モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ツマグロヒョウモンの舞う妻女山(妻女山里山通信)

2009-05-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 今年最初の真夏日の昼休みに山蕗採りと下草刈りに妻女山へでかけました。かなりの湿度の中、アッという間に伸びる下草を刈っているとたくさんの蝶が飛翔していました。その中にツマグロヒョウモンと思われる一頭が。まさかと思いつつトゲナシニセアカシアの満開の花に近づくと、まさしくツマグロヒョウモンの雌が吸密中でした。

 ツマグロヒョウモンは、熱帯、亜熱帯の蝶で、以前は東京辺りが北限といわれていたのですが、地球温暖化の影響かどんどん北限が上がり続けているということです。ツマグロヒョウモンが、それもこんな時期に北信濃で見られるということは、驚きでした。確か先日、新聞で新潟と長野の県境でツマグロヒョウモンが発見されたという記事を読んだばかりでした。

 今回は、カメラが手元になく残念ながら撮影できませんでしたが、私の網膜にはクッキリとあの豹柄が焼き付きました。いずれ撮影したいと思っています。

 そして、山蕗も採れたので帰ろうと車に乗ると目の前にフラフラと揺れる物体。なにかとエンジンを切って近づくと蓑虫(ミノムシ)でした。ミノムシはミノガ科のガの幼虫で、中でもオオミノガとチャミノガの幼虫をいうことが一般的なのですが、ここまで派手な巣にはなかなかお目にかかれないので撮影しました。

 といってもソメイヨシノからぶら下がった巣は、わずかな風でもユラユラと揺れ続け、スーパーマクロではいつまでたってもピントが合いません。そこでちょっと失礼と左手で糸を持って固定して撮影しました。しばらくすると、異変に気付いたのでしょうか、ミノムシがいったいどうしたんだ、なにがあったんだと巣から出てきました。そして盛んに糸を点検しています。そこを撮影。これはオオミノガ。

 あまり邪魔をしても可哀想なのでそっと手を離すと、やがてミノムシは巣の中に戻って行きました。オオミノガで成虫になって蛾になるのは雄だけです。また、古典的な蛾にはよくあるのですが、成虫になると蜜を吸う口がないのです。つまり何も食べないのです。そして交尾すると死にます。そして、雌は成虫になっても幼虫と同じ芋虫の形のまま。蓑の中で芋虫のまま卵を産み、一生を終えます。なんていうか…。

 ミノムシは、鳴かないのですが、「みのむしの音をききにこよ草の庵」と芭蕉に詠われたり、『枕草子』にも鳴くように描かれていますが、これはカネタタキの鳴き声をいうともいわれています。どこをどう間違えたんでしょうね。人間なんかに分かってもらえなくても関係ないさ、の蓑虫君でした。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。春の花、昆虫、樹木、滝などを更新しました。
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