NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

林床

2007年09月11日 | 間伐
現在間伐している林内のヒノキの根元の写真です。
少し見難いのですが林床から20cm位の高さまでヒノキの表面が泥で汚れています。
おそらく林内を落下する水滴が林床の表土を跳ね上げたものと思われます。
泥の跳ね具合から想像すると地面を叩いた水滴は普通の雨粒以上のかなりの破壊力です。
上空は林内に日が差し込まないほど樹冠で覆われていますので、雨粒が直接地面を叩いたとは思えません。
とすると、一旦樹冠で遮られた雨粒がそこで大きくなり樹高15mの高さから一気に落下して泥を跳ね上げたと想像出来ます。
下層、中層に水滴の落下エネルギーを吸収する植物が何も無い事もこうした現象に拍車をかけています。
写真の木の周りの枯れ枝は表面を水が流れた痕跡を残しています。
こうして過密な人工林では雨が降る度に破壊力の増した水滴が林床を徐々に破壊し、浸透せずに表面を流れる水が表土を流し去っているようです。
間伐の効果は色々ありますが、とりあえず雨粒が集まらないように樹冠の隙間を開け、水滴が直接地面を叩かないように林内に間伐材を横たえて置くだけでも林床土壌の流出防止効果が期待出来るのではないでしょうか。
コメント
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