ad

建築を旅する

Jean Nouvel/ジャン・ヌーヴェル

2006-04-15 09:45:29 | Weblog
マイアイドル、御大ジャンヌーヴェルの作品集が出てたので、購入。

A+U2006年4月臨時増刊 《Jean Nouvel/ジャン・ヌーヴェル》

A+Uはいつもありがたい。
ズントーの作品集もよかったし、価格に見合った密度の高さで、読み応えもあり。
資料としても素晴らしい。建築雑誌盛衰ある中、残ってほしい雑誌である。

で、ジャンヌーヴェル。
いやあ、迫力がある。
やはり、オラオラオラって感じの突抜感はその圧倒的なボリュームと、公共性から他の追随を許さない。
圧巻は、やはりアグバー・タワー。
外観を鳥瞰で撮っている写真が掲載されてるのだけれど、説明不要というか、ラテンというか、リンガーである。
古代より人間は建築に象徴性を持たせ、大地、自然と人間を繋ぐ依代として崇拝したりもしてきた。
広大で人智を遥かに超えた物への抗いとして、大地に杭さす事もあっただろう。

まさに、タワー、人間の本音というか、生々しい精神の開花というか、ぼろっと出てしまったような景色。
奇怪でもあるし、美しいとも思う。

こんな破天荒な建築家が公共性を高く有する施設をイメージ通りバシバシ作っている所に、ヨーロッパの懐の深さを感じる。
日本の方が見てくれの規制は緩やかだけど、事、哲学、精神を有する、一個人としての建築家に対する評価はやはり遠く及ばず。
日本人には決して出来ない(好みでもないし)しっとりとした、ある意味重々しい、ゴシック的とも言えそうな内装は、凄い。
彼がボザールに入る前くらいか、どっしりとして暗い聖堂の天井から一条の光が差し込む様に感動して、原点である様な事を話している記事を読んだように思う。
そんな背景、欧州に住むが故の背景が今も建築にずっしり込められている。

日本人にしか出来ない事、妹島さんの様な軽やかさの対極にある建築、どっしりリンガーな男っぷり。
ジャンヌーヴェル、憧れます。