夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈ら行〉

2023年12月31日 | 映画(ら行)
《ら》
『ランナウェイ・シーフ』(原題:Chor Nikal Ke Bhaga)
2023年のインド作品。Netflixにて配信。
マックス・アジア航空の客室乗務員ネハは、乗客のアンキットにナンパされ、
最初は鬱陶しく思うも、根気強く誘われるうちに惹かれて交際開始。
気をつけていたはずが妊娠し、アンキットに打ち明けるとまさかのプロポーズを受ける。
喜ぶネハだったが、アンキットには多額の負債があることが判明。
彼はダイヤモンドの保険を扱う会社の社長だが、従業員がダイヤを紛失したため、
その返済を迫られて大変な立場にいると言うのだ。
お互いに別れることなど考えられないアンキットとネハが妙案はないかと考えたところ、
ネハが搭乗する旅客機でダイヤの密輸がおこなわれることを知る。
この場を乗り切るにはそれを盗んで返済に充てるするしかない。
ふたりで万全の計画を立てたうえで、当該便にアンキットも客として搭乗。
計画どおりに上手く進むと思いきや、その旅客機がハイジャックされて……。
こんなの、詐欺師の常套手段じゃあないか。アンキットが明らかに怪しいと思っていたら。
とっくにアンキットに騙されたことを知っていたネハによる、すべてが復讐劇。
信頼のおける男性スダンシュに相談してチームを編成し、偽ハイジャックを仕組んだのでした。
ハイジャック騒ぎを起こし、本物のダイヤを偽のダイヤとすり替えて頂戴する。
密輸を企てていたのは国家の偉いさんで、窃盗の罪はアンキットにかぶせることに成功。
実に小気味の良い仕返しだったけれど、ラストシーンは要らないと思いました。
アンキットも生き残らせておいて続編を作る気なら、かなりウザい(笑)。
 
《り》
『リトル・バットマン クリスマスの大冒険』(原題:Merry Little Batman)
2023年のアメリカ/イタリア/フィンランド作品。Amazonプライムビデオにて配信。
“バットマン”=ブルース・ウェインの息子ダミアンは、父親のようなスーパーヒーローを夢見る少年。
クリスマスイブに父親からベルトをプレゼントされて有頂天。
これはきっと父親が自分も一人前だと認めてくれた証だと信じて疑わないが、
任務に就くように連絡を受けたブルースについて行こうとすると拒否される。
ふて腐れながらも、訓練を積めば父親と共に戦うことが許されるはずだと、
執事のアルフレッドがマシュマロを買いに出かけるように仕向けて家の中で猛特訓。
ところがその折にクリスマスプレゼントを狙う泥棒がやってくる。
応戦したものの、ベルトを盗まれたダミアンは奮起し、ベルトを取り返しに外へと飛び出す。
泥棒はあの“ジョーカー”の手下で、戦利品がベルトだけなのを知って激怒するが、
手下が撮影していた小さなバットマンの動画を見て狂喜。
この小さなバットマンにベルトを奪い返しに来させてホリデーシーズンの街を壊すことを思いつく。
まんまとそれに乗せられて、破壊屋となってしまったダミアンだったが……。
楽しいアニメーション作品です。
最後はダミアンの想い同様にジョーカーが可哀想になってくる。
ジョーカーはゴッサムシティを壊したかったわけではなく、仲間と行動したかっただけ。
手錠をかけられたジョーカーがブルース父子とテーブルに着くシーンに笑った。
アルフレッドの声を担当するのはジェームズ・クロムウェル。もう83歳ですか。長生きしてほしい。
ブルースの声はルーク・ウィルソン。兄オーウェン・ウィルソンより見る機会が少ないけれど、まだ50代前半。頑張れ。
 
《る》
『ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ』(原題:The Electrical Life of Louis Wain)
2021年のイギリス作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、擬人化された猫のイラストで人気を博した画家ルイス・ウェイン。
英国の上流階級に生まれながら、父親が早世し、6人兄妹の長男だった彼は、
一家の大黒柱となることを余儀なくされる。
純粋で変わり者の彼が恋したのは、長女が妹の家庭教師として雇ったエミリー。
紳士と下流階級の女性の恋愛は非難の的となるが、周囲の反対を押し切ってふたりは結婚。
妹たちとは別に居を構えながらも、絵で稼いだ金を仕送りして家族を支え続ける。
エミリーが乳癌を患ったのをきっかけに猫を飼い始め、ピーターと名付けて可愛がる。
しかしやがてエミリーは他界、失意のどん底にあったルイスは、絵を描くことに没頭し……。
青年時代のルイスから老人のルイスまで、ベネディクト・カンバーバッチが違和感なく演じています。
エミリーにはクレア・フォイ、キレ者の妹キャロライン役にはアンドレア・ライズボロー
また、ルイスの絵を最初に評価したウィリアム卿をトビー・ジョーンズが演じています。
いくら描いても版権は出版社にあったりして、騙されていたといわざるを得ない。
ずっと金の心配をする暮らしを強いられていたことには胸が痛む。
猫が上流階級でも飼われるようになったきっかけは彼の絵なんですね。
 
《れ》
『レンフィールド』(原題:Renfield)
2023年のアメリカ作品。日本では劇場未公開。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
20世紀初頭、不動産弁護士だったレンフィールド(ニコラス・ホルト)は、
つい吸血鬼ドラキュラ(ニコラス・ケイジ)の提案に乗ってしまった結果、
90年経った今もドラキュラのために食事(つまり人間)を用意したり、
ドラキュラが殺されそうになれば駆けつけて守ったりと、すっかり下僕に。
共依存症の人々のグループカウンセリングに参加したレンフィールドが、
パワハラ上司から逃れたいと思い切って打ち明けたところ、人々が後押ししてくれる。
一方、犯罪組織を追っていた女性警察官レベッカ(オークワフィナ)は
殺し屋のテディに狙われたところをレンフィールドに救われる。
レンフィールドのことを英雄と称えるレベッカだったが、
人間を殺戮しつづけている者の正体がドラキュラで、その手下がレンフィールドだと知る。
一旦はレンフィールドを敵視したものの、レベッカの姉カミールが犯罪組織に拉致され、
しかも犯罪組織にドラキュラが接触中だと判明し、
ふたりは協力してカミールを救出、ドラキュラを地獄へ送り込むと決めて……。
ニコラス・ケイジとニコラス・ホルトとオークワフィナまで出演しているのに未公開とは。
でも確かに、劇場で観たいほどの作品ではありません。家でじゅうぶんでした。
ニコラス・ケイジ扮するドラキュラの顔をこれ以上大画面では観たくない(笑)。
 
《ろ》
『六月十三日の夜』(原題:The Night of June)
なんと90年近く前の1932年アメリカ作品が今年DVD化されました。
TSUTAYA DISCASにてレンタル。
スティーヴン・ロバーツ監督と聞いても知らないし、俳優も知らない人ばかり。
なぜに今頃DVD化したのかわかりませんが、確かに面白い。
郊外の町に並ぶ4軒の家、カリー家、モロー家、ストローン家、ブレイク家。
カリー家の主人ジョンの妻エレナはピアニストだったが、
事故で負傷してから情緒不安定になり、夫とモロー家の娘トルーディの浮気を疑っている。
ブレイク家の娘ジンジャーとモロー家の息子ハーバートは恋人同士だが、まだ未成年
両家の母親がふたりの交際に反対しており、口やかましく言われて敵わない。
ストローン家は夫婦と息子、夫の父親が同居しているが、舅と嫁の間で諍いが絶えない。
ある日、嫉妬に駆られたエレナが銃で自殺。第一発見者は夫のジョン。
銃に残された指紋から、ジョンが容疑者として逮捕されて……。
こんな展開で自殺かどうかなんてすぐにわかりそうなものなのに、
そうはならないのがこの時代の作品らしいところだなぁと思います。
ジョンには事件当時のアリバイがあるけれど、トルーディに迷惑がかかるから言えない。
隣人たちもそれぞれ言えない事情があって、それを隠そうとすると、
ジョンに不利な証言ばかりになってしまいます。
裁判が始まってからがとても面白かった。昔の作品もいいなぁと思わされます。

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