『Ryuichi Sakamoto | Opus』
監督:空音央
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
昨年3月にこの世を去った坂本龍一。
10年近く前に中咽頭がんであることがわかり、3年前には直腸がんに。
あちこちに転移して手の施しようがなくなり、相当つらかったろうと思われます。
彼が「あと何回満月を見るだろう」とつぶやいていたと聞くと、
その年の9月、坂本龍一が最後の力を振り絞って演奏に臨む。
東京のNHK509スタジオで8日間にわたって収録した演奏が本作です。
ただひたすら、ピアノに向かう彼を収めただけといえば収めただけ。
凝った演出はされていないように見えるところが余計に素晴らしい。
静謐としか表現できません。
彼の表情は穏やかで、死が近いとは思えない。けれど、それを感じながらの演奏だったのでしょう。
彼自身の選曲による20曲。
心地よすぎてたまにうとうとしてしまってごめんなさい。
空の上にいるような気持ちでした。
あらためてご冥福をお祈りします。