



山に除草をしに行って、足元に大きなキノコを発見しました。左右は40センチ近くあります。雨後のため濡れていて表面は滑らかですが粘性はなく、固いゴムのような触感です。しかもひとつのキノコではなく、どうやら複数のキノコが成長過程で合体したようです。横から見ると親キノコの上に子キノコ乗せて子キノコの上に孫キノコ乗せてという風情。まるでキノコの段々畑か集合住宅です。横には単独ではえた直径6センチぐらいの同じキノコもありますが、これも二階建てでした。
これは多孔菌科スルメタケ属のスルメタケ。広葉樹の根株腐朽菌で、これに取り付かれると木は枯れてしまいます。このキノコは、切り株に発生しているのではなく、地下にあるソメイヨシノの根を侵して地上に生えているのでしょう。傘裏の孔口は非常に小さく肉眼ではほとんど見えません。草をかんでいますが、キノコとキノコの間に入って、成長過程で挟まれてしまったんですね。草にしてみればいい迷惑です。
これだけ大きなキノコですから食べられると嬉しいんですけど、多孔菌科のキノコで食べられて美味しいのはマスタケぐらいですかね。スルメは食べられなくて鱒(マス)は食べられるんです。名前の通りサーモンピンクのきれいなキノコで、フライにして食べたら鶏肉のフライのようで大変美味でした。でも多孔菌科のキノコで最も美味といえば、忘れてはいけません。やはり舞茸ですね。これに勝るものはありません。
面白いキノコを見つけたと喜んで林道を歩くと、アールヌーボーのランプのようなお洒落なキノコを見つけました。それは次回に紹介します。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。