夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

今年観た映画50音順〈か行〉

2023年12月27日 | 映画(か行)
《か》
『カレとカノジョの確率』(原題:Love at First Sight)
2023年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
アメリカ人の女子大生ハドリーのもとへ、ロンドンで教鞭を執る父親から連絡が入る。
父親曰く、再婚することになったから結婚式に出席してほしいとのこと。
気乗りせずも致し方なくJFK空港に向かったところ、4分遅刻して搭乗を逃す。
次の便を予約して待つ間、携帯の充電切れに気づいて再びガックリ。
そのとき声をかけてくれたのがイギリス人で数学オタクのオリバー。
ヒースロー空港行きの飛行機の中、隣り合う奇跡に恵まれたふたりは意気投合。
着陸後にオリバーから携帯の番号を教えてもらったのに、
別れた直後に携帯を落として破損、番号がわからなくなってしまう。
沈んだ気持ちのまま父親の結婚式に参列すると、披露パーティーまでの間に近くから聞こえてきた話にびっくり。
参列者のひとりが偶然にもオリバー一家の知り合いらしく、今からオリバーの母親のお別れ会なのだと言う。
パーティーの開始までは4時間。父親に必ず戻ると伝え、ハドリーはオリバーに会いに行くのだが……。
オリバー役が『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)でロジャーを演じたベン・ハーディというだけでもう嬉しいですねぇ。
ベタなラブコメではありますが、生前葬の話がとてもよかった。
父娘で踊るときのBGMがバグルスの“ラジオ・スターの悲劇”というのも楽しい。
 
《き》
『キル・ゲーム』(原題:Apex)
2021年のアメリカ作品。日本では劇場未公開。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
人間狩りゲーム“APEX(エーペックス)”は、6人のハンターが同じ獲物を追い、
見事獲物を殺したハンターが勝者となるエンターテインメント。
近頃獲物が弱すぎるという不満がハンターたちから湧き出て、
主催者が今度こそと選んだのは、仮釈放なしの終身刑に処せられている元刑事マローン。
今さら自由を得るつもりもなかったマローンだが、自分に孫がいると知って意思を翻す。
6人のハンターはいずれも諸般の事情を持つ富豪で、
中でも一代で製薬会社を築き上げたレインズフォードは強くてずる賢い。
ハンター同士が殺し合うように仕向ける作戦も考えたマローンは……。
今年2月に認知症であることが家族を通じて発表されたブルース・ウィリス
本作の彼にはまるでキレ味がなく、こんなヨレヨレの爺さんに勝てるわけがない。
表情もどことなく呆けた感じで、この頃にはもう症状が出ていたのだろうと思います。
そんなことを思いながら観ていると悲しくなってしまいました。
 
《く》
『空気殺人 TOXIC』(英題:Air of Murder)
2022年の韓国作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
2011年に韓国で実際に起きた事件に基づく。
医師チョン・テフンのまだ幼い息子が原因不明の肺の病で突然倒れて重体に。
同日、息子の入院に必要なものを取りに帰った妻が同じ病で亡くなる。
妻の妹である検察官ハン・ヨンジュは、半年前の人間ドックでは姉に異常がなかったことから、
義兄と共に原因究明に乗り出したところ、加湿器用殺菌剤が原因だとわかる。
被害者の会を結成し、製造販売元の大会社オーツーを訴えるが、
オーツーの社長は遣り手の社員ソ・ウシクにすべてを任せ、
どんな手を使ってでも裁判に勝つようにと命じ……。
酷い会社です。毒性があることを認識していながら売ればそれは殺人なのに。
議員や専門家に金を積んで、自社の非を揉み消そうとし、実際に揉み消しに成功する。
と思えたときに、まさかのまさかのドンデン返しがあってびっくり仰天。
ソ・ウシクも実はこの殺菌剤で妻子を亡くしていたのですよねぇ。
一発逆転を狙うには、こうするしか方法がなかった。
遺影に向かってどうしているかと尋ねるシーンは泣きました。
死んだ人に向かってそんなことを聞くのは変なんですが、私もよく思うんです、弟、元気かなって。
 
《け》
『警官の血』(英題:The Policeman's Lineage)
2022年の韓国作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
佐々木譲の同名ベストセラー小説を韓国でリメイク。
祖父と父親に続き、自らも警察官になった新人刑事チェ・ミンジェ(チェ・ウシク)は、
広域捜査隊の刑事パク・ガンユン(チョ・ジヌン)を内偵捜査するよう、打診される。
不名誉な仕事だと断ろうとするミンジェに、警官殺しが絡んでいるとのこと。
ガンユンはあり得ないぐらいホシを挙げているエース刑事で、闇組織との癒着が疑われる。
それがバレそうになって警官を殺したのではないかというのだ。
かつて父親が殉職した過去を持つミンジェは、父親の死についての真相を知りたくなり、
この任務を果たせば教えてやると監察官から言われて受けることに。
捜査を始めたところ、ガンユンはミンジェをなぜか可愛がる。
人間として魅力を持つガンユンに惹かれ、信用したくなったミンジェは、
監察官にガンユンの嫌疑は何もないと報告するのだが……。
ミンジェ役のチェ・ウシクは、『The Witch/魔女』の冷酷無比な男役が印象に残っています。
冷酷無比でもイケメンだなぁと思った彼がこんな無垢な役をしたらさらに惚れる(笑)。
ばりばり一重まぶたの私は、彼がやはり一重まぶたであるところにも親近感を持ちました。
続編を作ってほしいぐらい面白かったし楽しかった。
 
《こ》
『コンビニエンス・ストーリー』
2022年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
脚本家の加藤(成田凌)は執筆に集中したいというのに、
同棲中の女優の卵ジグザグ(片山友希)の飼い犬ケルベロスがやかましく吠える。
ジグザグが出かけた隙にケルベロスを捨てに山奥へ。
しかし帰宅したジグザグが騒ぎ立てるものだから、再びケルベロスを連れに山奥へ戻る。
途中、車のエンジンがかからなくなって困り果てていたところ、
不思議なコンビニのオーナー夫人・惠子(前田敦子)が車を直してくれるという。
ところが一緒に車を停めていた場所に戻ると車がない。
彼女の夫・南雲(六角精児)の厚意でしばらく家に泊めてもらうことになるのだが……。
実はこのコンビニではかつて惨殺事件が起きていて、
オーナー夫妻も従業員もみんな殺されていましたというやつ。
三木聡監督お得意の不条理脱力系のはずが、かなり退屈。
惠子が登場する辺りからは少し面白くなりますが、摩訶不思議な話というには物足りず。
幻想譚なのでしょうが、イマイチ幻想的ではないのですよねぇ。
惠子に救われて最後はこっちの世界へ戻ってきたのかと思いきや、オイッ、死ぬんかいっ。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今年観た映画50音順〈あ行〉 | トップ | 今年観た映画50音順〈さ行〉 »

映画(か行)」カテゴリの最新記事