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『孤狼の血 LEVEL2』〈孤狼祭 コロフェス 完成披露プレミア【舞台挨拶中継】〉

2021年07月23日 | 映画(か行)
『孤狼の血 LEVEL2』
監督:白石和彌 
出演:松坂桃李,鈴木亮平,村上虹郎,西野七瀬,毎熊克哉,斎藤工,
   中村梅雀,滝藤賢一,宮崎美子,かたせ梨乃,中村獅童,吉田鋼太郎他
 
今日は何を観に行こっかな~と何気なく上映スケジュールを眺めていたら、
“孤狼祭 コロフェス 完成披露プレミア【舞台挨拶中継】”とある。
ちょうどひと月先の8月20日公開の本作の先行上映をするんですと。
こういうときはたいてい値引きなしの定価でチケットが販売されるものですが、
ちゃんとシネマポイントカードデーの割引適用。
全国同時上映らしく、ならば少しでも自宅に近いほうが帰りが楽。
わが家からもっとも近い劇場、109シネマズ箕面にて鑑賞しました。
 
『孤狼の血』(2017)の続編です。
大好きな白石和彌監督の作品ではありますが、冒頭から豚の肛門がアップになるグロさが苦手で、
原作のほうがずーっと好きでした。
原作の続編もめちゃめちゃ面白かったので、映画版はどうなんだろうと興味津々。
しかし原作の柚月裕子って何者よと思ってしまう。
東北生まれのおばちゃんが、こんな広島弁バリバリのヤクザの話を書いちゃうなんて。
 
予告編なし、18:00に全国一斉スタート。
まず、パフォーマンスグループ“s**t kingz(シットキングス)”のスペシャルダンス。
その後、キャストによるトークショーがケンドーコバヤシの司会で。
登壇者は、松坂桃李村上虹郎西野七瀬滝藤賢一中村獅童(以上、警察関係者チーム)、
鈴木亮平斎藤工早乙女太一吉田鋼太郎(以上、ヤクザ関係者チーム)。
吉田鋼太郎が「役所広司さんの役が来たと思って舞い上がっちゃった」という話や
(役所広司演じる刑事は前作で死んでいるので、それを引き継ぐ役だと思ったそうな)、
鈴木亮平演じる上林の非道ぶりを斎藤工が映画オタクらしくトム・ハーディかと思ったという話など、
かなり楽しめました。
 
でもトークショーの中継は途中で終了なんです。
いきなり画面が切り替わって、白石監督が登場。
「まだまだ続いておりますが、この続きはYouTubeにて」って、上手いな~(笑)。
そして劇場では本編が始まります。
 
始まってみたら、全然ちがうんですよ、原作三部作に第二部に当たる『凶犬の眼』と。
ん~?読んだのがずいぶん前だから私が忘れてるだけ?いやいや、絶対ちがうってば。
観終わってから知りましたが、これって映画用の完全オリジナルストーリーなんですと。
原作の柚月さんが脚本を担当しているのかと思いきやそれもちがう。
終盤の交番勤務のところからが『凶犬の眼』とかぶっていて、
なるほど、これなら三部作を四部作にして次作を『凶犬の眼』にできそう。
 
さて、映画完全オリジナルストーリーである本作はこんな感じ。
 
3年前の前作で、暴力団の抗争に巻き込まれて殺害された刑事・大上(役所広司)。
その後を継いで広島の裏社会を治める刑事・日岡(松坂桃李)。
日岡が手を回して広島仁正会と尾谷組に手打ちをさせたおかげで、
暴力団同士の争いは消え失せ、物騒な事件も起こらなくなっていた。
 
しかし、仁正会傘下の五十子会・故会長の側近だった上林(鈴木亮平)が刑務所から出所。
上林はその足で手下を引き連れ、刑務官の妹(筧美和子)を殺しに行く。
広島県警本部には嵯峨(滝藤賢一)の指揮のもと、捜査本部が立ち上げられ、
なぜかそこに呉原東署から日岡が助っ人として呼ばれる。
 
日岡とコンビを組むことになったのは、県警本部のロートル刑事・瀬島(中村梅雀)。
瀬島は定年直前でこんな殺人事件に携われることが嬉しくて仕方ない様子で、
日岡の素っ気ない態度を物ともせず、ウキウキとくっついて回る。
 
刑務官の妹を殺したのは上林にちがいないのに、決定的な証拠がないらしい。
捕まえられずにいるうちに、上林は故会長の仇を討とうと尾谷組へのカチコミを計画。
同時に、故会長を罠に陥れた刑事が誰なのかを突き止めようとする。
そんな上林の動きを探るため、日岡はチンピラの近田(村上虹郎)をスパイとして送り込むのだが……。
 
豚の肛門は出てこなかったけど、とにかく殺し方が凄絶。
くり抜かれた目ん玉がゴロリと出てきますから、この手のやつが駄目な人は要注意(笑)。
かくいう私も別に得意じゃないし、できれば見たくないので、
画面をまともに見られないシーンもかなりたくさんありました。
 
それ以上に話は面白いので、時折伏し目がちになりながら鑑賞するしかない。
凄惨なストーリーの中でたまに笑わせてくれるのが、
仁正会会長役の吉田鋼太郎と、なんとなく私のツボ、音尾琢真
音尾さんって、たいてい悪役なんですけれど、
最後まで格好いい悪役であることはまずなくて、どこか間が抜けている。
ちょっと動きが竹中直人に似ていませんか。
 
「政治家よりヤクザのほうがマシ」とは中村梅雀演じる瀬島の言葉。
ヤクザは悪いことをしていると自分で宣言して悪いことをしている。
政治家は正しいことをしているような顔をして悪いことをしている。
「税金でいいものを着ていいものを食べているなら、
せめて正しいことをしろ」というマ・ドンソクの台詞も思い出します。
 
本公開になったらどうしよう。
カメオ出演している模様の柚月さんを見つけられなかったし、
もう一度観てもいいかなと思うぐらいに面白かったけれど、
目ん玉は見たくないよなぁ(笑)。

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