夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『ソワレ』

2020年09月26日 | 映画(さ行)
『ソワレ』
監督:外山文治
出演:村上虹郎,芋生悠,岡部たかし,康すおん,塚原大助,
   花王おさむ,田川可奈美,江口のりこ,石橋けい,山本浩司他
 
TOHOシネマズなんばにて4本ハシゴの1本目。
 
2018年9月に設立された映像プロダクション“新世界合同会社”。
設立メンバーは、俳優の豊原功補小泉今日子森岡龍と、
フリーのPR&コーディネーターの水野優子、そして本作の監督である外山文治。
同社の記念すべき初プロデュース作品がこうして公開されました。
 
正直言って、鑑賞にあまり乗り気ではありませんでした。
予告編から受けた印象は超暗そう。
暗い作品は嫌いどころかむしろ好きですが、村上虹郎が得意じゃない。
村上淳とUAの息子だから応援してはいるのです。
しかし濃いめの顔なのかなぁ、演技なのかなぁ、なんか苦手。
私の中でのイメージとしてはかつての柳楽優弥
柳楽くんのこともずいぶん長いあいだ苦手だったけど、
いい役者だと思うようになるにつれて顔も苦手じゃなくなったから、
虹郎くんも見ているうちに苦手じゃなくなるかもしれません。
で、意を決して(←大げさ(^^;)観に行ったわけです。
 
俳優志望の翔太(村上虹郎)は和歌山から上京したものの鳴かず飛ばず。
日銭を稼ぐためにオレオレ詐欺の受け子をしている。
 
あるとき、仲間と共に和歌山の老人介護施設で演劇を教えることに。
そこには高校を中退してから勤めているという女性タカラ(芋生悠)がいた。
夏祭りの日、翔太らは職員の中でも年齢の近いタカラを誘う。
浴衣に着替えに一旦自室に戻ったタカラを翔太が呼びに行くと……。
 
想像通りの暗さ。以下、ネタバレバレです。
 
タカラは実父から性的虐待を受けていました。
そのせいで服役していた父親が出所してタカラに会いに来ます。
家族でやり直したいという父親を受け入れられるはずもなく、
恐怖に震え上がっていると、またしても父親に襲いかかられる。
そこへちょうどやってきた翔太と父親が揉み合いになり、
タカラは父親の腹にハサミを突き立てます。
自首するというタカラを翔太が引き止め、ふたりの逃亡生活が始まります。
 
こんな父親は絶対に許せない。
頼れるのは母親だけでしょうに、母親もタカラを救おうとはしない。
映画の中だけでなく、実際にこういう親がいることが悲しすぎる。
 
一方の翔太も正義感に駆られてかタカラを救いますが、
彼の日常も褒められたものではない。
逃亡生活中も、善意で泊めてくれた夫婦の金を盗もうとする。
何もかも上手く行かなくて、タカラのせいで人生を潰されたと怒るけど、
潰すも何も、彼のこれまでの人生はちゃらんぽらん。
 
絶望しかないと思える展開でしたが、最後には涙。
ハッピーエンドじゃありません。
でも、「意味のあることしか起こらんのやね」。
 
芋生悠ちゃんの脱ぎっぷりの良さにビビったことも付け加えます(笑)。
キョンキョンが女優人生の中で脱がずに来たのに、
キョンキョンプロデュースの映画で悠ちゃん脱ぐんや!今後も楽しみな女優。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『海の上のピアニスト』【4K... | トップ | 『オフィシャル・シークレット』 »

映画(さ行)」カテゴリの最新記事