もく窓

~良い映画と究極の手抜き料理を探して~  

アウトサイダー

2013年02月17日 | 

原題:The Outsiders       S.E.ヒントン著/中田耕治訳 集英社文庫
お気に入り度:鉄

同じ本が翻訳でこんなに違うとは驚きです。
翻訳によって少年像が大きく変わります。
少年の目を通して一人称で語られてゆくのですが
唐沢氏の訳では『ぼく』であったのが、中田氏では『おれ』です。
第6章でダラスがチェリーの話をするところは話の内容が違っています。
中田氏の訳では衝撃的な言葉が出てくるのですが
これは単に不良が強がって言ってると理解したほうが良いのでしょうか。
唐沢氏の訳では、飛びかかろうとしたとなっていて
そのあとのジョニーの反応も違っています。
原文はどうなっているのでしょうか。


小説の出だしは、
「映画館の暗がりから明るい陽の光のなかへ踏み出したとき、
                     ぼくの頭のなかには二つのことしかなかった。 ポール・ニューマン。それと、うちに帰ること。」

「映画館の暗がりから、いきなり外の明るい日ざしに出たとき、
             おれの心にあったことはふたつだけ。ポール・ニューマンのこと。家に帰ること。 」

上の唐沢訳ですと、閉じられた空間である映画館から
開放的な外の空間へ出たというというふうに感じますが、
下の中田訳では単に暗いところから明るくまぶしいところに出た感じがします。
また、ぼくとおれではずいぶんと違った印象を受けますし
年齢も違って感じますが本の中では14才の設定です。
どちらが原作の味わいに近いのか分かりませんが
唐沢訳の「アウトサイダーズ」のほうが好きです。

上のブックカバーの写真↑はコッポラ監督の映画から主人公ではなく
なぜかダラス役のマット・ディロンの写真が使われていますヮ。
映画は観てませんので、さっそく観てみます。
映画ではダラスが主役なのかしらん。

 



 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿