





集中豪雨並の雷雨で、山がどうなったか心配で見に行きました。斜面を登っていくと、いつもと風景が違います。整備中のわが家の山に隣の山林から大きな赤松が倒れていました。松食い虫で立ち枯れしていたので心配していたのですが、昨夜の豪雨で倒れたようです。幸い枝打ちしたカエデをなぎ倒したくらいで済みましたが、枯れ枝を伐採し、片付けるのに難儀しました。あと数メートルずれていれば、わが家の大切な山栗の大木が犠牲になるところでした。
信じられないほど雨が多いせいか、森の中はキノコだらけです。でも多すぎるために生えてもすぐにカビたりして傷んでしまいます。今回も、イタリアではポルチーニ。フランスではセップ。英米ではサマー・セップといって珍重される高級キノコ、ヤマドリタケモドキが十数本生えていました。ハラタケ目イグチ科ヤマドリタケ属の美味しい食用キノコです。しかし、当地では誰も採る人がいません。
乾燥ポルチーニなどは、結構いい値段で売られていますし、イタメシ屋でポルチーニのパスタを食べて、その美味しさをご存じの方もいると思います。エビとポルチーニのクリームパスタは、超簡単でバカ旨のイタリアン。 ジンでフランベするのが、私オリジナルのレシピです。
しかし今回、残念な事にほとんどは傷んでいました。それでも4本状態のいいものがあったので採取。これは、天ぷらにすることにしました。少ない本数でも重量感があり量もあるので、残りはパスタに使ってみようと思います。味も良く、甘い香りと歯ごたえがいいキノコです。ただ、ドクヤマドリとか、苦くて食べられない他のイグチ科の紛らわしいキノコがあるので注意が必要です。ドクヤマドリには、ヤマドリタケモドキのような柄に美しい網目模様がありません。
図鑑には、欧州のものに比べて香りも味も薄いと書かれているものもありますが、少なくとも私が知る限り、都内の高級スーパーで売られている輸入生ポルチーニよりも、香り、旨味、甘さとも格段に濃厚でした。特に柄の断面はまるで白トリュフのようで、歯ごたえもあって絶品でした。
ついで見つけたのは、杏の香りがするアンズタケ。ヒダナシタケ目アンズタケ科アンズタケ属。松茸とか椎茸は、いわゆるカビ臭があるので嫌う欧米人も多いのですが、このキノコは本当に爽やかな杏の香りがします。いわゆるキノコの香りとは全く違うので、知らない人は驚くでしょう。これも似た毒キノコがあるので、きちんと同定できるひとがいないと危険ですが、杏の香りが目安にはなります。今回は、少量だったのでオムレツにして私が食べてしまいました。
他にも傷んでいて採りませんでしたが、ハツタケやオニイグチモドキなどがありました。夏のキノコ狩りは、しばらく続きそうです。
★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
★新信州郷土料理として、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)の西洋料理の野菜・卵・山菜・茸にアカヤマドリのプロヴァンス風オムレツのレシピを載せました。この料理は、ヤマドリタケモドキ(セップ)やポルチーニでも美味しくできます。