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『終わらない週末』

2023年12月17日 | 映画(あ行)
『終わらない週末』(原題:Leave the World Behind)
監督:サム・エスメイル
出演:ジュリア・ロバーツ,マハーシャラ・アリ,イーサン・ホーク,マイハラ,
   ケヴィン・ベーコン,ファラ・マッケンジー,チャーリー・エヴァンズ他
 
師走の仕事帰りに大阪市内まで映画を観に行くのは無謀だと気づき(今ごろ気づいたんかい!)、
シュッと行ける劇場で観るものがなくなったらおとなしく帰宅することにしました。
そして家で映画を観る。本作はNetflixにて先週から独占配信中。 
 
惹かれない邦題でスルーしかけていましたが、凄いキャストではありませんか。
監督はTVドラマのクリエイターとして知られるサム・エスメイル。知らんけど。
原作は全米図書賞にノミネートされたルマール・アラムの同名小説なのだそうです。
 
サンフォード家は4人家族。
大学で教鞭を執る夫クレイ、広告業界に身を置く妻アマンダ、長男アーチーと長女ローズ。
 
ある朝、クレイが目覚めると、どこへ行くつもりかアマンダが荷造りをしている。
アマンダ曰く「自分が人間嫌いであることに気づいた。すぐに休暇を取って家族で旅行するべき」と。
あまりに突然で驚いたものの、家族旅行はいいアイデアだとクレイは賛同。
アマンダがすでに予約済みだったロングアイランドの貸別荘へと向かう。
 
素晴らしい邸に到着して、ビーチへと繰り出した4人だったが、
海の沖のほうを巨大なタンカーが航行しているのを発見。
当然ビーチまでは来ないだろうと思っていたら、みるみる大きくなるタンカーの姿。
それは途中で止まることなく、ビーチでくつろいでいた客たちは慌てて逃げる。
 
買い物に寄ったスーパーの駐車場には、大量の水と缶詰を買う中年男性がいた。
邸に帰れば庭に鹿が入り込んでいる。1頭なんてものではない、何頭もの鹿が。
やがて携帯電話が繋がらなくなり、Wi-Fi不調、テレビも映らず。
 
夜も更けた頃、玄関の扉を叩く黒人男性と女性がいた。
男性はこの貸別荘のオーナーであるG・H・スコット。女性はG・Hの娘ルースだと。
市内が停電に見舞われ、にっちもさっちも行かなくて自分の別荘に来たらしい。
金を払って借りているのに、そのオーナー親子が訪ねてくるなどあり得ないと、
アマンダは不快感をあらわにするが、クレイはふたりを受け入れることに。
 
いったい何が起きているのか調べようと翌日車を走らせるが、ワケがわからない。
どうやら世界崩壊の危機が迫っているようで……。
 
批評家の評価はとても高いようですが、はっきり言って、これは万人受けはしません。
娯楽作品を求めて観はじめた場合、多くの人が「はぁ?」で終わると思います(笑)。
私もそう思います。だから何!?って。
そうだなぁ、『ドント・ルック・アップ』(2021)が好きだという人は本作もお好きなのでは。
 
醸し出される空気はヨルゴス・ランティモス作品に似ています。
それをハリウッドスターたちが演じているのが私にはどうも違和感あり。
 
みんな上手いですけどねぇ。
こんな別荘を黒人が持っているのがおかしいと言いたげで、はなから疑ってかかるアマンダ。
ちょっと嫌な性格も見え隠れして、好きにはなれません。
対するクレイはお人好しっぽいけれど、楽天的に過ぎる。
ルースはいたるところでマウントを取り、G・Hだけは腰の低い金持ちで善人っぽい。
でも、何か知っているのに隠しているふうなんです。
 
これだけ世界が大騒ぎしているのに、好きなドラマを観られないことにしか興味のないローズ。
結局、終末を迎えるときはこうであるのがいちばんかもしれないと思わされます。
それにしてもこの邦題はやはりどうかと思う。全然合ってない。

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