ヴェルソワ便り

スイスはジュネーヴのはずれヴェルソワ発、みんみん一家のつづる手紙。

ちょっと寄り道 ジゴンダス

2009-06-28 23:01:46 | ワイン(M氏より)
今回の南仏旅行は、「子供に世界遺産を見せることが目的だから、ワインの造り手訪問はなし」という”お約束”だったが、ファーブルの家からローヌ地方赤ワインで有名なジゴンダスの村が近いことが判明したので、”ついで”に行くことができた。
大好きなワインにもかかわらず、私はまだ一度もジゴンダスの村を訪問したことがなかったのだ。


ファーブルの家から車で20分くらいで村に着いた。南仏の田舎らしい、こじんまりとした綺麗な村だ。観光客がバスやマイカーでどんどん乗り込んできていたのに少々驚いた。


村の中心にあるレストランでは、天気が良いせいもあってみんなテラスで食事をしていて、気持ちよさそうだったので、我が家も予約なしだけど食べられるか聞いてみたら、なんとか席を確保してくれた。



ここのレストランはソムリエがしっかりしているようで、皿毎にグラスワインをサーブするシステムも選べるようになっている。ワインリストを見ると「神の雫」に載ったChateau de Saint cosmeはリストに載っているが、私のお気に入りのDomaine des Espiersがない。私はジゴンダス村のソムリエがどのジゴンダスの造り手を勧めてくれるかに興味があったので、ワインの選択をソムリエに相談することにした。

店のソムリエが一押ししてくれたのがジゴンダスの大ネゴシアンGabriel Meffre社のDomaine Longue Toque 2003。この会社は確かブドウ栽培家から葡萄を買ってワイン造りをしていると記憶しているが、このドメーヌ名を冠したワインは、自分のところで畑から醸造まですべて手がけている入魂ワインらしい。結構大きな造り手だが、あまり良い評判が聞こえてこなかったので、実際に飲んだことがなかった。
半信半疑ではあったが、ここはソムリエのお勧めに従うことにしよう。


このワイン、香りが控えめで、タンニンが思いのほか上品で奥深さが感じられる、確かに素晴らしいワインだ。2003年は猛暑の年で、ソムリエによれば南ローヌの2003年は長持ちはしないが、出来はとても良いらしい。

私にとって、ジゴンダスの一般的な印象は、黒いフルーツと甘草などのハーブの香りが豊かで、味はタンニンが強く、かつ黒果実のフルーティさが際立っていて、値段の割りにレベルの高いワインを産出するというイメージなのだ。



ちなみにレストランのほうも値段は良心的なうえ、味はかなりの高レベル。

メインの、子羊とワイルドライスのリゾット


デザートの、黒オリーヴのフラン


いくらするのわからないが、できれば数本購入したいと思い、ソムリエにどこで購入できるのか聞くと、造り手に行けば買えるはずだという。

もしかしたら急転直下、造り手訪問が実現するかも、と大きな期待に胸を膨らませてこの造り手の会社に行ってみたが、あいにく閉まっていた。残念...。

かくして、今回の南仏旅行は、当初の予定通り、造り手訪問は実現しないまま、幕を閉じたのであった。(M)

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