球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

ゲームの原点は雌の取り合い

2012-11-30 | マジメな話
横井軍平という人がいる。ゲーム開発業界では恐らく超有名人で、
ゲームボーイなんかを開発した人である。また、"ゼルダの伝説"の生みの親として
今は任天堂の専務をやっている宮本茂氏の師でもある。

その人が残したと言われる言葉に、"枯れた技術の水平思考"という言葉がある。
これまた有名な言葉ではある。閉塞した日本のものづくりへのヒントが欲しい、光明を…というわけだ。
その言葉の意味を知りたくて、つい先日本を買って読んでみた。

決定版・ゲームの神様 横井軍平のことば ものづくりのイノベーション「枯れた技術の水平思考」とは何か? (P-Vine Books)
横井軍平
スペースシャワーネットワーク


本の内容は…横井軍平を支持する現代のクリエイター達が何か言っていて
(申し訳ないが、このあたりは殆どどうでもいい内容)
さらに横井氏のインタビューを集めたもの。編纂に2012年までかかったとのこと。
編集者に感謝。

・"どうでもいい内容"について
少し誠実に書くと、各々のクリエイターがそれぞれの物差しを持って
自分の仕事と"枯れた技術の水平思考"との距離を測るということをしている…のだが、
少々言葉が一人歩きし過ぎている感があり、やっていることと水平思考という言葉を
強引に結びつけている印象が否めず、読んでて鼻白んでしまう。
執筆している人たちが"アンタ誰?"なのは、まぁいいんだけれど。(影響してるかも。。)



で、この本の題名にもなっている"枯れた技術の水平思考"のエッセンスを体得するつもりが、
本の冒頭の方にある"私が包み隠さず言ってしまうのは、男の本能は女の子にあるんですよ。"
という一文を読んで、あぁ、もうここから先は読む必要が無い、と思った。
横井軍平という人物の本質という意味では、"枯れた技術の水平思考"よりも
"人間のプリミティブな欲望に従え"ということが本質に思えたから。

ただ、それを実現する手段の方が多くの人が悩みの種になり、
着目されたのは"枯れた技術の水平思考"の方だったということなのかな。



ちなみに、僕がこうして何かを書いているときというのは、
テキストの字の大きさも変わらないし(変えられるけど、レイアウトが美しくなくなるから嫌)
画面も光らないし、まぁまぁ枯れた技術ではある。結果的に。
ただそれは、コンテンツとして面白いものに過剰な外観は不要というくらいで、
別にデコメのようなものがたくさんあっても悪いことはない。

テンプレートを変えるより、
人(自分)のプリミティブな汚い欲望をオブラートに包んで投げつける方が楽しいよね。
いい気分転換になった読書でした。
コメント
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