もく窓

~良い映画と究極の手抜き料理を探して~  

ブラッド・ダイヤモンド

2007年05月06日 | 映画館
 ランク:銀 エドワード・ズウィック監督 2006年
アフリカ、特にサハラ以南のブラックアフリカの国々は私にとって遠い国でした。この映画の舞台シエラレオネという国の位置さえ知りませんでした。
レオ君演じるアーチャーが生まれ育ったローデシア(現ザンビア、ジンバブエ)は、セシル・ジョン・ローズの名前から命名されたんですね。Wikiで調べました♪。ローズは南アフリカの政治・経済の実権を一手に握り「アフリカのナポレオン」と呼ばれ「A Diamond is Forever ダイアモンドは永遠の輝き」の広告で有名なデ・ビアス社を設立した人物だそうです。“神は世界地図が、より多くイギリス領に塗られる事を望んでおられる。出来る事なら私は、夜空に浮かぶ星さえも併合したい”と著書にあるそうです。生涯独身を通した彼は、膨大な遺産の大半をオックスフォード大学に寄贈し、大学ではローズ奨学金として、現在も世界中から多くの奨学生を受け入れているそうです。
デ・ビアス社のマーケティング戦略は「ロマンス映画の中で結婚祝いとしてダイヤモンドを使う。ダイヤモンドを広めるために英国王室に献上する。永遠の価値を強調することにより中古品価格の下落を防ぐ。」などで成功を収めたそうです。
この映画を観ると、ダイヤモンドを装飾品として身に付ける気持ちにはとてもなれません。ダイヤモンドに対する憧れがなくなりました。あ、そうそう、レオ君、良い役者さんになりましたネ。

 ↓JICAのHPより
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* シエラレオネという国
シエラレオネは、国名こそポルトガル語で「ライオンの山」という意味ですが(シエラレオネにはもうライオンはいないようです)、首都がフリータウン(Freetown、自由の街)というように、18世紀末にイギリスからの解放奴隷の居住地として作られた国です。北から北東にかけてはギニア(フランス語圏)に、南東はリベリア(英語圏、アメリカの解放奴隷によって作られた国)に、南西は大西洋に接している西アフリカの国で、北海道くらいの面積に約500万人の人が暮らしています。英語が公用語で、首都では黒人と白人の混血のクレオール人が多く、クレオール語(かなり英語の語彙が多い)が標準語的に国内で広く話されていますが、地方に行けば、その土地の言語が今でも主流です。
* 11年間の激しい内戦
シエラレオネが世界で有名になったのは、隣国リベリアのテイラー前大統領がシエラレオネのダイヤモンドの利権をねらってシエラレオネの反乱軍を訓練・支援したことがきっかけです。その結果、1991年から2002年まで11年間の内戦がおこり、200万人以上の人が難民あるいは国内避難民になり、5才以上の多くの子供が誘拐され少年兵・少女兵として従軍させられました(子供たちは麻薬を打たれて恐怖感を麻痺させられた上で、AK47というロシア製の自動小銃を持たされたそうで、一時反乱軍の約半数が児童兵だったと言われています)。さらに内戦中には、1万人以上の民間人が手足を切断されるという残虐な側面がありました。
* 復興と緊急援助
この内戦も1999年より、国連シエラレオネ派遣団(UNAMSIL)監督下でDDR(元兵士の武装解除・動員解除・社会復帰)が段階的に進められた結果、2001年5月に政府と反政府勢力である革命統一戦線(RUF)との間で停戦合意が成立しました。そして、その後の国内避難民再定住化プログラムにより22万人が再定住し、24万人の難民が国外から帰還するとともに、除隊兵士の社会再統合も進み、2004年までに関連する緊急援助の段階はほぼ終了しました。
プロジェクト対象地域であるカンビア県も例外ではありません。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)や世界銀行を始めとする援助機関が活動を行ってきました。しかし教育分野だけを見ても、内戦でほぼ半数の小学校の校舎が破壊されたことを受け、小学校校舎の修復や新設が行われていますが、なかなか進んでいないのが現状です。
そのため、未だ内戦の後遺症は深く、インフラ(道路、水道、発電所、学校、病院など)はぼろぼろの状態です。カンビア県では、県庁所在地ですら全くインフラが回復しておらず、夜になるとロウソクやケロシン(灯油)ランプの光が揺れて幻想的な雰囲気になります。また、水道もありませんので、井戸水を自分で汲み上げてシャワーを浴びるという、19世紀のアフリカに戻ったようなアウトドア的生活も体験できます。
また、カンビア県は非常に雨の多い地域です。そして、そのほとんどが6月から10月の雨期に集中し、大雨の後は舗装されていない道路は川のようになってしまいます。
再び教育に関していえば、全国的に見ると初等教育の粗就学率は、まだ男子51%、女子41%と低く(2002年)、2001/2002年から初等教育の無償化を実施して、就学率の向上を図っている段階です。また、内戦により教育を受けることができなかった成人が多いため、成人識字率が36%(2001年)と低いのも特徴です。
* 自立的な開発に向けて
緊急援助は、元難民や除隊兵士、彼ら/彼女らの受け入れ先となった地域コミュニティに大きな恩恵をもたらしました。しかし、緊急性・即効性を強く求められるあまり、援助機関主導で大量投入がなされ、「誰かがやってくれる」という援助に対する依存心の芽を地域住民に植えつけてしまった部分があります。
プロジェクトでは、カンビア県の一部である、ブラマイア、マグベマ、トンコ・リンバの3チーフダム(県の下の伝統的行政単位)を対象に、これまで緊急援助を受けるだけだった行政や地域住民が、自分たち自身で地域開発に主体的・持続的に取り組めるようになることを目標にしています。
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
こんにちは。 (アスカパパ)
2007-05-07 13:26:14
シェラレオネは、ダイヤモンドが採れるがために、かえって不幸な国なのですね。
真の幸せは物質的なものではなくて、精神的なものであると、再確認させられる映画でした。
TBさせていただきました。
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>アスカパパさんへ (もく)
2007-05-07 17:16:29
ホントに、もしも日本がダイヤモンド産出世界一だったらどうなっていたでしょう。
歴史・地理オンチの私はこの映画からアフリカやダイヤモンドについて教わっておきながら何ですが、こういう重い社会的内容のものをドキュメンタリーでなく娯楽性を含む映画にすることに少々抵抗を感じてしました。が、私のような歴史・社会オンチの方に是非観てほしい映画でもありました。
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もくさん、こんばんは♪ (any)
2007-05-07 21:32:01
同じく、歴史・地理オンチのanyです(笑)
『ナイロビの蜂』の方にも TBさせて頂きました。

それにしても アフリカを題材にした作品が続きますね。
私の場合、映画で史実を学ばせてもらってる部分も多々...
そして、又もくさんのブログでも...
『ブラッド・ダイヤモンド』は、エンタメ性もあり、
とても見応えがありました。
一皮剥けたディカプリオが本当に素晴らしい演技を魅せてくれましたね。
特に、あの丘のシーン!赤い土を握りしめるアーチャーの姿が印象的でした。
映像としては、アレをエンディングにして欲しかったなぁ~(^^;)
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>anyさんへ (もく)
2007-05-07 23:59:09
そうです、そうです。私もアレをエンディングにして欲しかったです~、映像としてもストーリーとしても。
最後は蛇足ですよネ。フンスーさんにスーツを着せて壇上まで上げたんなら、This is Africaの言葉を最後まで取っておいて彼に言わせて、大企業との繋がりももっとハッキリとさせて欲しかったなぁ。

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