井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

川俣町の除染に行ってきた! その2

2015-01-22 20:57:18 | その他
 今回の川俣町除染で感じたことをいくつか紹介したいと思います。

 まず最初に感じたことが若い女性が除染作業に携わっていたことです。
年の頃30歳前後の女性が作業を行っていました。
作業といってもスコップなどを持って力仕事をするというのではなく、重機の誘導など身体を使わない軽い作業を行っています。
このことについては、60歳を超えた高齢者なども同じように体力を要する作業ではなく軽作業に従事していたのですから同じことです。
放射線量が年を追うごとに低くなっていることから女性も働けるということでしょう。

 次に、外国人も働いていました。
白人男性でニュージーランド国籍の外人でした。
彼は奥さんが日本人で結婚して20年ほど経過しているとのことでした。
そんなことから日本語はペラヘラでしたので意思の疎通は問題ありません。
大きな体を丸くして木の根を掘り返していたのが印象的でした。

 川俣町の除染には約1,900人が従事していました。
総事業費は約200億円とのことです。
となりの飯舘村にも約2,000人が従事しており、こちらの事業費も200億円を少し超えているようでした。
この工事金額についてはいろいろな考えがあるところです。

 除染を行っても住んでいた住民が戻ってくるのか?
 いっそ汚染されている土地を買い取ったほうがいいのではないか?

などいろいろな意見があるところです。

 次の問題となるのが除染作業を行った場所の再汚染です。
実際に私が行った現場でも1か月後に再度放射線量を測定したところ基準値を超える放射線量を示した場所が30か所中6か所ほどありました。
この原因はいろいろ考えられるのだと思いますが、川俣町山木屋地区は住宅のほとんどが山林の中にあるからではないかと思われます。
住宅周りを除染しても風雨により周りの山林から汚染物質が風によって飛んでくるということだと思います。
山全体の除染を行わない限りこのような問題が発生するのだと思いますが、果たして山全体を除染するとしたら一体いくらのお金が掛かるのでしょうか?
費用対効果を考えたら無理な話だと思います。

 除染作業員の確保にも問題が生じているようです。
私がいた事務所は約90人ほど働いていましたが、目標は100人を超えることと言っていましたが、実人員で100人を超えることはありませんでした。
賃金は昨年より高くなっていますが、公共事業の増大、オリンピック関連工事の増大などもあり除染現場での作業員確保が難しくなっているように感じました。

 除染作業自体は、それほど体力的にきつい作業ではないと思います。
70歳までという年齢まで枠を広げていても作業員の確保がままならないのが現状のようです。
これだけ枠を広げると作業員の質にも問題が出てきます。
賃金が500円違うだけで新しい現場へ移動してしまう作業員が結構いるのです。
ちょっとした不満が原因となって気軽に他の現場へ移動する作業員も多いのです。

 私は2次の下請作業員として従事していましたが、この会社は雇用契約においても賃金の支払いにおいてもしっかりした会社でした。
しかし、同宿の作業員の中には、前の現場での賃金が未払いで労働基準局に未払い賃金の支払いを訴えているケースもありました。
雇用先となる会社も玉石混合なのが今の状態なのです。

 こんな中除染作業が行われています。