観劇☆備忘録

ミュージカル大好き!

『SEMPO』神戸初日

2008年05月11日 | ミュージカル
ミュージカル
『SE M PO
~日本のシンドラー 杉原千畝物語~』

神戸オリエンタル劇場
2008/5/2(金)~8(木)

一幕 16時30分~17時40分
休憩 15分
二幕 17時55分~18時55分

★★杉原家★★

杉原千畝・・・吉川晃司
妻・幸子…森奈 みはる
妹・節子…辛島 小恵
グッシェ(使用人)…田村 雄一

★★杉原に助けられるユダヤの人々★★

(頑固な父親から結婚を反対されている恋人達)
ノエル…今 拓哉
エバ…彩輝 なお
ジョセフ(エバの父)…水澤 心吾
エリーゼ(エバの母)…井料 瑠美

(ユダヤ人の代表)
ニシェリ…泉見 洋平
シモン…ICHIDAI
カイム…沢木 順
ローゼンツ…あぜち 守

少年・ソリー…池田 祐見子
少女・ニーナ…長尾淳子

(その他)
マスター/ズブニク…河内 喜一朗
ベイブ/フランツ/コレオ…宇都宮 直高
ガノール/ヒットラー…川本 昭彦

★★歴史的背景・説明係?★★

ルネ…宮本 竜圭
日本/ベネット…斎藤レイ
ソ連/リリー…徳垣友子
ドイツ/カレン…グレース美香


時は1940年(昭和15年)、場所はリトアニアの首都カウナス。
ナチスに追われたユダヤ難民に日本への通過ビザを発給し、6000人の命を救った外交官・杉原千畝の無償の愛の物語。

「SEMPO って何?」と思われた方、宜しければあらすじをどうぞ


日本人の功績を取り上げた珍しいオリジナル・ミュージカル。
やや荒削りな部分もありましたけれど、思っていたよりずっと良い舞台でした
何より杉原千畝の生き方の素晴らしさに大感動


ここから先、ネタバレあります!!


一幕は状況説明に重きを置いているせいで、ちょっと感情移入し難かったかな

ヒットラーがSMチックな女性として登場したり、各国を女性に見立てて踊ってみたり・・・難しい話をエンターテイメントとして魅せようと頑張っておられたのは分かりますが、やっぱり説明ゼリフが少し多すぎたかも

役者さんは皆、健闘されていて、特に説明役の中心だった方(ルネの宮本竜圭さん)が際だってました。
女性三人組のダンスも綺麗。
徳垣友子さんはやっぱり上手いですね


徐々に迫る戦争の影、希望に溢れる若い恋人達も逃れられない。
この辺りの怖さはよく出ていました。

今さんは舞台の端から端まで軽やかに動き回って、好青年を若々しく演じておられましたね
ここまで爽やかな今さんは初めてかも(笑)

恋人エバの父親やセンポを懸命に説得するシーンやエバとの再会シーンなどは、素の今さんの誠実さが滲み出て来る様な演技が良かったです


そして二幕に入ると、一気に泣ける展開へ。

父を殺され、恋人ノエルとも離ればなれになってしまったエバ。
唯一頼れる存在だった母親エリーゼ(井料瑠美)も…。
この時の井料さんが娘に歌う歌辺りから、もうウルウル。

井料さんは歌も芝居も『レ・ミゼラブル』の時よりずっと良い。
母親らしい愛情に満ちていてウルウルと聴き惚れてしまいました。


そして、ここからは吉川さんが魅せてくれます

自分の無力さに項垂れるセンポ。

項垂れて「♪何と小さな掌であろうか~」と歌う吉川さんが良い。
(力なく投げ出した足の長さにビックリ)


子供達との会話や、広場に集まり『諦めない』を歌うユダヤ人達の歌声に自分を取り戻すセンポ。

政府の意向を無視してビザを発給すれば、最悪センポとその家族は国賊として極刑になるかもしれない・・・。

しかし彼らを見捨てる事はできない。
センポの肩の上にユダヤ人数千人の命が乗っかかって来る。


そうした苦しい胸の内を妻に話すセンポ。

「何も見なかった事にして、この国を出れば済む話だ…」

「でもあなたには、そんな事は出来ないでしょう。 あなたの思う様に生きて」と明るく励ます杉原夫人(森奈みはる)。

「誰もこんな馬鹿な事はやらないだろうね・・・」と言いながら決意を固め、夫人と共に強い決意「翼をあげて」を歌い上げるセンポ・・・このシーンが一番好き

(↑セリフは、かなりウロ覚えです。すみません)


一夜明けて、センポはビザの発給を始める事を皆に告げる。

歓喜に沸くユダヤの人々。

ここで泉見君が歌う『光と影/リプライズ』が感動的

泉見君は出番や歌は少なかったのですが、マリウス的熱演で存在感たっぷり

このビザの発給を喜ぶシーンなんて、虹の空へ飛んで行きそうなくらい輝いていました(笑)


そうして、ここからセンポの孤独な闘いが始まる・・・。

ビザにサインを出来るのはセンポだけ、昼は列に並ぶ人達に・夜は数百人の学生達に・・・、不眠不休の作業が続く。

「命を捨てるおつもりですか」と止める秘書(グッシェ)に「私の国には『武士道』と言う道がある!」キッパリと言い切るシーンが良かった

センポの行為を非難し対立する秘書=グッシェ(田村雄一)、とても艶のあるお声にドキドキしました。
歌も声量があって上手い


しかし、この時の吉川センポは『武士道』という言葉がハマり過ぎるくらい格好良かった

吉川さん、低い声に落ち着いた演技。
無理なく杉原千畝として観る事が出来ました。
背が高いし、抑えていても華と貫禄があって良かったです
歌は結構バズーカ
特に一幕ラストの『光と影』は耳が痛くなるくらいでした
(マイクの音量が大き過ぎたのかな?)


ソビエトから退去命令出て、ビザを発注する権利を取り上げられそうになったセンポが「まだだ!まだビザが足りないんだ!」と叫ぶシーンなんてもう場内ウルウル。


二幕は本当に名シーンの連続、場内は涙、涙
客席からのすすり泣きが絶えませんでした。



楽曲も全てオリジナルで、作曲は中島みゆきさんとPeterYarin氏が担当。
(吉川さんも一曲(『光と影』)

やはり中島みゆきさんの曲は独特で、演奏が始まって歌い出す前にもうそれと分かるくらい。

PeterYarin氏のは結構、難曲揃い?
多彩に富んでいて歌い上げ系も多く、充分及第点だと思いました。

吉川さん・宇都宮さんなど、バズーカ系の方もインパクトありましたし
森奈みはるさんや辛島小恵さんら女性陣の歌も綺麗でした

ただ私の頭ではどちらも一回聴いただけで覚えるのは無理。
吉川さんの『光と影』以外、殆ど頭に残っていない・・・。

ビザの発給を歓喜して皆で歌う歌とか、エンディングの歌とか結構感動したのに一部しか思い出せない・・・

・・・と嘆いていたら、パンフレットに着うた配信の案内が…。

ここから吉川さん作曲の『光と影』、中島みゆきさん作詞作曲の『掌』『こどもの宝』『N0W』が吉川さんの歌声で聴けます。
このレポもダウンロードしたこれらの曲を聴いて思い出しながら書きました。
(我ながら健気だ/笑)


いろいろ好き放題言わせて頂きましたが、「日本人って、武士道って良いなぁ」と思わせてくれた秀作

是非是非、再演を重ねて頂きたいです



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3 コメント

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ありがとうございます♪ (ヒロラン)
2008-05-18 00:21:57
>tsubakkyさんへ
私もミュージカルの吉川さんって想像出来なかったのですが、華があるし歌も上手いしで「結構ミュージカル向きかも」と思いました

沢木順さんは、冒頭とラストの杉原千畝への感謝の想いを歌い語るシーンがとても印象的でした
素敵な芝居をなさる方ですね

>ちっちさんへ
2幕は名シーンの連続で本当にあっと言う間でしたよね

一度だけではストーリーとメインの方の演技を追うのが精一杯だったのですが、他の方の細かい演技を書かれているちっちさんのブログを読ませて頂いて「ああそうだったのか」と改めて感激しています

最後の「カウナス」の駅でのグッシェの演技も、ちっちさんのブログで知りました
是非、今さんでも観たいですよね
返信する
抜け殻・・・・。 (ちっち)
2008-05-13 14:06:31
こんにちは、読ませて頂きました。
本当に「SEMPO」良かったです。
2幕はあっと言う間ですよね。あの「翼をあげて」私も好きです。「誰もこんなバカなことはやらないだろうね・・・でも私はやろう」が心に残ります。そしてお盆回すハッシーさんにも感動!!
最後にソ連兵に連れていかれそうになりながらあのボストンバッグを強く抱きしめるシーンは思い出しただけで、涙が出ますね(おっと、泣きそう・・・)。
また再演があったらいいな、その時は、今さんグッシェで是非・・
返信する
こんばんは (tsubakky)
2008-05-12 00:35:34
『SEMPO』ご観劇されたんですね!良いな~
気になってましたが、結局行けませんでした…

吉川さんがミュージカルって想像付かないです!でも良かったみたいですね♪

再演されたら、ハンカチ片手に是非観劇したいです!!

沢木順さんはいかがでしたか??
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