



一週間前のきのこ狩りの帰りに道すがら、鈴生りのコバノガマズミをひと枝折ってきました。そして作ったのがガマズミ酒。子供の頃、きのこ狩りに山に入るとおやつ代わりにこの甘酸っぱいガマズミの実を口にほおばって種をプププッと吐き出したものです。コバノガマズミ(小葉莢迷)は、スイカズラ科ガマズミ属で、樹高は2~3m。ガマズミより葉や実が小さいのが特徴です。グラスは随分前に神楽坂の店で見つけた江戸切り子です。
妻女山には、葉も実もやや大きいガマズミと小さなコバノガマズミが自生しています。今回は、可愛いコバノガマズミ。レシピというほど大袈裟なものではありません。実を洗って焼酎に入れ、適量のグラニュー糖を加えるだけ。一週間もすれば飲み頃です。透明な酸味のあるピンク色のガマズミ酒ができあがります。効能は滋養強壮に、抗酸化作用もあるようです。なにより、森の恵みをいただくという感じが好きです。
信州の秋の里山の林道を走るのには、キース・ジャレットのケルンコンサートが似合います。リリカルなピアノソロの調べは、たとえば「 マイルス・デイヴィス・アット・フィルモア」での過激なオルガン演奏とは全く異なるもので、人によってはきれいなだけ、聞き込む音楽ではないと言う人もいますが、ジャズ史のピアノソロにおいて、間違いなくひとつの金字塔といえるアルバムでしょう。色付き始めたヌルデやヤマウルシの間をぬって山道のワインディングロードを走るとき、キースの調べは非常に心地よく心に入ってきます。もう少し標高の高い錦秋の高原の道では、マルタ・アルゲリッチのショパン『英雄ポロネーズ』なんかも気分が高揚しますね。もちろん、ポリーニでもホロヴィッツでもいいのですが…。
そして、車を降りて枯葉を踏みしめながら静寂の森をひとりで歩くと、イングマル・ベルイマンの名作映画『秋のソナタ』を想い出します。ベルイマンの映画は特に好きで、日本に来た作品は殆ど全部見ている私ですが、中でも『沈黙』、『ある結婚の風景』と並んで特に好きな作品のひとつです。岩波ホールに通いました。ノルウェーの片田舎を舞台に母と娘の微妙な関係を描いたこの作品は、イングリット・バーグマンの最後の作品でもあります。その枯れた美しさは筆舌に尽くしがたいものがありました。
今日は、宅配便を送る帰りにちょっと予感がしてわが家の山に寄りました。週末に人が入っているので、キノコはないだろうと思いましたが、誰もが目にする所でハタケシメジが20本ほど。土と枯葉の色と同じなので見えないんですね。そして、だれも探さないだろうという森の隠れたポイントで、なんと今年初のムラサキシメジを採りました。
新信州郷土料理は、MORI MORI RECIPE(モリモリ レシピ)をご覧ください。山菜・キノコ料理、内臓料理、ブラジル料理、エスニック、中華の込み入った料理などの「男の料理レシピ集」です。特に本格的なアンチョビーの作り方を載せているのは、当サイトだけだと思います。手作りオイルサーディン、手作りベーコンもお薦めです。
ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコにハナイグチをアップしました。