夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『銀色のシーズン』

2008年02月18日 | 映画(か行)
『銀色のシーズン』
監督:羽住英一郎
出演:瑛太,田中麗奈,玉山鉄二,青木崇高,國村隼他

評判クソミソな作品なので、
ロードショーで観るのもどうよ?と思いましたが、
映画をハシゴしようとしたら、時間的にちょうどいいのがコレでした。
で、ある映画館へ土曜の朝イチで行ったら、貸し切り状態。
ドまんなかの席で、あぐらをかいて鑑賞。

ゴンドラもない某町営スキー場は、
山向こうのリゾートスキー場に客を取られ続けている。
今シーズン、町の存続を賭けて、スキー場での結婚式を企画。
住人たちの手で氷の教会をつくりあげ、
この初の試みに応募してきた客の到着を待っている。

彼らの心配の種は、“雪山の何でも屋”である銀、祐治、次郎の存在。
イケイケの3人は、ゲレンデで好き放題。
滑走可能と見れば、レストハウスの屋根にまで上がり、
ジャンプ台も勝手に使う。
金儲けのために当たり屋と化すことも。

やがて、住人たちの悪い予感は的中。
花嫁第1号となるはずの七海が、
花婿よりひと足先に東京からやって来たのだが、
雪を見るのすら初めての彼女は、まったく滑れなくて四苦八苦。
彼女をカモと見た銀は、1日2万円で教えてやると言い……。

これほど予定どおりに進む話があってもいいのか?と思うぐらい、
想定外のことは起きません。
七海の結婚相手がなかなか現れない理由は
すでに別れたんだろうと考えていましたが、
この点だけは想像より上。

傍若無人に振る舞う銀に、なぜ住人たちが遠慮しているのかは、
ラストも読めてしまうので、ネタバレにもならんような。
ワールドカップの覇者だった銀が大けがをして
モーグルを諦めてしまったことについて、
住人たちは、まだ十代だった銀に
自分たちが重圧をかけすぎたせいだと負い目を感じています。
最後は七海の言葉に突き動かされた銀が復活を果たし、
町中大喝采の涙のエンディング。

確かにTVドラマで十分ぽい。
でも、滑降シーンは大画面で観るとド迫力。
それに、おきまりのエンディングも、
やっぱり泣いてしもたじゃないですか。

前に書いたかもしれませんけど、
「年間250本以上も映画を観るのなら、
冷めた目で見ないと体がもたないでしょ」とたまに言われます。
けれども、それは私にすると真逆。
どんなシーンでも作り手の思うツボにハマって、
驚いたり泣いたり笑ったりできるタイプじゃなきゃ、
こんなに何本も観られへんやろと思うのでした。
嗚呼、私こそカモ。

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