MOBU'S MUSIC MAZE

音楽のこと好きなことなどよしなにほどほどに・・・

K's HOUSE

2018-12-19 08:48:27 | 音楽が流れる喫茶&BAR
「1時間半で行ける(行けない)JAZZ喫茶行脚」は、
「音楽が流れる喫茶&BAR」と改題しました。


K's HOUSE(伊東市・大室高原)

2010年の9月から伊豆の大室高原の別荘地の一角で
ジャズ喫茶が営まれていた。定年退職されて横浜から
この伊豆の高原に移られて店を始めた。オーナーは
音響関係の会社に勤務されていた。その友人の設計で
リスニングルームは建てられ今も稼働している。

オーナーは残念ながら、開店した翌年亡くなられた。
そんなお歳でもないのに・・・。それ以降、奥様が
ご主人の意志を継いで営業を続けられている。
以前はコーヒー・紅茶・ジュースがあったが、
現在はコーヒーのみ。コーヒー飲めない人が来たら
どうするのだろうか・・・。

この店は、高原の別荘地にひっそりとあり、HPもあえて作らず。
地元のお客さんを相手に交流の場としてある。
音楽を聴かせるより交流してもらうことに重きをおいているので、
HPとかFBとかはじめて、いち限さんばかり来られても対応できないし
地元の方の居場所が荒らされてしまうという懸念もあるようで、
あえて宣伝していないという。数少ない情報から足で稼いで、
あえてくる方は拒まないが、音楽を聴きに来る方は少ない
という話だった。よほど興味のあるオーディオ・ファンかなにか
でないとわざわざ足を運ぶことはないだろうな。

K's Houseで使われてるオーディオ
JBL 4345 ケンリックサウンド
http://blog.kenricksound.com/2010/09/jazz-cafe-ks-house-jbl-4345.html

カスタムショップでチューンアップされたスタジオモニターを部屋に入れて、
マッキントッシュのアンプで駆動している。
オーナーは聴き疲れしない音を目指したようだ。店に出て一番長い時間
聴くのはマスターだ。1日中聴いても疲れない音。それが第一だったのかも
しれない。8-9人はいれば一杯の店内。至近距離でのリスニングになる。
それでも疲れない音を作るには、どうすれば・・・。
店の方向性が、交流をメインにしているので、音楽は2の次になっている。
ある意味宝の持ち腐れ的なところはある。しかしながら、ボリュームは
会話を妨げない。エージングは進むだろうが、パワーいれての再生も
エージングには必要に思うが、現状その方向にはいってない。
世の常でいたしかたない。見守るしかない。このような店が続いていること
自体が、我々の様なものには必要なのだ。

先客は、本日から「日展」に出品している美術家さん。
外国生活もながいという事で、我々が席に着くか否かで話し始めた。
店の雰囲気もスタンスも読めない中で、オーナーの女性が紹介して
くれて、カードを見せてくれ・・・。ここは音楽聴く所では・・・。
なかった。それからも常連的なご夫婦が来て、交流が始まった。

色々な話が飛び交い、盛り上がるのはイイが、音楽聴く状況では
全くないことがわかった。オーナーに悪気はないし、地域の方の
交流の場というスタンスがあるので、私の様な一限さんには
お控えなすって的なところもあるかもしれない。

当日入店時かかっていたアルバムは・・・。
STAN GETS(ts) KENNY BARRON(p)
Softly, As in a Morning Sunrise
<externalvideo src="YT:8TdonqJ3xv4:D">
ケニー・バロン(p)はどうですか・・・。
と女性オーナー聞いてきた。割と、喫茶系では
かかる回数のおおいピアニストなのではないか
と思うと答えた。最近、確かに、どこに行っても
かかる可能性の多いピアニスト。当時を知る現役で
ベテランだが、いぶし銀的なアーティストなので、
だれでもOKという事にはならない。
スタンン・ゲッツ(ts)のラストアルバムになるという。
歌心ある決別のアルバムだ。バロンのピアノも寄り添って
気分を上げている。

「何か聞きたいものあればどうぞ」と言われるが、
所蔵のリストもない中で、何をどうリクエストしたら
いいのか・・・。口頭で告げても、「無い」とか
言われて、それが続くのも盛り下がるし、本来は
そのような時は、お任せが一番無難であるけれど、
一応お言葉に甘えて、一番ありそうでないかもしれない、
オスカー・ピーターソン(p)トリオの、
「ウイ・ゲット・リクエスト」をリクエストした。
これはオーディオ・チェックに使われた名盤なのだ。

演奏もさることながら、チェック項目もわかりやすい
所で使える1枚なのだ。ベースのアルコ弾きの様子、
ピアノの分解能、シンバル・レガートのきれいさなど
スピーカーの実力を聴きとる試験紙になっている。

しかしながらなかった。いたしかたない、オーナーの
いう「ナイト・トレイン」を聴かせていただく。

これは最後に「自由への賛歌」というオリジナルが
入っているが、ゴスペルタッチの名曲。一時期
ピーターソンはこれを封印していたが、晩年弾いていた
ので、弾くことを自分に許したのだろう。
久々聴いた。

スピーカーからは、ピアノトリオ特有の響きが
聴かれた。しかしながらうるさくない。きっと
ボリュームをあげてもうるさくないんだろうな。
きちんとチューニングされているのだろう。

リクエストした1枚
Oscar Peterson Trio Night Train
<externalvideo src="YT:WDCbfZxRg48:D">

本来リクエストしたかった1枚。久々聴いたが、
軽視するジャズ・ファンもいるが、やはりこれは
いいアルバムだと思う。
Oscar Peterson Trio - We Get Requests (1964).
<externalvideo src="YT:ksalqdYmooY:D">
また機会があれば・・・、月火は休みですからと言われ、次のお客さん
が見えたところで代金を払って席を立った。
もし次回機会が与えられるなら、ボリューム上げてJAZZききたいな。
空気を震わせて音楽が躍動するところを聴きたい。贅沢と言えば
それまでなのだけれど・・・。


コメントを投稿