球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

染み出ているシンボル

2006-02-14 | たぶん難解な話
今日は、後輩の就活を手伝っていました。

"あなたのキャッチフレーズは何ですか?"

責任が生じない範囲内において、こういうことを考えるのって楽しいですよね。
コピーライターとして生計は立てられなくても、自分の無意識の奔流を生かすことはできる。

その子は剣道をやっている子なので、
「現存する文武両道」とか
「ペンも剣も強し」とかテキトーなことばかり言っていました。
「股間も剣も直立不動」とは、言ったのかどうかよく憶えていません。
いずれも名作なのに、後輩は採用してくれませんでした。ひどいね。

そういえば、「やさしくてエッチ大好き みうらじゅん」なんてものがありますね。
キャッチフレーズはこうでなくてはいけません。シンプルで、わかりやすい。



最近リルケというチェコの作家の「マルテの手記」という本を読んでいました。
詩や雑感をとりとめなく小説にしたような本で、一部では有名です。
矩形的でありながら発散性に満ちた文章なので18歳の僕には眠くて読めませんでしたが、
7年の歳月を経て、読めるようになっていました。
この辺の年齢になるとただ年齢が増えていくだけと思いがちだけど、しっかり進歩しているじゃないか。
歳をとることを易々と悲しんではいけない。
今聴けない音楽だって、30歳までには聴けるようになっているはず。それが歳をとる楽しみ。

さて、外国の詩を和訳で読むということに価値があるのかという問題について結構考えてしまいます。
ニュアンスが零れ落ちるのは避けられないことなので、訳者の腕の見せ所かも知れませんし、
あるいはただただ難しい仕事かもしれません。

とりあえず、このリルケから芋づるを引っ張っていけるキルケゴールなんかを皮切りにしながら
哲学(思想)について歴史を体系的に勉強したい気になってきましたが、どうなるでしょうか?

先人がすでに考えていることを自力で開発しても新規性に欠けるくせにしっかり時間はかかるので、
歴史を知ることは、物事に愛を持ち出した瞬間から重要になることを噛み締めています。
コメント
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