といっても、このギンランは深い森の林下に偶然に見つけたもので、草高も15センチぐらいで花は極小。帰りにもう一度見たいと思ったけれど、どこにあるか分からなかったぐらい目立たない花です。昔はキンランと共に里山や雑木林に普通に見られた花だそうですが、現在は見たいと思ってもなかなかお目にかかれません。
白い花は蕾ではなく、これでもせいいっぱい咲いている状態です。ギンランは、「菌根菌」という菌類と共生する特殊な生育形態をもっています。その中でもギンランは特に菌に対する依存度が強く、「外生菌根菌」は特殊な土壌にのみ生息するため、この花を採取して移植しても家で育てる事はほとんど不可能なのです。なのにキンラン同様に盗掘が絶えない絶滅が心配される種なのです。これを売っているショップがあるとしたら、相当無責任か胡散臭い店と思って間違いないでしょう。
林道を歩いていると、しつこいくらいの甘い香りに包まれました。香りの感じる方向を見ると、ラベンダー色の花が目に留まりました。あまりお馴染みではないかもしれませんが、桐の花です。普段は高い樹上にあって、なかなかマクロ撮影はできないのですが、林道下の斜面に生えていたため、花の位置がちょうどこちらの目線の位置でした。花に近づいて香りを嗅ぐと、クラクラするぐらいの甘ったるい芳香でした。
そして、足元にワラビがあったので新芽が出ていないか探すと、すでに開いた葉の上に小さな虫が。よく見るとカミキリやカミキリモドキに似ているけれど、実はホタルに近い肉食のジョウカイボンでした。浄海坊と書き、浄海は平清盛の法名で、高熱を出して死んだことに由来するとありますが、どうつながるのかよく分かりません。強風の中ワラビにしがみついて動きませんでした。体長が12~3mmなので、ヒメジョウカイかもしれません。
★フォトドキュメントの手法で綴るトレッキング・フォトレポート【MORI MORI KIDS(低山トレッキング・フォトレポート)】もよろしく。奇妙山アップしました。