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超犀門的日常身辺雑事控

from Musashino
since December 8, 2009

熊楠 → 守一(後編)

2018-01-31 | お気に入り
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さて、後編です。

上野から地下鉄に乗り…


…竹橋へ移動しました。

目の前は内堀通り。

そして、


東京国立近代美術館へ。



この日の催し。



熊谷守一 没後40年 《生きるよろこび》。




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観て回ること約1時間。

200点を越える作品。

いやはや、圧巻でした。


初期の『光と闇』をモチーフにした仄暗い作品から、裸婦、風景画、デッサン、動物。

愛する子供が亡くなった枕元で描いた衝撃的な1枚、火葬を終えた帰り途…。

…そして、終盤は熊谷守一の真骨頂である『輪郭』を多用した魅力的な作品の数々…。


こんなにも多くの熊谷作品を一同に観られる機会は中々ないでしょう。

いやぁ、大満足でした。

写真撮影は厳禁なので、ここに載せられないのが残念。

興味があれば、是非とも検索を!。




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あっ、5月には映画『モリのいる場所』が公開されるそうです。

『30年もの間、家の外へ出ることなく、ひたすら庭に生きるたくさんの虫や猫や草木などを見つめ、描き続けた画家 熊谷守一 のエピソードをもとに、現在の日本映画を牽引する 沖田修一監督 が、どこか懐かしく暖かなオリジナルストーリーを紡ぎました』…リーフレットより抜粋…


守一役は 山崎努、その妻 秀子 は 樹木希林。

これは是非とも観に行きたい。




購入したポストカードは『地蜘蛛』。

以前に豊島区立 熊谷守一美術館を訪れた時に買った物と合わせて宝物に。




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最後に…

時流にも無頓着、まるで少年のように自分のやりたいことだけに夢中になり 仙人 とまで呼ばれた画家の言葉を…

「行きていたいと思いますね。私ってしみったれですから、幾つになっても命は惜しいです。命が惜しくなかったら見事だけれど、残念だが惜しい…。」



南方熊楠

2018-01-31 | 気になる人
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今回の『展示会はしご旅』の後編を書く前に 南方熊楠 との出会いを書き留めておこう。




そう、それはかれこれ28年も前のこと。

L.A.駐在が決まり、赴任する直前に現地にいる同僚から「南方熊楠の本を買って来て!」とリクエストされた。

南方熊楠?。

まず、名前が読めないよなw。

一体、誰だよ⁈。

当時はインターネットなどなかったので、自力で調べるしかない。

幸いにも『情報』を扱う仕事に従事していたので、そこは何とかなった。

なるほど、「ミナカタクマグス」か…。


【資料画像】こんな人です。




仕事を終えて新宿紀伊国屋へ走る。

正式なタイトルは失念してしまったけど、頼まれたその文庫本を無事に入手し、機内持ち込み荷物のバッグに入れて日本を発った。




L.A.までは長いフライトである。

当然のように時間の潰し方に悩む。

そんな時、他にする事もないのでバッグからその本を取り出して何気にパラパラと読み出してみると…




いやはや、とんでもない人だ。

こんな計り知れない頭脳を持った人がいて、自分はその存在すら知らなかったなんて。

(いやいや、彼に限らず、知らない人の方が圧倒的に多いのが事実ではありますがねw。)




LAX に出迎えに来てくれた彼に真っ先にその本を渡した。

そして、機内で如何に興奮したかを PCH を南下する車の中で語ったのだった。

聞いてる彼は何とも涼しい顔。

さすがの慶応ボーイだ…。




…あれから幾霜月。

その後も事あるごとに 南方熊楠 は気になる存在であり、図書館で関連書籍を何冊か読んだ。

『智の巨人』に対する興味は益々募るばかりなり。


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今回の科博での展示会は極々小さなスペースでの開催だったが、そこには見事な『熊楠ワールド』が展開されていた。

恐るべし、熊楠。






そうそう、晩年を過ごした和歌山県白浜町には 南方熊楠記念館 南方熊楠顕彰館 などがある。



死ぬまでに一度は訪れてみたい。