宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

ビッグバンから、わずか4億2000万年後の銀河

2012年11月27日 | 宇宙のはじまり?
“ハッブル宇宙望遠鏡”と赤外線天文衛星“スピッツァー”、
そして、重力レンズという自然の拡大鏡を利用した観測により、
これまで知られている中で最も遠い銀河が発見されました。

この銀河は、“ハッブル宇宙望遠鏡”による銀河団拡大観測および超新星サーベイプロジェクト(CLASH)で、発見されたんですねー

ビッグバンからわずか4億2000万年後のものと見られています。
つまり、この銀河の光は約133億3000万年の時間を経て、たどり着いたんですねー

これだけ遠い銀河は、本来なら非常に暗くて観測することはできません。
なので、天体の姿をとらえるには重力レンズの助けが必要になります。

重力レンズとは、地球から見て手前にある天体の重力の影響で、向こう側にある天体の姿や光が移動したり、変形したりして見える現象です。

今回は、この銀河の80億光年手前にある大質量銀河団です。
その強い重力によって、光が屈折し拡大されることによって観測ができたんですねー




大質量銀河団の
重力を通して見える
遠方銀河(左枠)
重力レンズ効果で
拡大された3つの
像が見える


“MACS0647-JD”と名付けられたこの銀河の幅は600光年ほどしかありません。
天の川銀河の直径が約15万光年なので、“MACS0647-JD”はかなり小さな銀河になるんですねー
質量も、天の川銀河の星を全て合わせたものの0.1%から1%しかなく、どうやら銀河の初期段階にあると見られています。

今見える“MACS0647-JD”は、銀河の部品のようなものなんですかねー
この後130億年の間に、数十回、数百回の合体によって、大規模な銀河になっているのかもしれません。

こういった遠方にある銀河は、近傍にある赤い天体と似たように見えます。
遠方の銀河ほど高速で遠ざかるため、その光の波長は伸びて赤みを帯びる“赤色偏移”を見せるからです。

なので、研究チームでは数か月の間慎重な検証を行ってから、遠方の銀河に間違いないという結論を出しています。

今回は、様々な波長域に対応した“ハッブル宇宙望遠鏡”の17のフィルターを通した観測で、この銀河が強い“赤色偏移”を示していることが分かりました。
さらに赤外線天文衛星“スピッツァー”の遠赤外線画像で明るく見えなかったので、遠方の銀河だと確認できています。

銀河までの距離を確実に知るためには、
光を細かい波長に分離して“分光赤色偏移”を測定する方法があります。
でも、“MACS0647-JD”は非常に遠く暗いんですよねー

なので今回は、精度は落ちるのですが、より暗い天体に適用できる“測光赤色偏移”を測定する方法が使われています。

ということで、“MACS0647-JD”との距離は、とりあえず参考記録となっています。


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