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超犀門的日常身辺雑事控

from Musashino
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あらいぐま作戦

2013-04-18 | 備忘録

ブログに掲載するのをずっと躊躇っていた、2011年8月27日の話です。

この年の3月11日に発生した東日本大震災は、想像を遥かに越える甚大な被害をもたらしました。

東京からも多くの方々が現地でのボランティア活動に参加し、瓦礫の処理などに汗を流しましたが、それが出来なかった自分にも、微力ながら携わる事が出来るボランティアをtwitterで発見しました。

題して「あらいぐま作戦」。

家屋の倒壊や火災、そして押し寄せた津波によって無残な状態になってしまった写真の洗浄を行い、一枚でも多く持ち主に返そう!を主旨としたプロジェクトです。


アジト

薄曇りだったけれど蒸し暑さの残る朝に急いで向かったのは、武蔵野市某所にある古びたアパート。

このアジトに30人程が終結し、手際の良いリーダーによって仕事の分担が決められ、自分は午前中に洗浄班、午後に汚れ落とし班に配属された。

この日に対応したのは宮城県の女川町から送られて来た数十冊のアルバム。

そして、簡単な説明を受けての作業開始。

午前中の洗浄作業は、気が張っていた為に写真を撮る余裕が全くなかった。

そして、午後に突入。


酷い状態

各自に渡されるアルバム単位の写真は、このように汚れて固まった泥水がビッシリとこびり付いています。

ハサミにカッター、ピンセットやブラシを駆使して、一枚一枚をアルバムから剥がしたり抜き出して、大まかに汚れを落とすのですが、そう簡単にはいきません。

下手に強く擦ったりすると、肝心な画像まで消え落ちてしまいます。

中には当然のように笑顔が溢れる家族の写真や、幸せ感満載の結婚式の写真も。

はたまた、見るからに時代を感じる古い写真なども含まれます。

どんなに小さな一枚にも、大変貴重な思いが写り込んでいる事を考えると、自然と丁寧に慎重に扱わざるを得ないのです。

汚れを一枚一枚剥ぎ取る度に別の感情も込み上げてきたけれど、それは触れずにおきましょう。


作業風景

乾いた泥が落とされて細かく舞い上がるので、マスクも欠かせない。

隣の青年は連日参加している常連らしく、素早く丁寧に手を動かしていた。素晴らしい。


乾燥

汚れが落とされた写真達は室内にて洗浄され、ヒーターで軽く乾かした後に外に吊して自然乾燥。


完了

そして、夕方に作業が終わる頃には真新しいアルバムに納められ、発送の日を待つ体制に。


お疲れ様

最後に全員で記念撮影。

☆☆☆☆☆

1日だけの体験だったが、初めてこのようなボラに参加出来た事で、小さいながらも被災地と繋がった実感があったのが収穫でした。

このボラの他にも、所属している草野球団体の仲間である北日本リーグの選手や家族の為に生活必要物資をトラックで輸送する作戦や、当面の生活の足しにして貰う為に基金を立ち上げたりした事を追記しておきましょう。

このプロジェクト【We are the Ukidama】については…きっと記事にする事はないだろな。


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