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建築を旅する

コーヒー&シガレッツ

2005-06-03 17:43:07 | Weblog
ICCの後、銀座へ。
ソニービルとアップルストアに寄って、レイトショーを観る。
「コーヒー&シガレッツ」
ジムジャームッシュ好きとしては、外せないので、鑑賞。
タバコとコーヒーにまつわるショートストーリー集。
ほんと、ベリーショート。
次から次へ、有名人が不思議な設定の日常を切り取ったようなシーンを演じる。
奇麗な映像と設定だけれど、内容は…、あっさりしておった。
全体にあまりにショートすぎかな。

コーヒーがとにかく軒並み不味そうだった(笑)。
トムウェイツは、激渋ボイスで素敵。

ナイトオンザプラネットに似てる設定。
しかし、断然ナイトオンザプラネットが映画であったなあ。

ホームページをじっくり見ると、どうやらずいぶん時間をかけた、ライフワークみたい。
しょっぱなのロベルトベニーニが若かったので、あれれと思ったのは正しかった。
一晩寝かせて、今考えるに、さくっと終わるけれど、それなりに心に残る、味わい深い作品ではあった。
アメリカは本当スモーカーの肩身が狭いんだろうなあってのも面白かった。

ステッカーとか、シガーケースとか、マッチなどを劇場で販売しており、思わず購入。
No somking ならぬ、[Go smoking]ってのが笑えた。

http://www.c-cigarettes.com/

ICC

2005-06-03 01:36:13 | Weblog
初台ついでに、久しぶりにICCへ。
大学時代より、暇があるとのぞくんだけど、大体良いものをやっていて好き。
インタラクティブなメディアアートが主。

「オープン・ネイチャー|情報としての自然が開くもの」

『この展覧会は,デジタルベースの情報環境が日常に浸透した現在において,「自然」というものをあらためて問い直し,芸術と科学のより多様な関係へと「開いていく(open)」ことを試みるものです.』

とのこと。

平日の日中なので、スキスキで気持ちいい。
暇に飽かした(笑)のか、各ブースで、かなり懇切丁寧に説明して下さった。
と思ったら、実際、かなり理解するのに手助けが要る(説明を聴かないと鑑賞方法がわからない)タイプの作品も多かった。
ので、暇っていうか、マニュアルでそうなっているんでした。

のっけにある、"Biopresence 2055"
これは、衝撃だった。
『生きている記念碑』と言って、要は人間の遺伝子(DNA)を樹木に保存するプロジェクトである
人の遺伝子を木に内在させることで、永遠の命を得る(と作家が言っていた)らしい。

作家による説明文転記 以下

「生きている記念碑」:人のDNAを抽出し,DNAマニフォールドアルゴリズム(生命自体に変異を起こさせることなく,塩基配列のみ組みかえる)によりコード化し,木の内側に保存することによって製作.
http://www.ntticc.or.jp/


実際の作品はバルーンテントの中にガラスの棺に入った土から、人形の植物が生えている物であった。
もそもそ中に這い入って、棺に対峙。うむ、生命とはなんだ?と考えさせられる作品。
生命は永遠。

あとの作品は、ネイチャーという捉え方は解釈が難しい気がしたが、情報科学アートであった。
バルーンを飛ばしてみたり、壁に落書きの上、旗をたててみたり、ICCはいつも楽しいなあ。

谷口吉生のミュージアム

2005-06-03 00:59:48 | Weblog
今日は、午前中、友人に車を出してもらい、渋谷の事務所まで資料をとりに行った。
久しぶりの運転。意外と早く到着。
重い荷物をえっちら運び、なんとか終了。
持つべきは、友だ。

午後、初台のオペラシティへ。
谷口吉生展へ。
MoMAの巡回建築展。
主に、MoMAの国際指名設計競技の過程と、図面、模型関係、あとは、竣工後の映像などがあった。
指名コンペはどういった物を提出するのか興味あったけれど、実物を見ると意外と手作業的なものも。
指名だけに、ファーストアイデアの段階はかなりラフなイメージ、どちらかと言うと、考え方の提出のようだ。
近頃は、基本はCADで、なんだったら動画なども当たり前のプレゼであるが、MoMAのコンペは、97年。
当時のCADの建築業界での仕様がどの程度か知らないが、谷口らしく、控えめな表現であった。

珍しいのは、クライアントに提出するフォーマットの素材サンプルや、各種の施工図などがそのまま展示されていた。
施工図は、分厚い、実際の物がそのままあり、自由にめくって見れるので、参考になる。

まあ、そんなことはいいとして、谷口氏、非常にダンディで、日本人離れと言えるほど背も高く、理知的で、いかにも作風とぴったりの風貌である。
あらためてじっくりとMoMAを見ると、やはり、今迄培って来た物の集大成、ディテールや、デザインの手法は既に実証済みであり、あたかもMoMAを作る為に今迄があったかの様なまとまり方をしていた。
土門拳記念館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、豊田市美術館、などの内外装のキーワードが満載。

緻密で、いかにも洗練を極めた、モダンで、張りつめた弦の様な、ある意味パーフェクトな空間。
そこに、優しい光と色、スケール感のある、伸びやかな空間がある。
職人芸だなとうなる建築。

MoMAだけではなく、今迄の代表作の模型と映像もあり、谷口氏を知るには最高の機会であった。
個人的には、故郷の京都に建設予定の、京都国立博物館百年記念館と、広島市環境局中工場中央通路ギャラリーが気になった。
中央通路ギャラリーは、すばらしいアイデアと完成度だと思う。
因に図録もなんだか完成度高い(?)というか、良い資料であった。

記念講演の第4回、テレンス・ライリー(MoMA建築・デザイン部門チーフ・キュレーター)と谷口氏との対談を見に行く事になっているので、今から楽しみだ。

生ダンディ谷口、いい匂い、しそう。

http://www.moma.org/
http://www.operacity.jp/ag/