ラヴェンダーの咲く庭で

「みゃーきんぐ・ぷあ」から変更。保護猫と綴る日々の備忘録、独り言にすぎない半径5mの記録です!基本、読み専です。

雨の中の決意

2014-10-21 12:48:28 | 猫病気
雨の中、歩道のない細い危ない道に、金木犀の細かいオレンジの花がびっしり散っていた。
それを惜しくも踏みながら、みじめを背負おい、てくてくてくてく病院に行った。
道すがら心の中で、これからの私の考えを、何度も何度も上手く先生に言えるように反芻していた。


みじめは治療を始めてから食べれないのにかかわらず、無治療の頃に比べてえらく元気で起きている時間が長くなった。
しかし限界が来たのか、ここのところ耳も白く、通院の往復中リュツクの中でもぐったり鳴かなくなったし、診察台の上での保定も、抵抗が弱くなっていた。
毎回明日の予約を取るごとに、「生きていれば明日何時に来ます。」という予約の取り方だった。
また受診時にも言っていたのだが、苦しいのか口から涎がだらだら出ていて、定期的に拭いていたこと、
ひげの周りの唇が呼吸のたびに揺れている事などから、もうお別れが近いと感じていた。


21日の午前2時から立てなくてついにトイレに行きたくても出来ず、布団の上で大の始末をした。この時には口呼吸だった。

覚悟を決めた。


10月10日に肝転移で覚悟して、
10月11日までが前回の記事で、三連休は紹介された病院に行かなくても無事に済んで、
10月14日に先生は反対のお気持ちなのだが私が無理を言って経鼻カテーテルをしていただいた。ハイパーサーミア。体重3.8㎏
10月14日その時に熱があり自宅でも熱で、私は自壊の部分に間に合わせに抗生剤の軟膏をつけて、
10月15日に受診、ハイパーサーミア、アモキシシリンが処方され、肺水気吸引。体重3.8㎏

先生は「鼻カテーテルはどうですか?」とかなり猫を心配されたが、
給餌も投薬も確実に投与できるようになって私は助かって、猫も親孝行にも外さなかった。カラーが本当にかわいそうだけど。
実際、つける以前はみじめに一日かけてもの強制給餌で馬乗りで、肺に誤飲させそうな勢いでやっても、一日20-30キロカロリー入るかで疲れていた。40キロカロリーは吐いてしまう。
また、猫は私=給餌に怯えるようになっていて、カラーを見るだけでもパブロフの犬のように涎を垂らした。それは病院でもした。
もう給餌をしないで私が寝ると決めた時間帯をはかって、猫はよろよろベットに這いあがり、私が寝るのを先に待っていた。





それから古いナショナルの肩たたきのマッサージ部分で背中やお腹を、1時間近くマッサージされるのを楽しみに待っていたし、やってもらいたい方に自分から向きを変えた。
確かに鼻カテーテルは猫にストレスかもしれないが、すでに強制給餌続きで猫は飼い主不審だった。
鼻カテーテルをしてから嫌なことがお互いに一瞬で済んで、顔や毛皮が汚れず、その後ブラッシングしたり、顔を拭いたり、耳を掃除したり喜んでもらえ、一緒にいる時はカラーもなるべく外した。

10月16日ハイパーサーミア
弱ってきていたが猫はこたつの定位置から出て、一日中気持ちよさそうに日向ぼっこをしていた。次の日も。


10月17日ハイパーサーミア 胸水気吸引 体重3.7㎏
10月18日ICGレーザー温熱療法    体重3.85㎏
この日は先生の考えで自壊をケアしやすいように焼いて固めていただく、帰宅後に日向ぼっこさせると嬉しそうだった。腹巻もとった。




10月20日ハイパーサーミア 胸水気吸引 体重3.85㎏

10月21日午前2時失禁が始まる。
そして11時の受診だったが、その失禁の始末をしながらついに緩和ケアの時期なのだ、「もう頑張らないでいいよ。最後まで一緒だよ。」と猫とお話しする。

・呼吸苦の起きないように胸水を抜いていただいていたが、がん性胸膜炎の胸水の蛇口を閉める=ステロイドを頼もう。
・ステロイドは免疫を下げ、丸山ワクチンは免疫を上げているが、悪液質が起きており癌に負けており、さらに癌が増えても 最期の苦しみだけは楽にしたい。呼吸のためにステロイドも併用したい。
・自宅では不死男のやり方でいいのならステロイド注射とアモキシシリンを使いたい。
・私はこのまま通院してもいいのだが、この猫の元気の無い状態では猫が移動が苦痛かもしれない。

そういう事を反芻しながら病院に到着した。

「先生、もうこの猫は緩和ケアの時期ではないでしょうか?
丸山ワクチンの注射も残っており、最期まであきらめずにします、けれどももう胸水の蛇口を閉るのにステロイドを使ってください。
今朝から失禁が始まりました、覚悟はしています。」
先生はみじめの顔をじっと見つめ、「大分やつれましたね…。」とぽつりと一言おっしゃった。
それから、先生は三方活栓で胸水を抜いてくださり、胸腔にデキサメサゾンを入れてくださった。(体重3.85㎏、腹水がかなり占めていると思う。)
そのあと看護師さんが淋しくなるとハイパーサーミアを丁寧にしてくださり、コルチコステロイドが効いたのか猫はゴロゴロ喉を鳴らし、私の手にあごを載せていた。
先生はハイパーサーミアが終わると、奥から「この前のを取っておいたんですよ、」とにこにこと土曜日に使ったICGレーザー温熱療法の残りのグリーンの液体取り出してきて、それで自壊を無料で焼いてくださった。

なんだか、ありがたすぎて、、、胸が詰まった。
本当になんで皆の願いがとどかないのか、上手く治らない、いや抵抗した分だけでも小休止してくれないんだろう…。


私は「猫が脈絡膜の転移で右目が潰れてしまったこと、転移が眼に来る事を知らなかったので、知っていればベースがIBDでもオペしたと思うので、それだが悔やまれてならない。」と先生に言うと、
「オペしても眼に転移がこないともいえない」との慰めのようなご意見だったが、
本当にみじめはこの病院に来ることはもう体力的に難しいので、去り際に「一杯問題の猫がいて、次の子をよろしくね」と頼んでも、またこれで最後でもなく「腹水、胸水の事で受診するかもしれない」とお願いはしたが、

自分が決めた事とはいえ、みじめの積極的治療の最後の受診はあたたかく、そしてどこか悲しいものだった。


先生の教えてくれたコツを守って、明日から私とみじめの最期の奮闘の日々が始まる。
コメント (2)
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