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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

JR東日本信濃川発電所・東京電力信濃川発電所。都民はこれがないと通勤通学も生活もできません(妻女山里山通信)

2020-10-16 | 歴史・地理・雑学
 清津峡渓谷トンネルをたっぷりと鑑賞してから十日町に戻り、「そらや」で無化調の美味しいラーメンを食べてから、JR東日本信濃川発電所と東京電力信濃川発電所に向かいました。

 信濃川発電所の起点となる宮中ダム。高さ16.4mの重力式コンクリートダムです。1920年(大正9年)、下流に建設した千手発電所(せんじゅはつでんしょ)の取水ダムとして建設を開始し、1938年(昭和13年)に18年の歳月を掛けて完成しました。 ただこのダムのために、長野県の千曲川まで遡上していた鮭が来なくなりました。現在は魚道が作られ、放流もしているので戻ってきた様です。

「信濃川発電所管内鳥瞰図」。宮中ダムは、一番左上です。大規模な施設ということが分かります。この電力で、山手線や中央線、京浜東北線や新幹線が動いています。それらを利用している都民でこのことを知っている人はどれくらいいるでしょう。訪れたことがある人は数少ないでしょうね。

 ダム湖。元田中康夫県知事の時代に、脱ダム宣言も行われましたが、確かにゼネコンが暴利を貪るための不要なダムもありました。ただ必要なダムもあるのです。なにより人類を滅亡に招きかねない核のゴミが出る原発よりはるかに安全なクリーンエネルギーです。

 轟音を立てて放水中。橋も震えていて少し緊張します。

 魚道。魚の大きさに合わせて三種類の魚道があります。白鷺が魚を求めて集まっていました。

 魚道観察室。残念ながら鮭の遡上は見られませんでした。

 魚道越しに観る宮中ダム。水門は4つ開けられていました。曇り空でなんだかディストピア(暗黒郷)の様な景色ですが、都民を支えるダムです。しばらく佇んで見ていましたが、自分も40年の東京ぐらしでこのダムのお世話になっていたのだなと染み染み感慨にふけりました。

 宮中取水口。水は浅河原調整池へ。そこから千手発電所へ向かいます。ダムカードが欲しかったのですが、小千谷発電所まで行かないと入手できない様で諦めました。ダムマニアではないのですが、行くとダムカードを集めています。河川は日本の本当に大切な宝です。災害も引き起こしますが、恩恵のほうがずっと多いのです。

 近くのミオンなかさとで温泉に入り、松代(まつだい)町へ向かうために県道353へ。そこからの宮中ダム。ここから東京電力信濃川発電所までの道が狭く信濃川の崖上で大変なところでした。

 東京電力信濃川発電所。上流にある西大滝ダム(長野県飯山市:通ったのですが撮影できず)で取水し、約21kmの導水路で水をここまで運んで発電しています。昭和14年に運転を開始したそうで歴史があります。鉄管の太さは4m近くで迫力があります。ダムのある長野県民や、発電所のある新潟県民は、おそらく1ワットも使っていないのではないでしょうか。で、松代町の道の駅で車中泊すべきと向かったのですが、豪雨。山間部より十日町の方がいいだろうと下りました。台風14号の影響で予定はめちゃくちゃでした。続きは次の記事で。

■信濃川発電所 ドローン空撮映像 Dronevideo at Shinanogawa power station


JR東日本信濃川発電所(千手発電所、小千谷発電所、小千谷第二発電所の3発電所の総称)

JR東日本信濃川発電所の不正取水問題:都民ならずともこの不祥事は知っておかなければいけないことです。但し、河川や海は、国土交通省のものではありません。国民のものです。国交省に管理を任せているだけ。国交省の官僚はそのことを心すべし。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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