球形ダイスの目

90%の空想と10%の事実

仕方がないな…。

2006-02-08 | マジメな話
前も書いたけど、「研究」のカテゴリを作っていないことは
研究者としての自分をちょっと裏切っているかもしれない、
いかに自分が自分の考えを書き付けるのがここの目的とはいえ…



明日が発表とかなると、今まで嫌々やっていたようでもあった作業に
何故か愛着が湧いてくるのが不思議。

それが、別れ際に生じる感傷の一種なのか、
発表前日ということであらゆる人、物事が僕に別な概念を持ち込まなくなることから生まれた、
対象に対する素の情熱なのかは、ちょっと図りかねている。

というか、最後だからちゃんとやろうという考えって結構世の中にある。
でも、それがすべてじゃない。感傷だけで研究をやっているわけじゃないさ。

今日の比較的真剣に作業に取り組む自分の姿は、
どちらかというと純粋に研究のことだけを考えていられるという時間に対する愛のようにも思えた。
そういうことだ。

心の整理がとっても上手な人なら、毎日こんな気持ちで研究ができるのかもしれないし、
でも、そんな人には会ったことがない。んじゃないかな。

◇(以下研究の話、テクニカルタームの嵐。)

今日の練習の結果、
今まで全く触れたことのないΔΣ変調方式について勉強しなければならなくなってしまった。

スイッチング技術を使用した増幅器のシステムをディジタルアンプと呼ぶ。
オーディオに詳しい人なら、多分常識なのだろう。

ディジタルアンプの入力について、採用する変調方式がPWM(Pulse width modulation)とΔΣ変調(PDM)があり、
自分が主にトラ技(トランジスタ技術、回路屋のバイブル)でPWMの勉強をしていたのに、
実際のIC(tripath社のTA2022)ではΔΣ変調を用いていたことに驚愕。
D級増幅器の電力削減機構については勉強をしていたが、
入力段の変調方式を甘く見ていたようだ。
PWM方式に比べ、1パルスの遅延といった別な概念もあり、正直よくわからない。

というわけで今日はそれを知るために研究室中の本をあさったんだけど、
所望の本が見つからなかった。
知りたいことがあるのに、その知識がどこに貯蔵されているか見つからないことに、
僕は結構ストレスを感じてしまうタイプである。

◇(研究の話は終わり)

というわけで、明日は多少中途半端な状態で発表に臨む。

僕が結構好きだった予備校講師の言葉がある。
西きょうじというちょっと変わった人で、そんな変わった彼が好きだった。

「僕がこれからセンターを受けに行っても、100%満点を取れるかはわからない。
 誰でも、中途半端な状態で試験に臨まなければならないんです。」

文字で書くと安いね。でも、彼の言葉としては説得力があった。

「みんな、ウンコをしてるんだ。」
これも彼の名言。

金八先生は、同じ内容で
「彼も人なり、我も人なり」
なんて言ってたっけ。



特別な存在でありたいのに、
たまにこういう「皆同じ」という主旨の言葉を自分に投げかけるのは矛盾しているだろうか?
たかが不安を吹き飛ばすというくらいの作業のために。

でもそれは、許されるようだ。
そんなわけで、今日は寝よう。
コメント (4)
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