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建築を旅する

刻みの現場-1

2012-10-02 14:52:57 | Weblog
先日、お世話になっている設計事務所の住宅の施工を担当されている工務店さんに御邪魔した。

ちょうど、刻みがだいぶ終わったということで、見学させて頂く事に。

四年前にも一度御邪魔していて、実は再訪であった。

そのときの親方から、息子さんに代替わりをしたらしく、息子さんが丁寧に継手や仕口について教えて下さった。



北米から取り寄せた米松の原木からとった柱材。丸太を海水に浸けておくため、木口が黒ずみ、よく見ると貝が着いている。

最近は、伐採に制限がかかり、年輪の細かな天然の米松は数が減って、高価な物らしい。
ただ、木目の繊細な美しさが植林の物とは明らかに違うので、仕上げに必要な化粧材として大事に使う。
部屋の中央に使う通し柱など。


そのほかの構造材は手に入りやすい米松となる。こちらは、木目が大きい。こちらは主に梁材。
竿継と雇い枘。左側は大蟻継。


雇い枘の引き独鈷蟻の説明。こんな感じで雇い枘をつける。


柱と梁。建物の角の柱を土台より外側に出して、大壁の外に太い柱で真壁風に柱を現しにするので、こんな刻み。現場で、下端の寸法は調整するとのこと。

現場では、墨付けの話も聞かせてもらった。
古民家のように、梁などが製材されず、しかも曲がっていたりすると、墨付けは難しいらしい。
完全に丸太だと、墨自体がつけづらく苦労するそうだ。

以前、仕事で古民家の移築に関わったことがあったけど、丸太って基準があるのか知らんと思って調べていて、そのとき峠墨という言葉を初めて知った。
結構、目から鱗の墨付けであったけれど、それを詳しく説明して下さった。

勉強になります。



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