高田馬場「イントロ」という店に出かけてみた。
ここはジョン・コルトレーン命のマスターがいて、その昔はシンパだちが
牛耳っていたところだった。私は知らないで当時の面影だけで尋ねてみた。
現在は聴くよりも、演奏して楽しむJAZZスポットに生まれ変わっていた。
土曜日は恒例の朝まで5時始発までのJAMセッションらしい。いかにも
新宿らしいといえばらしいか。
今日は入店したときは、進行役のアルトサックスの(音楽監督)と
ウッド・ベースとドラムスのトリオでやってた。店のドアから漏れる音が
いやに生っぽいな、ステレオにしてはすごいシステムだなとおもったら、
ホントの生音だった(笑)。
ジャムセッションという言葉は聴いたことあるが、JAZZの場合どのようなもの
なのかわからなかった。
サックスの(音楽監督)さんが進行役なので、ステージ演奏の人を選ぶ、曲を選ぶ
進行をきめるなど進めていた。年かさの方がドラムを叩いてた。
ベースは20代の若者。暗譜で弾いていた。
進行役の井上さんは1001(曲集)から曲を抜き出し譜面をリズム隊に
渡し、キーを確認してテンポを決め、カウントを出しテーマを吹く。
ワンコーラス~2コーラス吹いて、アドリブになる。サックスピアノ
ベース、ドラムとメロディー楽器の4小節交換を経てテーマに戻る。
基本はソンな形でセッションは進む。
今日はその後、ドラムが3人くらい、ベースが1人テナーサックスに
トランペットが2人くらい来た。そののちエレべも来た。
ピアノ・ベース・ドラムスは1曲交代で、サックス・トランペットなどは
人数によって1-2曲で交代だった。
時間がたつにつれて、セッションに参加する人も増えてきた。
確かに聴いてるだけでは客も増えないが、やる人までも喫茶店に
呼んでしまうオーナーの商感覚はするどいものがある。
こういうスポットがあれば他流試合ではないが、「たのもう!!」的に
腕試しをしたい人にはうってつけだし、それなりのメンバーが集まれば
いとも簡単にセッションが組める。また、他人の演奏を聴く事で、
学ぶところもあり、情報交換も出来る。店側も売り上げが期待できる(笑)。
今日のこのくらいのレベルだと、基礎が出来てて、アドリブの意味が分かり
演奏に盛り込めるくらいの人が楽しめる。初心者は無理。テーマは演奏できても
アドリブが出来なかったりするとOUTだろう。突っ込んだりもたったりも
仕方ないが、止まることは許されないかな・・・。度胸付けるのはいいかもしれない。
見ず知らずの人も聴いてるし、常に自分よりうまい人が世の中には掃いて捨てる
くらいいるというのがよくわかる(笑)。
お母さんが子供を連れて入ってきた。聴く応援客かとおもって
見たが、こどもの来るところではない・・・。なぜか。
これが驚いたことに、眼鏡をかけた漫画サザエさんに出てくる礼儀正しい
中島君のようなこの少年は、ジャム・セッションをしに来たのだ。
初めてではなくて、何回か来ている様子。進行役の井上さんは慣れた
口ぶりでその少年を紹介している。新潟から母親と来ている小学4年生。
都合この子はピアノ担当でウッディン・ユーとサテンドールを堂々と
セッションしてしまった。
このご両親はお子さんを将来ジャズ・ピアニストにでもしたいのだろうか。
ステージ・ママならぬ、半ば、レッスン・ママになっている。
ドラムに40代くらいの男性がすわった。「初めましてよろしくお願いします」。
とほかのセッション・メンバーにあいさつし曲が始まった。押し出しのよい
リズムと、キープ感が堪らない。これ、タダ者ではないよね。
昔、大学のビッグ・バンドでドラム叩いてた人だった。
ピアノも結構弾ける人が来ていた。vocalでなければB♭、E♭、
あたりの管楽器優位のキーがつかわれるらしい。リード奏者はすべての
キーで吹けなければならないという意味が分かった。そういう事か。
テナーの人が来て、楽器を見たが、メッキが落ちている。
こういう楽器は新品でないことから、長く続けている人を
表す。おぬし使い手だな・・・と思わせる。
トランペットの若者たちは、キラキラした今時の楽器で吹いていた。
アドリブが滑っていたので、これから・これから・ドンマイと拍手を
送った。
今日はセッションしに来た人のレベルが高いらしい。スムースに曲が
まとまる。もたついてるリード奏者もいないし、走るドラムも
奇想天外なピアノもいない。
初対面で、挨拶して、キー・キメて、テンポ出して、曲が始まり、
セッションしてまとまるんだから、JAZZの即興出来るようになると、
きっと楽しいに違いない。そこまで行くのがえらく大変だけれど、
大学のJAZZ研とか、そのOBとか社会人コンボとか、日ごろジャズ
やってる人が来ることろだな。
さっきのドラマーがここはレベルが高いし面白いを連発していた。
店と当日のメンバーでセッションの質も変わるのだろうな。
今日はギタ-がいなかったけど、日によってはくるようだ。
アマチュアの演奏は予定調和しにくいのでその分はらはらするけど面白い。
次に何が起こるかわからないから余計にいいのかもしれない。
こういうセッションプログラムが続く気持ちがわかる気がする。
いやぁ~、面白いもん見せてもらった。久々ワクワクした(笑)。
高田馬場JAZZSPOT「INTRO」
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