『告白 コンフェッション』
監督:山下敦弘
出演:生田斗真,ヤン・イクチュン,奈緒他
前述の『碁盤斬り』を109シネマズ大阪エキスポシティで観た後、イオンシネマ茨木へ移動して。
21時半も過ぎてから劇場を移動してのハシゴなんてしんどいこと極まりないのですが、
見逃したらどうしようという強迫観念に駆られて行ってしまいました。(^^;
長尺作品が多いなか、80分を切る作品は結構珍しい。74分。
山下監督は最近撮りまくりですね。
『カラオケ行こ!』、『水深ゼロメートルから』から一転してサスペンスフル。
近頃はホヨヨ~ンとした雰囲気の作品が多かったから、こういうのを観ると、
『松ヶ根乱射事件』(2006)の頃の同監督を思い出します。
出演者はほぼ3人、いや、2人と言っていいでしょう。魅せますねぇ。
16年前のある日、さゆりが遭難して死亡する。
以降もふたりはさゆりの慰霊の意味で毎年欠かさず雪山に登り続けている。
今年も変わらず登りにきたが、吹雪の中でジヨンが負傷し、動けなくなる。
死を覚悟したジヨンは浅井に自分がさゆりの首を絞めて殺したのだと告白。
ところがその直後、開けた視界の中に山小屋を発見。
浅井がジヨンに肩を貸してそこに到着。なんとか死なずに済みそうだ。
しかし、死ぬはずだったからこその告白。
言わなければよかったと悔やんでいる様子のジヨンに、浅井は「聞かなかったことにする」と言うが、
そんなことにできるわけがないとジヨンが怒り出して……。
ホラーという触れ込みの『関心領域』よりもよっぽどホラーです(笑)。
ヤン・イクチュンの鬼気迫る演技が怖いのなんのって。
普通に行けば生田斗真を応援したくなるところ、以下ネタバレです。
ジヨンが怒るのも当然の、浅井がクズだと途中でわかる。
脚の怪我のせいで身動きを取りにくいジヨンと、高山病を発症したらしい浅井。
外は大雪で逃げ出すのは無理。いったいどうなるのかとドキドキします。
見せられているものすべてが実際に起きていることなのか、浅井の妄想なのかがわからないから、余計にドキドキ。
山下監督、明るくてあったかい作品を撮るのと、こんな陰鬱な作品を撮るのとどちらがお好きですか。
今後もどちらも撮ってほしい。
ジヨンの「やっと息ができる」という台詞は、ヤン・イクチュンの初監督作にして大きな話題となった、
『息もできない』(2008)に掛けて遊んでいるのだと思われます。粋だなぁ。