが、ワインは本当に難しい。高くてもう〜ん好みじゃないなとか、安くて東欧の古いワインが驚くほど美味かったり、円高の時の南米放浪で買ったチリの2000円ほどのワインが(レート換算では2万円ほど)、びっくりするほど美味かったり。醸造酒でもワインは本当にバリエーションが豊かすぎて広すぎて深すぎて、ブラックホールに吸い込まれる気分です。
MORI MORI RECIPE・男の料理:信州の新郷土料理に、世界の郷土料理やアウトドア料理を、時に大胆に時に繊細に「男の料理」にアレンジ。
マリングルメ(美味しい愛情レシピ):妻のレシピ集。デザートが必見です。エコールプランタンの講座の料理とデコレーションも。

 処理作業に入ります。

 ぶどうの房から果梗を取り除き実と分けます。これが一般的ですが、除梗しない全房発酵(ホールバンチ・ファーメンテーション)というやり方もあるそうです。うまいこと分かれるもんだなと感心して見ていました。

 最初は自重で絞り、最後に何度も圧力をかけて静かに絞ります。できたジュースを飲ませてもらいました。前回のメルロー100%のものに比べると、華やかな甘さだけではなく、酸味や渋みが加わって味の輪郭もはっきりしていました。どんなワインが出来上がるかとても楽しみです。実は我が家は明治時代は酒造免許を持っていて葡萄酒を作っていたそうです。

 作業が終了して機械を洗ったり。私も昨年春までナショナルブランドの食品メーカーで働いていたので、作業後の洗浄の大切さと大変さはよく知っています。あと異物混入には非常に神経を使いました。非常停止ボタンを押したことも何度かありました。外国人の教育係もしていたので、英語やらポルトガル語やらを駆使してけっこう大変でした。今もタイやフィリピンのお姉様方とは交流があります。

 今回お土産にいただいた果実。秋映とシナノゴールドにスチューベン。最近はシャインマスカットばかりが注目されていますが、在来のぶどうも充分に美味しいのでおすすめです。敷いてあるセミ模様の布は、プロバンス地方の伝統柄です。ヨーロッパでセミが鳴くのは南仏のプロバンス地方だけ。セミは平和の象徴で、魔除けの意味もあるそうです。

独立行政法人 酒類総合研究所 ワイン醸造技術まとめサイト:ワイン醸造に興味のある方はどうぞ。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。地形図掲載は本書だけ。山の歴史や立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。10本のエッセイが好評。掲載の写真やこのブログの写真は、有料でお使いいただけます。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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芸術の秋に行きたい美術館。おうちで信州の美術館を旅しよう! 無言館(妻女山里山通信)

2020-09-13 | 展覧会・イベント・コンサート
 芸術の秋といえば、美術館巡りがあります。一人で、好きな人と、家族で、友人達と。ミュージアムショップで売られているグッズも魅力的です。

ホキ美術館 画家の眼がとらえた美


ホキ美術館 オリジナル動画

 写実絵画の美術館。写実絵画については、作家が色々述べているのでそれを聴くといいでしょう。写実絵画の歴史は古く、その欲求と衝動は単なるリアリズムの追求だけではありません。もちろん写真の代わりではありません。よって写真みたいは褒め言葉になりません。よく鑑賞し感じれば見えてくるでしょう。

おうちで信州の美術館を旅しよう!

9/19からアルフォンス・ミュシャ展が行われる松本市美術館や、美術館の宝庫といわれる軽井沢もおすすめ。
松本市美術館:公式サイト
軽井沢ニューアートミュージアム:公式サイト
軽井沢現代美術館:公式サイト
前衛芸術家 草間彌生の「魂のおきどころ」を観に松本市美術館へ。感動と充実の日でした(妻女山里山通信)
軽井沢ニュー・アート・ミュージアムへ草間彌生を観に。素晴らしい展覧会と美術館でした(妻女山里山通信)

無言館 『詩の朗読とバイオリンの演奏』Vol.2 ~バイオリンの演奏 天満敦子~

戦没画学生慰霊美術館 無言館:公式サイト  一度は必ず訪れて欲しい美術館。

夏の美ヶ原高原美術館 Utukushi-gahara Open-Air Museum

美ヶ原高原美術館:公式サイト

【2021年春オープン新美術館】ランドスケープ・ミュージアム 〜開かれた美術館として〜


「ライトケープ」大地の芸術祭2018

日本三大峡谷 清津峡:公式サイト  必ず行きたいアートトンネルですが、この4連休は大混雑で無理でしょう。
北アルプス国際芸術祭2017 Japan Alps Art Festival 超絶オススメ!(妻女山里山通信) :今年は新型コロナウィルスで中止になりましたが、2017年の芸術祭はそれは素晴らしいものでした。国際的なアーティストの感動ものの作品をアップしてあります。ぜひ御覧ください。次回の開催を心から楽しみにしています。
新会期:2021年8月21日(土)~10月10日(日) 51日間

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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信州の鎌倉・塩田平探訪。安曽岡山パノラマ展望台・安曽神社・塩野神社・野倉夫婦道祖神・国宝安楽寺三重塔・馬肉うどん・生島足島神社(妻女山里山通信)

2018-05-31 | 歴史・地理・雑学
 信州の鎌倉といわれる上田市塩田平の独鈷山や安曽岡山の麓を巡りました。鎌倉幕府の時代、北条氏が庇護したために神社、寺院、城跡などが盛りだくさん。本当に魅力的なところです。特に戦没画学生慰霊美術館の「無言館」はぜひ訪れて欲しい。二回入館しているので今回は入りませんでしたが、県内外からたくさん訪れていました。

(左)ネットニュースで、上田市塩田平の安曽岡山中腹にパノラマ展望台がリニューアルされたというので行ってみました。標高は約600m。無言館から遊歩道もあります。車では前山寺の右の林道を登り、最初の分岐で左の未舗装の林道を3分ほど走ると展望台です。その先に駐車スペースがあります。(中)展望台から北西の長め。塩田平と子檀嶺岳が見えます。(右)四阿の柱は、生島足島神社の御柱です。

 同じく展望台からの眺め。左に夫神岳。右に台形の子檀嶺岳。こちらは拙書で紹介しています。その難しい山名の由来にも言及しています。夫神岳は、ブログのブログ内検索で記事が読めます。

 展望台に設置されている山座同定の看板。こういうのはいいですね。多くの山に設置して欲しいと思います。

(左)林道を下って安曽神社へ。安曽は阿蘇と繋がります。神武天皇の皇子といわれる神八井耳命(かんやいみみのみこと・かむやいみみのみこと)の孫、あるいは4世孫のひとりが阿蘇から科野に移り、崇神天皇の命により科野國造に任命されたと古事記にあります(森将軍塚古墳に埋葬されていると思われる建五百建命:たけいおたつのみこと)。
 社伝によると貞観年代(860年頃)、国々の諸神及び仏像経巻を収め、後に信濃権守峯嗣が阿曾山舎社をとして再建。寿永年代(1185)に源頼朝が諸国の神社を修復。当地の地頭芳沢民部介光綱が石上布留社の境内に阿曽社を建立し遷座したといいます。観応二年(1351)に兵乱が東国より此の地におよび、芳沢城が落ち、芳沢氏と阿曽社の事蹟は失われてしまいました。(中)随身門:楼門文政7年(1824)建立。入母屋の楼閣造り。(右)左右の二神はかどもり神(かどもりのかみ)と看督神(かどのおさ)で俗に矢大神と左大神ともいわれています。二神の裏側には神馬の像があります。

(左)戦没画学生慰霊美術館「無言館」のオリーブの読書館から見上げる安曽岡山。「無言館」は一度ぜひ訪れてください。平和の大切さが沁み沁みとわかる美術館です。第二展示館「傷ついた画布のドーム」の前庭にあるモニュメントの裏の一文には、『画家は愛するものしか描けない 相手と戦い 相手を憎んでいたら 画家は絵を描けない 一枚の絵を守ることは 「愛」と「平和」を守るということ』と記されています。(中)満開のヤマボウシの花。(右)俯いて咲くエゴノキの花。
「無言館」探訪記。ブログ記事ふたつ。ぜひお読みください

 山王山公園の看板。塩田平の全貌が非常に分かりやすい。上が西なので間違えない様に。インフォメーション・デザインもしましたが、北を上にして設置を南向きにすると、現地の風景と照らし合わせやすく一般の方々も把握しやすいと思います。朝日新聞やキヤノン、凸版印刷や某政党のサイトのアートディレクターやデザインプロデューサーをした私の経験上のアドバイスです。インフォメーションデザインやエンバイロメントグラフィックスは、そういう知識のない一般の人達にも分かる様にデザインすることが大事なのです。

(左)真田昌幸・信之も信仰した塩野神社。珍しい二階建ての楼閣造の拝殿と奥に流造の本殿。祭神は、素盞嗚尊(スサノオノミコト)・少名彦命(スクナヒコナ)・大己貴命(オオナムチノミコト:大国主命)。拝殿は棟札により寛保3年(1743)。本殿は寛延3年(1750)棟札。大工は上田房山の大工棟梁、末野忠兵衛。
 創立年月は不明。当初鎮座の地は独鈷山(1266m)の鷲ケ峰に祀る。現在も奥社が鎮座。白鳳元年4月出雲大社より分霊を勘請。永禄11年(1568)4月武田信玄社領十貫文。天正15年(1587)真田昌幸七貫文を寄附。元文年間(1736-41)塩野の本号に復帰。明治6年44月村社。明治28年9月郷社。明治40年神饌幣帛料供進社。(中)尾垂木には竜の彫刻が施されていますが、この竜が脇障子の上の鉢木を飲み込むという珍しい意匠になっています。(右)神社の右裏手に月見堂の看板が。誘われて登り始めましたが、10曲がりのあるちゃんとした山登りでした(笑)。眺望は抜群です。

 そこから見る拙書でも紹介の子檀嶺岳。「こまゆみだけ」と読みます。ルビがなければとても読めない山名です。拙書では、『日本三代実録』まで遡る山名の由来を説明しています。塩田平は瀬戸内同様に日本で最も降水量の少ない地域なので溜池がたくさんあります。写真は舌喰池。

 女神岳の南を巻いて別所温泉に向かいます。野倉の里から見るこれは富士山(別名:鹿教湯富士)でしょうか。独鈷山を挟んで東には富士嶽山もあります。左奥は美ヶ原。

(左)野倉の夫婦道祖神。衣冠束帯の男神と十二単の女神。夫婦和合、家庭円満、子宝の神として信仰厚く、遠方から訪れる人が多い。と記されています。(中)そこから別所温泉に向かう途中の三島神社の上にある別所氷沢の風穴。蚕種保存に使われたそうです。気温30度の日に内部は5度だとか。いや驚きました。昔の人の知恵は凄い。(右)沢には山菜のアイコ(ミヤマイラクサ)が。信州では無名ですが秋田では山菜の女王といわれます。クセがなく非常に美味しい。

 別所温泉の安楽寺へ参拝。国宝の三重塔を観に行きました。四重塔に見えますが、一番下の屋根は裳階(もこし)です。建立は、鎌倉時代末期の1290年頃。わが国最古の禅宗様式の建築で、中国宋代の先進技術であった唐様(からよう)を用いています。なんとなく和風ではなく中国風に見えるのはそのためです。現存する唯一の八角の塔です。

(左)上へ歩いて石湯。斜め向かいに駐車場があります。入浴料は150円。今回は入りませんでしたが、いい湯です。(中)その向かいにある日野出食堂へ。つるし雛が。(右)名物の馬肉うどん(600円)をいただきました。上田駅前の中村屋、信州新町の旭家食堂とともに私が勝手に三大馬肉うどんと認定させていただきます。

(左)戻る途中に真田昌幸と幸村の鎧のレプリカの展示。ここにもつるし雛。(中)北向観音。(右)未完の塔と呼ばれる前山寺の三重塔。鎌倉幕府滅亡の年に建立されたため未完で終わってしまった様ですが、未完と感じさせないほど美しい塔です。もうひとつ塩田平には国宝の三重塔があります。拙書でも載せていますが、子檀嶺岳麓の国宝大法寺三重塔です。あまりの美しさに振り返られずにはいられないことから「見返りの塔」といわれます。本当に美しい三重塔です。
大法寺三重塔の記事一覧です。私はわが国で一番美しい三重塔だと思っています

 最後は、生島足島神社に参拝しました。大国主命の子で諏訪大社の祭神・健御名方命(たけみなかたのみこと)が諏訪に赴く前に、この地を鎮めたと伝わる神社で、大地の神であり御神体(御霊代)は、内陣にある土間。つまり、大地そのものです。神社は周囲を池に囲まれており、「池心の宮園池(いけこころのみやえんち)」といい、出雲式園池の面影を残す、日本でも最古の形式の一つとされるものだそうです。
 生島足島神社は、日本の臍(へそ)といわれる神社ですから、歴代の帝の崇敬も非常に厚く、醍醐天皇の廷喜の代(901年~922年)には名神大社に列せられています。 その後も北条氏、真田昌幸・信之の戦国武将を始め、代々の上田城主も神領を寄進し、社殿を修築するなど、崇敬を表しています。
 また、神社の一角には回り舞台やせりのある歌舞伎舞台(県宝)があり、そこには武田信玄が必勝を祈った「願文」や忠誠を誓わせた「起請文」などの古文書(レプリカ)が常設展示されています。(入場無料) 。信玄の願文は、パターンが決まっていて上杉謙信を極悪人と称して徹底的に罵倒し、戦に勝たせてくれたらたくさん寄進しますよというもの。
 今回は、ローズクォーツの勾玉(まがたま)のお守りを買いました。塩田平の知名度が全国的にどうなのかは知りませんが、非常に魅力的なところであるのは間違いありません。
生島足島神社 by Wikipedia
 創建は不詳。社伝では、建御名方富命(摂社諏訪神社祭神)が諏訪へ向かっていた時、この地に留まり、生島・足島両神に米粥を煮て献じたという。この伝承から、生島・足島両神は当地の地主神であると見られており、伝承自体は現在も特殊神事の「御籠祭(おこもりさい)」に名残を残している。
 一方『延喜式』神名帳には、宮中の神祇官西院で祀られる神23座のうちにも生島神・足島神の記載がある。このことをもって、科野国造の多氏(並びに同族の金刺氏・他田氏)が国魂として宮中から両神を勧請したという説もある。この中で、金刺氏がのちに諏訪大社下社の大祝を務めたことと、摂社諏方神社の関連性が併せて指摘される。
 なお、生島足島神社の南西方にある泥宮を旧鎮座地にあてる説もある。


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上田市塩田平、別所温泉の後背にそびえる雨乞いの山、夫神岳トレッキング(妻女山里山通信)

2017-05-06 | アウトドア・ネイチャーフォト
 ゴールデン・ウィークの前半は、妻女山里山デザイン・プロジェクトの面々と上田市塩田平、別所温泉の後背にそびえる雨乞いの山、夫神岳に登りました。荒れ模様だった前日とは違い、朝からピーカンの好日でした。

(左)信州の鎌倉と呼ばれる塩田平からの夫神岳。コースは主に別所温泉からと青木村からのコースがあるのですが、今回は後者です。(中)まるべりーオートキャンプ場上の登山口駐車場から出発。トイレもあります。(右)獣害避けの扉横にジグザグに抜ける登山者用の通路があります。イノシシはここを抜けられないのでしょうか。そうならば他の山も取り入れて欲しいですね。

(左)林道歩きの後に月波(つくば)の泉。甘露です。(中・右)そのすぐ上のくらおかみ大明神。ここで休憩。この祠は説明文によると、寛文五年(1665)に建て替えられたといいます。おかみ信仰は高龗(淤加美:おかみ)と闇(くら)龗(淤加美:おかみ)の二柱の神で、雨の神、水の神で、遠い昔の雨乞いの歴史を今に伝えるもの。この夫神信仰が元になり麓の村は夫神郷と呼ばれるようになった。この社に夏祭りの時に奉納されるしなり織りは、雨の神、龍神の姿をあらわすものとされる。「とおき世に 雨を祈りて 祀るてふ 泉のかたえ くらおかみたつ」※PCの環境によっては文字化けします

(左)林道や登山道脇に咲く花々。マキノスミレがあちこちで咲いていました。(中)ネコノメソウの仲間。ネコノメソウは種類が多く、同定はなかなか困難です。(右)シロバナエンレイソウ。咲き始めでした。

(左)雨量の少ない塩田平ですが、北側だからかあちこちに美しいスギゴケが見られました。(中)小さなホンドサルオガセ。(右)うつむいて咲くモミジイチゴも散見。

(左)キンポウゲ科イチリンソウ属のアズマイチゲ。スプリング・エフェメラル(春の妖精・春の儚い命)と呼ばれる花のひとつです。(中)シダ類の一種でしょうけど、なんでしょうね。すごく小さいです。(右)猛毒のハシリドコロの群生。ヤマトリカブトの群生もありました。

(左)N氏の帽子に止まったヒオドシチョウ。(中)同じくN氏の手に止まったベニヒラタムシ。どうも虫をおびき寄せる才能がある様です。(右)ヒメツチハンミョウですかね。幼虫はハナバチ類の巣に寄生して卵や花粉,蜜を食べます。触るとカンタリジンという有毒成分を分泌するので要注意。

(左)山頂まであと600m。急登が堪えます。(中)やっと山頂。前述の祠があります。(右)山頂は北面のみ眺望が開けます。子檀嶺岳が正面に。右奥に大林山。さらに右端の奥に鏡台山。眼下に青木村。

 拙書の表紙にもなっている子檀嶺岳。眼下の道の駅あおきからは、ゴールデン・ウィークの客を迎える太鼓の音が聞こえます。夫神岳は残念ながらページ数の関係から拙書には載せられませんでしたが、子檀嶺岳はその名前の由来や歴史からコース、麓の国宝大法寺の三重塔(見返りの塔)まで詳細に載っています。

 山頂で記念写真。昼餉は事前に打ち合わせをしなかったので、豚や鴨など肉だらけになってしまいました。これは厳しく反省しなければなりません。ほかにおにぎり、こねつけ、インスタントラーメン、ウドのぬた、にんにくの芽と豚肉の中華炒めなどもあり、食べすぎての下山となりました。これも反省点です。

 なんだか分かりますか。下山中に伐採地で見つけた鮮やかな物体。カエデの切り株に発生した樹液酵母です。舐めてみましたが無味無臭です。ビールの酵母やパンの酵母にも使えます。昆虫たちも食べに来ます。

 下山後は「無言館」へ。戦没画学生慰霊美術館です。冬にひとりで来た時とは違い連休なので大勢の人が訪れていました。戦争によって絵を描くという夢を絶たれた若者たち。ぜひ訪れて欲しい美術館です。
 第二展示館「傷ついた画布のドーム」の前庭にあるモニュメントの裏の一文。
『画家は愛するものしか描けない 相手と戦い 相手を憎んでいたら 画家は絵を描けない 一枚の絵を守ることは 「愛」と「平和」を守るということ』

 次回からは、ゴールデン・ウィーク後半の信州の秘境への旅「遠山郷、大鹿村、下諏訪。中央構造線を巡る旅 その1」をアップします。あまりにも濃すぎる旅で一度では表現しきれません。南信は非常に非常に奥深いです。忙しくなりそうなのでアップの日は未定です。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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信州の鎌倉塩田平へ。真田昌幸・信之も信仰した塩野神社。戦没画学生慰霊美術館「無言館」(妻女山里山通信)

2017-01-30 | 歴史・地理・雑学
 1月最後の日曜は久しぶりによく晴れて気温も緩みました。以前から行きたいと思っていて叶わなかった信州の鎌倉と呼ばれる塩田平の拙書でも紹介している独鈷山の麓にある由緒ある寺社や美術館巡りに出かけました。

 国道403号を西へ。土口水門から千曲川越しに見る仁科三山。左から爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、右に山頂だけ見える五竜岳。千曲川の濃い青が印象的ですが、今年は鴨がほとんど見られないのが気がかりです。

(左)(中)まず最初に訪れたのは、中禅寺。仁王堂の金剛力士像。平安時代後期、平清盛の発願で作られたとか。(右)中禅寺薬師堂。中尊寺金色堂と同じ阿弥陀堂様式で、鎌倉時代初期の建造で関東中部で最古の木造建築です。本尊の薬師如来坐像、木造神将立像とともに国の重要文化財に指定されています。ということは、金剛力士像の方が古いのですね。

(左)次に向かったのは、真田昌幸・信之も信仰した塩野神社。杉並木の奥に佇む本殿。(中)神社の配置図。(右)特に名称はなかったのですが、中には昔に御神木だったと思われる欅の大木の根元部分と、花火を打ち上げるのに使われた大筒が。

(左)上諏訪社。(中)下諏訪社。(右)独鈷山から流れる清流に神橋の太鼓橋。近所から春の例祭の練習でしょうか、軽やかな太鼓の音が聞こえてきました。

 珍しい二階建ての楼閣造の拝殿と奥に流造の本殿。祭神は、素盞嗚尊(スサノオノミコト)・少名彦命(スクナヒコナ)・大己貴命(オオナムチノミコト:大国主命)。拝殿は棟札により寛保3年(1743)。本殿は寛延3年(1750)棟札。大工は上田房山の大工棟梁、末野忠兵衛。
 創立年月は不明。当初鎮座の地は独鈷山(1266m)の鷲ケ峰に祀る。現在も奥社が鎮座。白鳳元年4月出雲大社より分霊を勘請。永禄11年(1568)4月武田信玄社領十貫文。天正15年(1587)真田昌幸七貫文を寄附。元文年間(1736-41)塩野の本号に復帰。明治6年44月村社。明治28年9月郷社。明治40年神饌幣帛料供進社。

(左)(中)本殿の両妻面には天女の木彫が施され、妻の虹梁には雲の文様彫刻が見られます。風雪でかなり傷んではいますが、所々に丹塗の赤が見られます。本来は朱色の社だったのでしょう。(右)右の脇障子には竹に虎、左には牡丹に唐獅子。その上の尾垂木には竜の彫刻が施されていますが、この竜が脇障子の上の鉢木を飲み込むという珍しい意匠になっています。

(左)(中)本殿手前の右には白山社、山の神、天満宮社、竜王社などの石祠が。これは南方熊楠が猛反対した明治政府の悪政、合祀令の結果でしょうか。(右)本殿右の建物の内部。

(左)溜池の塩野池から見る拙書でも紹介の子檀嶺岳。山頂は真田の山城です。(中)その先の龍光院へ。弘安五年(1282)塩田城主北条陸奥守入道道祐(北条国時)によって父義政公の菩提を弔うために建立された古刹です。黒門の大欅は幹周り702センチで上田市の指定保存樹木となっています。(右)山門をさらに30mほど登ると、北条義政の慰霊の石塔があります。

(左)龍光院の山門右手に建つ羅漢堂。1282年塩田城主であった北条国時が父・義政の菩提を弔うために龍光院の前身・仙乗寺を開創したのに始まり、1601年龍光院と改め曹洞宗の寺院として再興されたということです。(中)本堂内部。(右)狩野永琳作の屏風。紙本花鳥人物屏風。四季の花鳥と七賢人が六曲一双の十二枚に描かれた大作で永琳の代表作です。永琳は明和4年(1767)前山の保科弥惣右ヱ門の二男として生まれ、江戸の狩野法眼永徳の門に入り類まれな才能を発揮し、師の信頼が厚かったそうです。師に代り京都御所の龍を描き、その完成間際に同門にねたまれ、文化5年(1806)に毒殺されたと伝えられています。

(左)次は独鈷山の一支脈である弘法山の北山麓にある塩田平に鎌倉文化を築いた北条義政(1242-1282)の居城といわれる塩田城跡へ。戦国期は、村上義清が福沢氏をおいて東信濃を統治させていたといいます。中世城郭としては長野県で最大級だとか。(中)発掘調査が行われた居城跡。発掘品は「塩田の館」で見ることができます。(右)三島社。

(左)未完の三重塔で有名な真言宗智山派 独鈷山(獨股山)前山寺(ぜんさんじ)。創建は、弘仁年中(810~823年)弘法大師によるといわれています。未完の三重塔は、前山寺のサイトには、「塔の建立年代は、資料がないのではっきりしないが様式上は室町時代の初期と推定されている」とあります。(中)趣のある本堂。(右)本堂内部。予約すれば名物のくるみおはぎが頂けます。

 三重塔は、国の重要文化財。和様・禅宗様の折衷様式。逆光になりますが、背景に独鈷山を借景に観るのが趣があって好きです。

(左)ちょうど正午になり、住職が鐘をつきに来ました。荘厳な鐘の音が幾度も塩田平に響いていました。(中)三重塔の双輪。(右)未完の塔といわれる理由ですが、写真の赤い矢印の箇所に何かを敷設するための切込みが見られることから。さらにその下に突き出ているのは、回廊を作るためのものだったと思われます。建造が中止になったのは、鎌倉幕府の滅亡と関係があるのではと私は考えています。

(左)そして、以前から訪れたいと思っていた戦没画学生慰霊美術館「無言館」。(中)戦没画学生の名が刻まれた記憶のパレット。左奥の山は独鈷山。(右)2008年に開館した第二展示館「傷ついた画布のドーム」。ドームの天井に貼られた習作のデッサンが印象的でした。ゆっくりと1時間ほどかけて鑑賞しました。湧いてきたのは哀しみよりも静かで強い怒りでした。己の利益しか考えない戦争屋により、夢や命を理不尽に奪われた若者たち。小4の漢字も書けないでんでん馬鹿首相が、ジャパンハンドラーズの手先となって日本を戦争に巻き込もうとしている現在は本当に危機的な状況です。どんな理由があろうが戦争で幸せになる人などいるはずもないのです。「無言館」ぜひ訪れてください。
一度だけでも見てほしい 信州上田「戦没画学生慰霊美術館 無言館」

 無言館から見る拙書でも紹介している山々。左から烏帽子岳、東篭ノ登山、西篭ノ登山、水ノ塔山、高峰山、黒斑山、浅間山。

(左)無言館第二展示館「傷ついた画布のドーム」庭の絵筆がはめ込まれたモニュメント。赤いペンキのわけ。右下にあるのは「開かないポスト」。(中)モニュメントの裏。(右)無言館から塩田平を望む。

 最後は、生島足島神社へ。月末ですが、初詣の善男善女が大勢参拝に訪れていました。
初詣は、信州の鎌倉・上田市塩田平の生島足島神社へ(妻女山里山通信)境内の詳しい説明も。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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