夜な夜なシネマ

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今年観た映画50音順〈さ行〉

2023年12月28日 | 映画(さ行)
《さ》
『サイレント・ナイト』(原題:Silent Night)
2021年のイギリス作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
監督はこれが長編デビュー作となるカミーユ・グリフィン。
明日になれば人類滅亡というクリスマス
サイモン(マシュー・グード)とネル(キーラ・ナイトレイ)夫婦の家に集まった友人たち。
政府によって事態は明らかにされており、謎の猛毒ガスに襲われて死ぬことが確実らしい。
ガスを吸う前に政府から配布された薬を飲めば、苦しまずに死ぬことができる。
誰もがそれを致し方ないこととして受け入れているなか、
サイモンとネルのまだ幼い息子アート(ローマン・グリフィス・デイヴィス)だけは違う。
もしかしたらガスを吸っても死なないかもしれないのに、なぜ死ぬと決めつけるのか、
子どもに死を勧めるなんて親のすることじゃないと泣き叫ぶ。
皆がアートに言い聞かせようとしているというのに、
妊婦のソフィ(リリー=ローズ・デップ)が自分は薬を飲まないとアートに言ったものだから、
飲まない選択肢もあると考えたアートはさらに怒って家から出て行ってしまい……。
前知識なしで観はじめると、単にクリスマスを祝いに集まった家族や友人たちの話かと思います。
ところがこれは世紀末の話なのだと途中でわかる。その割にみんな落ち着きすぎか。
今はコロナ騒ぎも沈静化していますが、もしも人類滅亡が本当に目前に迫ったら、
人はどう決断するでしょう。そんなことも考えたくなる作品でした。
『ザ・ロード』(2001)のような世界で生きるのは絶えられないという台詞には頷く。
 
《し》
『シーフォーミー』(原題:See for Me)
2021年のカナダ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
女子スキー滑降のU18でトップテン入りするほどの実力者だったソフィは、
網膜色素変性症のため、今はわずかに光を感じるのみの失明状態
パラリンピックを目指すように協会から言われても、そんな気持ちになれない。
すっかり自暴自棄になり、心配する母親にも冷たい態度を取る。
ある日、ソフィは、富豪女性デボラの留守邸で猫シッターのバイトを引き受ける。
セキュリティシステムを起動した後に喫煙のために表へ出ると、鍵がかかってしまう。
出がけに母親から教えられたアプリ“See for Me”をスマホにインストールしたところ、
ヘルパーのケリーに繋がり、スマホの画面を見せながらなんとか家の中に戻ることに成功。
これで万事OKと思われたが、夜中に邸に侵入者が現れる。
デボラの元夫が、デボラが金庫に隠し持っている金を盗むために人を雇ったのだ。
身動きが取れないソフィは再びケリーに連絡して協力を求めるのだが……。
序盤のソフィはひねくれていて、とても好感の持てる人物ではありません。
富豪の留守番バイトをするのも、金目の物を盗むつもりだから。
視覚障害者が物を盗むわけがないと世間の人々は思い込んでいるからです。
そんなソフィよりもよほど好感度が高いのがケリー。
彼女は元軍人で、今はFPS(シューティングゲーム)の達人。
彼女の的確な指示でソフィが犯人と相対するシーンは手に汗握る。
 
《す》
『スカイブルーな恋の予感』(原題:Love in the Air)
2023年のオーストラリア作品。Netflixにて配信。
デイナ(♀)は小さな航空会社フラートン航空のチーフパイロット
観光客を乗せる傍ら、離島に住む人々に郵便を配達したり病人を運んだり、
困り事を聞けばすぐに駆けつけて支援を第一に考えている。
そんなことだから、フラートン航空の収益は一向に上がらず、
そこに目をつけたロンドンの投資会社がフラートン航空を潰しにかかる。
調査の名目で現地を訪れたのは、投資会社の社長の息子ウィリアム。
潰すこと前提だとは言えずにデイナを含むフラートン航空の社員たちに会うのだが……。
よくもこんなつまらない作品を映画にしたもんだと驚きすら感じます。(^^;
デイナ役のデルタ・グッドレムはジェニファー・ロペスを意識しているのかと思ったけれど、
オーストラリアでは人気のあるシンガーソングライターだと後から知りました。
と言われてもねぇ、もうアラフォーだし、演技も上手いわけじゃなし。
ウィリアム役のジョシュア・ザッセはジャン・デュジャルダンを少し若くしたみたいな風貌。
つまり、どこにでもいそうな俳優が、どこにでもありそうな映画に出ている、それだけ。
この邦題も(原題もだけど)、アラフォー主演だとちょっと恥ずかしくないですか。
 
《せ》
『千夜、一夜』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
離島の海沿い、住民の誰もが知り合いの町。
水産加工工場で働く登美子(田中裕子)は、30年前に蒸発した夫の帰りを待ち続けている。
幼なじみで漁師の春男(ダンカン)は昔から登美子に想いを寄せており、
登美子と所帯を持ちたいと言い募るも断られてばかり。
春男の母親から懇願され、ほかの住民からも登美子は春男との再婚を勧められているが、
登美子は決してうなずかない。
ある日、町長の紹介だと言って登美子を訪ねてきたのは、
2年前に夫が失踪したという看護師の奈美(尾野真千子)。
教師だった夫の洋司(安藤政信)は、ちょっと出かけてくると言ってそのままいなくなった。
拉致された可能性もあるが、待つことに区切りをつけるため、
夫が失踪した理由を求めている奈美は、登美子に相談。
登美子はなんとなく洋司のことを調べはじめるのだが……。
夫婦仲は極めて良くて幸せな日々を送っていると思っていたのは妻だけ。
それでも、妻は自分を待っていてくれるとか、戻れば許してくれるとか思うものらしい。
そんな夫がいると知ったうえで一緒になりたいと言う男たち。幸せになれるといいけれど。
 
《そ》
『“それ”がいる森』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
傲慢な義父のせいで、妻子を残して家を出るよりほかなかった淳一(相葉雅紀)は、
田舎町でオレンジを作り、それなりに穏やかな日々を過ごしていた。
そこへ、妻(江口のりこ)と喧嘩したらしい息子・一也(上原剣心)がひとりでやって来る。
ちょうどその頃、森に入った男女が殺される事件が起こり、のせいだと思われていた。
転入した小学校の同級生に誘われて一也がその森に入ると、
銀色の塊のようなものに襲いかかられ、同級生は連れ去られてしまう。
警察も学校も熊の仕業だと判断し、一也の話には耳を傾けようとしないなか、
淳一と一也の担任・絵里(松本穂香)だけは一也のことを信じ、
この事態をなんとかしようと考えるのだが……。
中田秀夫監督のホラー作品なので公開当時は敬遠しましたが、観てみたら怖くない(笑)。
地球外生命体が子どもを捕食すると個体数が増えていくところがグロいですねぇ。
教頭役の野間口徹が徹底的に嫌な奴で、ここまで嫌な奴の役って、
今までの野間口徹のキャリアの中にありましたか。
同じく、人の話を聞こうとしない警察官役に眞島秀和
オレンジ農家の頼れる親父役が宇野祥平で、バイプレイヤーたちの出演が嬉しかった。

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