井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

後方羊蹄山(1,898m)

2008-05-19 20:59:04 | 後方羊蹄山・ニセコ・積丹山系・道南の山
5月17日(土曜日)、後方羊蹄山へ登に行きました。

今日は一人で登ります。

羊蹄山に登るのは、実に37~38年振りです。
その当時、私は麓の町倶知安町に住んでいました。
街からは目の前にこの羊蹄山がいつも見えていました。

夏のある日、仕事が終わった土曜日の昼から隣町のニセコ町へ行く
バスに乗って登山口へ向かいました。
国道の登山口でバスを降り、半月湖へ向かいます。
半月湖の脇にある比羅夫コースの登山口から登りました。

この当時の登山口は、比羅夫と真狩コースの2コースしか
なかったと思います。
今は、京極に喜茂別の2コースが加わり、4コースとなっています。

昼日中の強い日差しの中を登ったのですが、森林限界を超えると
太陽をまともに受け、遮るもののないザラ場の登山道を
暑さでバテバテになりながら登りました。

やっと着いた山小屋の中で1夜を明かしたのですが、
寒さのため何度も目を覚ましよく眠れなかった記憶があります。

昼から登ったのは、ご来光を見るためだったのですが、
翌朝は残念ながらガスの中で、まったく視界がありません。
そこで、朝食もそこそこに下山したと言う悲しい思い出があります。


朝4時に札幌を出発して、真狩の登山口へ向かいます。
残雪の状態が分からなかったので、一応ピッケルとアイゼンを
持って行きました。

途中、中山峠から羊蹄山が見えます。
おっと、雪がほとんどありません。
沢に残っている雪が縦縞になっているだけで、
山頂部は真っ黒です。

この時期でこれしか雪が残っていないのですから、
ほとんど夏山と同じですね。

ピッケルとアイゼンは車の中においていくことにしました。

真狩口から6時に登り出します。
登山口にある入林届のポストを開きノートに記入しますが
今日はまだ誰も登っていないようです。

天気は快晴、今日の気温は20度近く上がる予報です。
暑くなってくるのでしょう。
ウグイスの「ホー、ホケキョ」の鳴き声があちらこちらから
聞こえてきます。
その声を聞きながら雑木林の中をドンドン歩いていきます。

1合目、2号半、などの標識が整備されています。
登山道も落ち葉で覆われ、快適な道です。
1時間ほど歩くと標高差で5百メートルほど上がってしまいます。

3時間で避難小屋と山頂への分岐点となる9合目に着きます。
避難小屋の手前にやっと大きな残雪があります。
ここから上は、お釜の縁まで雪が残っているようです。

残雪をよく見ると、一番上にうっすらと新しい雪が
残っています。
どうやら数日前に少し雪が降ったようです。

堅い雪にキックステップを刻みお釜の縁にたどり着きました。
お釜の縁からはカルデラの中がよく見えます。
北側の斜面にはそこまでびっしりと雪が残っていますが、
反対側となる山頂川の斜面には少ししか雪が残っていません。
北側に沢山の雪が残るのは、吹き溜まりとなって多量の雪が
降ったからでしょう。

ここから左回りで山頂を目指します。

しばらく歩くと累々と積み重なった岩の上に山頂が見えます。
真狩口から山頂を目指す場合、右回りの方がコースとしては
簡単のようです。
左回りですと、このような岩を越えていかなければなりません。
私は、あえて左回りを選びました。
それは、岩場を歩くために練習になると思ったからです。

左手にはニセコの山々が見えています。
ニセコアンヌプリの雪も山頂からスキーが乗れるほどは残っていません。
スキー場のコースは緑の山肌の中に土色となっているのですぐにわかります。


この雪の量を見ても、例年と比較して多いのか少ないのか
私には判断できません。
というのは、羊蹄山の山頂を見たのはこれが初めてだからです。

山頂には10時に着きました。
山頂には誰もいません。
お釜の周囲を見渡しても人影は見あたりません。
今日の山頂は私の独り占めです。
ここで昼食を取ります。

山頂は吹き上がってくる風があるので、お釜の中の岩陰に
入ります。
テルモスのお湯でコーヒーを入れておにぎりを食べます。
天気がいいので気持ちのいい時間が過ごせます。
汗で濡れた背中を風が冷やしてくれます。
お釜の中を見ながらゆっくりとしていると
突然、お釜の中を小鳥が100~200羽ほど群れをなして
飛んできます。
何という鳥か分からないのですが、雀ほどの鳥が
真っ黒になって飛んでます。

汗が引いて身体が冷えたのか震えが来ましたので
下山することにします。
山頂からさらに左回りでお釜を1周することにします。

一等三角点を越えると、あとはザラザラとした砂礫で平坦な
道を歩きます。
比羅夫への分岐点に建物の基礎が残っています。
どうやらこれが、以前あった避難小屋のようです。
この小屋には2度ほど来たことがあるのですが、
この場所がお釜の縁にあることが確認できたのは初めてです。
いままでは、霧の中でお釜そのものを見たことがなかったからです。

この基礎を見ると随分大きな小屋だったのですね。
ここへ来たときにはそんな大きな小屋だとは思わなかったのですが、
人間の記憶とはいい加減なものですね。

ここから少し降ると真狩口への下山ルートです。
すぐ右手の下に今の避難小屋が見えます。

37~38年振りの羊蹄山、今日は晴天で迎えてくれました。
満ち足りた気持ちで山を下ります。

下山している途中でスキーを背負った若者が4人ほど上ってきます。
荷物の大きさから避難小屋に泊まりながらスキーを乗るつもりなのでしょう。
この元気はうらやましいですね。

今度は、以前、登った比羅夫コースから登りたいですね。

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