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薬屋のおやじのボヤキ

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家畜・養殖魚への抗生物質・ホルモン剤の投与について考える。知れば知るほど恐ろしくて食べられませんね。

2013年11月02日 | 食養

家畜・養殖魚への抗生物質・ホルモン剤の投与について考える。知れば知るほど恐ろしくて食べられませんね。

 「食品中の残留農薬、防腐剤等の添加物、遺伝子組み換え食品について思う」と題して2013.10.29に記事を投稿しましたが、その中で書ききれなかった、家畜(養殖魚を含む、以下同じ)への抗生物質・ホルモン剤の投与について、ここで考えてみましょう。

 漢方の基礎を学ぶと、その中で必ず「薬食同源」という言葉が出てきます。俗に「医食同源」と言われますが、これは戦後の高度成長期に改変された用語です。その当時、効き目が強い欧米の医薬品が普及してきて、薬と言えば「化学物質であって毒と隣合せのもの」という意識が生まれたものですから、「薬食同源」という従前の言葉に抵抗感が生じてしまい、それがために「医療=食事」とこじつけて「医食同源」としてしまったのです。
 でも、従前から料理に「薬膳」というものがあるとおり「食=薬」ということは古来より経験的にもはっきりと分かっていましたから、「薬膳料理」がブームになってきた今日、「医食同源」という言葉は本来の使い方である「薬食同源」に戻していただきたいものです。
 「命は食にあり、食誤れば病いたり、食正しければ病自ずと癒える」
 これが、「薬食同源」の言わんとするところです。
 特に、がんを含めて各種の生活習慣病に関しては、ドンピシャリと当てはまります。

 これほどまでに「食」というものは人の健康を確保する上で重要なものなのですから、我々が毎日口にする食べ物は、例えば、野菜であれば無農薬・有機栽培で生命力あふれるものを、畜産物(養殖魚を含む、以下同じ)であれば抗生物質・ホルモン剤非投与のものを、加工食品であれば防腐剤等の添加物が入っていないものを、といったものが求められます。
 しかしながら、こうしたものがますます入手困難になってきているのが現実です。

 畜産物に残留する抗生物質・ホルモン剤は大変厄介な問題を抱えています。
 まず、抗生物質ですが、これは本来は家畜の病気の蔓延を防ぐために発病が発見されたときに短期間集中的に使うべきものです。でも、病気は一気に広がることも多く、それでは手遅れになってしまうので、かなり予防的に使われているようです。
(なお、日本では、人に対しても抗生物質はかなり予防的に使われています。その実体は →「 風邪に抗生物質って必要?(その1) (その2)」を参照ください。) 
 また、驚くことに、一部の抗生物質は、何と家畜の成長を促進させるために使用されています。それぞれの抗生物質は、それぞれに特定の細菌の増殖を抑える働きがあり、これを家畜に投与すると、当然にして家畜の胃腸内に常在する細菌の一部もダメージを受けて増殖が抑制されます。すると、与えた抗生物質の種類によっては、常在細菌による栄養消費が減り、その分宿主の家畜に栄養が回って飼料効率が上がり、成長を促進させることになるのです。また、家畜の飼料も現代人の食糧と同様に家畜本来の食から大きく逸脱していますから、胃腸内で有害細菌が繁殖しがちであり、抗生物質投与によって、それを抑えて有害な発酵物の生成を減らすことによっても成長促進に資することができのです。
 とんでもない抗生物質の使われ方ですが、少ない飼料で大きく成長させることができるのですから、効率が上がり、多用されるのです。
 なお、家畜への抗生物質の使用量は、日本の場合、人用の約2.5倍にもなっています。(農林水産省2001年データによる)

 家畜への抗生物質の乱用は、多剤耐性菌を生み出す元になり、これが人に悪影響を与える細菌についても生じていて、問題になってきています。
 そうしたことから、農林水産省は、産卵中の鶏や搾乳中の牛そして前7日間は抗生物質を与えてはならないといった規制をし、人体への抗生物質の移行
を極力減らすように配慮していますが、これは本質的な解決にはなっていません。
 なお、欧州では、近年、成長促進のために使う抗生物質は使用禁止とし、それに伴う飼料代の増加分に見合う金額を別途補助する形で農業保護政策を取っているようです。

 次に、ホルモン剤(成長ホルモン、女性ホルモン)ですが、これが認められている米国では、各種のホルモン剤を使い分けて、牛の早期育成、肉質向上、乳の出を良くするために利用されています。
 ピアス状のものを耳に埋め込んでホルモン剤が少しずつ洩れ出るようにし、成長を促進させます。また、肉牛の場合、女性ホルモンで脂肪を赤身肉に変えさせます。そして、乳牛の場合、成長ホルモンで搾乳量を2割程度アップさせます。
 牛以外には、鶏(ブロイラー)にも以前は使われていたようですが、今は使われていないようです。

 さて、こうしたホルモン剤の利用は、肉や牛乳に微量のホルモン剤が移行し、人がこれを摂取したとき、人のホルモンバランスを大きく崩す恐れがあります。ごく微量であっても、もともとホルモンは微量で大きな働きをするものですから、危険性を無視できません。

 こうしたことから、欧州では消費者団体の排除運動もあって、家畜へのホルモン剤使用は認められていません。そして、ホルモン剤を使用した畜産物の輸入も禁止しています。つまり、米国産畜産物の輸入禁止です。
 
遺伝子組み換え食品と同様に、ここでも米国と欧州で激しく対立しています。
 日本はどうかというと、何もかも米国に追従する半独立国ですから、自ずと米国寄りになってしまい、国内産の畜産物は欧州同様ホルモン剤の使用は禁止されているものの、これを利用した米国産畜産物は輸入を認めています。もっとも規制値以下とされていますが、その値で果たして安全かどうかは定かでないでしょう。

 ところで、欧州と米国で、食品の安全性について、これほどまでに対立するのはなぜでしょうか。その原因も、人の健康というよりは食糧安保が根っこにあります。
 これは、農畜産物の生産の仕方とも深く関係していると思われます。
 欧州は比較的小規模な家族経営が主体ですから、伝統的な方式(野菜は基本的に有機肥料を使い、牛は基本的に牧草を飼料とする)を取ろうとするのに対し、米国は大規模経営で農場主が労働者を採用して事業展開しますから、採算性を重視して効率的な方式(野菜は化学肥料と農薬を使い、牛は配合飼料も使う)をどんどん取り入れ、農産物を限りなく工業的生産に近づけたいと考えていることでしょう。
 そうしたことから、米国では遺伝子組み換えにしろ抗生物質・ホルモン剤投与にしろ何のためらいもなく積極的に取り入れるという方向に走ることになってしまうと思われます。
 今後、日本はどうなるかと申しますと、TPP交渉の中で、このことについても秘密裏に行われ、米国はしつこくアメリカン・スタンダードを強要してくるでしょうから、家畜への抗生物質・ホルモン剤投与は欧州寄りから米国寄りへと順次移行していくのではないでしょうか。

 さて、残留農薬や防腐剤等の添加物については、先に投稿した記事の中で申しましたように、肝臓の解毒作用や断食を行うことによって、かなり消滅させることができると考えられるのですが、抗生物質やホルモン剤は類似物質を体内に持っていますから、解毒はされず、断食による体外排出も期待できそうにありません。
 よって、これらが体内に入ってきても対策の取りようがなく、お手上げ状態になります。
 でも、簡単かつ最善の方法があります。
 そうした畜産物を食べなければよいのです。しかし、ホルモン剤は避けられても、抗生物質は全ての畜産物に大なり小なり混入しています。
 じゃあ、どうするかと言えば、「ご飯に味噌汁、芋の煮っころがしに旬の路地野菜、そして漬物。ときどき天然の小魚を少々。」という昔の食事に戻せば全て解決します。
 どうですか、皆さん、週に何回かは、こうした食事をしてみませんか。
 これが「薬食同源」であり「薬膳料理」なのです。(ただし、ご飯は玄米とし、全てが無農薬栽培のものでなければ本来の「薬膳料理」とはなりませんが。)

 なお、参考までに、以前にも紹介しましたが料理のメニューをあげておきましょう。
 “おかあさんだいすき”(お母さん大好き)
   お  おから料理
   か  かぼちゃの煮付け
   あ  和え物
   さん さんまの塩焼き
   だ  大根の煮物
   い  芋の煮っころがし
   す  酢の物
   き  きんぴら
 これが、まさに「おふくろの味」というもので、かつ、「薬膳料理」でもあるのです。
 お年寄りのボケ防止のためにも、ここは、“お母さん大好き”と、お婆さんをおだてあげて家庭料理を毎日作ってもらうといいでしょうね。そして、それを伝授することです。

 間違っても次のメニューはお止めください。
 “カーチャン ヤスメ ハハキトク”(母ちゃん休め、母危篤)
   
カー   カレーライス
   チャン  チャーハン
   ヤ    ヤキソバ
   ス    スパゲティ
   メ    メダマヤキ
   ハ    ハンバーグ
   ハ    ハムエッグ
   キ    ギョーザ
   ト     トースト
   ク    クリームシチュー
 これらの料理は畜産物が多く入っていますし、何よりもよく噛まずに飲み込むことになりますから、特にお子様にはお勧めできないメニューとなります。
 こんな料理ばかり子供さんに食べさせていると、その女の子は大人になっても同じメニューで食事を作り続けて、若くして“母ちゃん休め、母危篤”となってしまいますよ。


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1 コメント

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ホルスタイン化 (風間幻太郎)
2013-12-04 11:28:37
*「医」と「食」が同源であるわけはないので、おっしゃるとおり、本来の「薬食同源」にすべて戻してほしいものです。
*ここ二、三十年の異常なまでの女性の体形の変化(とりわけ巨乳化)も、牛乳や牛肉の大量摂取が影響しているのではなかろうか、なんて証拠はないが思っています。
*ホルモンはもちろん、抗生物質なども、ごく微量で人体に影響するので、これからの日本人(将来は人類全体も)の体形や性格(間接的に影響する)は、どうなるんでしょうね。老人には、それを見届けられないのが少々残念ですが……。
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