今年のGWも羅臼岳と斜里岳へ向かいます。
連続3年目の山々です。
今回の羅臼岳は知床峠から見ると正面に見える南西ルンゼを詰めて
山頂まで行こうという計画です。
ご存じのとおり知床峠は深い雪に覆われています。
さらに4月末でも雪が降るという大変な土地です。
今年の4月は寒い日が続き、案の定、4月下旬に雪が降ってしまいました。
5月1日にやっと知床峠が開通しました。
午前10時から午後3時30分までという時間制限があります。
この時間内に山頂へ登りゲートが閉じられる前に山を降りなければいけません。
したがって、機動性を持たせるためにスキーで挑戦することにしました。
5月1日の夕方札幌を発ちます。
今回は高速道路で丸瀬布町まで走り、ここから下道を佐呂間、端野、
網走を抜けて斜里町ウトロにある道の駅を目指します。
途中、丸瀬布町で休んだ他は走りに走り、何と11時前にウトロにある
道の駅に着いてしまいました。
6時間弱で走り抜いてしまいました。
今回は、スキーの名手S氏と二人での山行です。
S氏の車はワンボックスカーであり車中泊が出来ます。
今回はこの車のお世話になりながら2泊3日の山行となります。
2日の天気予報は、晴れるけれど風が強いという予報です。
明日の好天の祈りつつ、車の中で眠りにつきます。
2日の朝、目を覚まして外を見るといい天気です。
この天気に心が騒ぐのですが、10時に知床峠へ向かう横断道路の
ゲート開門は10時です。
まずはゆっくり朝食を取って準備します。
9時少し回ったところでゲート前へ向かいます。
ゲート前には、すでに車列が出来ています。
峠にある駐車場に止まることが出来るか心配になってきます。
峠の駐車場に止めるのに手間取ると登る時間が少なくなるからです。
10時、ゲートが開く車が一斉に峠へ向かって流れます。
少し登ると左手に羅臼岳が見えてきます。
山頂に笠雲をいただいていますが何とかなりそうです。
知床峠に着くと何とか駐車場に止めることが出来ました。
早速登山準備をしていると回りにも何組みかの人達がスキーを出したりして
登山準備をしています。
10時30分、いよいよ目の前に見える羅臼岳目指して歩きます。
知床峠から見る羅臼岳は左右対照的な姿をしており富士山のようです。
山頂から真っ直ぐに雪で真っ白な沢形が見えますが、これが南西ルンゼです。
知床峠から山頂までは約4キロの道のりです。
昨年は、岩尾別から夏道沿いに登り約6時間の行程でした。
さて、先行する3人組の後を追うようにスキーを滑らせます。
天気予報とおり時折強い西風が吹き付けてきます。
雪の状態は、クラストした古い雪の上に先週降った新雪が数センチ残った状態です。
古いザラメ状の雪の上に降った新雪が歩くにしたがってバシャーと辺り一面
鳴り響くような音を出しています。
どうやら、霜ザラメの層が歩いている刺激で崩れている音のようです。
歩いている場所はまだまだ平らなところですので雪崩の心配はありませんが
もし、南西ルンゼの中でこのような雪の状態であれば雪崩の心配があると思い
注意しながら高度を上げていきます。
30分ほど登って後ろを振り返ると知床峠の駐車場とその向こうに天頂山、
さらにその奥に知西別岳などが真っ白く輝いています。
南西ルンゼの入り口に近づくとだんだん傾斜が増してきます。
表面のクラストした斜面にスキーのエッジのかかり悪くなるのでスキーアイゼンを着けます。
南西ルンゼにはいると風が強くなってきます。
さらにその風がルンゼに中を舞い上がり上下左右いろいろな方向から吹いてきます。
クラストした斜面にジグを切りながらジリジリと高度を上げていきます。
雪の状態を見るとしっかりとクラストした斜面にところどころほんの少し新雪が残っているだけです。
この状態であれば雪崩の心配はないでしょう。
南西ルンゼを半分以上登ったところです。
巨大な雨樋の中を登っているような感じがします。
かなり高度も稼いだのでそろそろスキーをデポしようと思い、
その場所を探しながら登ります。
左右に岩が出てきたのでこの辺りでスキーをデポします。
上を見ると、山頂部へ続くヘリの部分が見えてきました。
この大きな岩の右手を目指して、ここからはピッケルとアイゼンで登ります。
約20分ほどで山頂部へ続く窪地に到達します。
ここからは山頂となる大きな岩が見えています。
ここからの斜面はところどころ凍った斜面となりアイゼンなしには登れません。
風は左手の斜面が防いでくれています。
山頂の手前にある岩陰で休みます。
ここから15分ほどで山頂へ到達しました。
しかし、山頂が吹き上がる風で吹き飛ばされそうです。
狭い岩の上が山頂です。
知床峠から約3時間で登りました。
山頂は雲の中で視界が5メートルほどです。
対風姿勢を取っていないと本当に吹き飛ばされそうですので
風の息を利用して直ぐに降りてしまいます。
南西ルンゼの最上部に戻ると目の下に素晴らしい景色が広がっています。
この斜面をスキーで下るのかと思うと楽しさより恐ろしさが
先に浮かんできます。
スキーをデポした地点まで、アッという間に下ります。
私達よりしたにスキーをデポした人達が下っていきます。
さあ、ここから南西ルンゼを大滑走です。
最初の一回りをするまで恐ろしさが先に立っていましたが、
1回目の回転をすると思いの外スピードが出ないので心に平静が戻ってきます。
そこからは楽しい世界が待っていました。
あれほど苦しい思いをして登った南西ルンゼですが、スキーで滑るとアッという間に下れます。
ただし、雪の状態は下に行くほど最悪です。
それは、先週降った新雪に入るとスキーがまったく滑らなくなるのです。
マルでブレーキを掛けられたようになるので、必死にバランスを取って滑ります。
南西ルンゼを滑っているとヘリコプタがだ飛んできて、私達の頭上でホバリングをしています。
どうやらテレビ局の取材ヘリのようです。
私達が南西ルンゼを滑っているところを写しているのでしょうか?
ルンゼを通り抜け、カンバの疎林を滑り辺りが平らになってくると知床峠が間近に見えます。
そろそろ、私達の南西ルンゼを滑った山行も終わりに近づいたのです。
山頂から1時間で知床峠へ帰って来ました。
時計を見ると2時30分です。
峠のゲート閉門時間1時間前です。
スキーを車の中へしまい、最後に今滑ってきた南西ルンゼを見上げて今日の登山は終わりです。
さあ、ここからは次の目標である斜里岳へ向かいます。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
実は、昨年のGWもこの羅臼岳に登っています。
昨年は岩尾別温泉から夏道を登りました。
この昨年のことについては、後日、あらためて書こうと思っています。
今回は、知床峠にいられる時間が5時間30分ということで
スキーを使っての登山となりました。
今年から本格的に始めた山スキーの最終を飾るにふさわしい山でした。
連続3年目の山々です。
今回の羅臼岳は知床峠から見ると正面に見える南西ルンゼを詰めて
山頂まで行こうという計画です。
ご存じのとおり知床峠は深い雪に覆われています。
さらに4月末でも雪が降るという大変な土地です。
今年の4月は寒い日が続き、案の定、4月下旬に雪が降ってしまいました。
5月1日にやっと知床峠が開通しました。
午前10時から午後3時30分までという時間制限があります。
この時間内に山頂へ登りゲートが閉じられる前に山を降りなければいけません。
したがって、機動性を持たせるためにスキーで挑戦することにしました。
5月1日の夕方札幌を発ちます。
今回は高速道路で丸瀬布町まで走り、ここから下道を佐呂間、端野、
網走を抜けて斜里町ウトロにある道の駅を目指します。
途中、丸瀬布町で休んだ他は走りに走り、何と11時前にウトロにある
道の駅に着いてしまいました。
6時間弱で走り抜いてしまいました。
今回は、スキーの名手S氏と二人での山行です。
S氏の車はワンボックスカーであり車中泊が出来ます。
今回はこの車のお世話になりながら2泊3日の山行となります。
2日の天気予報は、晴れるけれど風が強いという予報です。
明日の好天の祈りつつ、車の中で眠りにつきます。
2日の朝、目を覚まして外を見るといい天気です。
この天気に心が騒ぐのですが、10時に知床峠へ向かう横断道路の
ゲート開門は10時です。
まずはゆっくり朝食を取って準備します。
9時少し回ったところでゲート前へ向かいます。
ゲート前には、すでに車列が出来ています。
峠にある駐車場に止まることが出来るか心配になってきます。
峠の駐車場に止めるのに手間取ると登る時間が少なくなるからです。
10時、ゲートが開く車が一斉に峠へ向かって流れます。
少し登ると左手に羅臼岳が見えてきます。
山頂に笠雲をいただいていますが何とかなりそうです。
知床峠に着くと何とか駐車場に止めることが出来ました。
早速登山準備をしていると回りにも何組みかの人達がスキーを出したりして
登山準備をしています。
10時30分、いよいよ目の前に見える羅臼岳目指して歩きます。
知床峠から見る羅臼岳は左右対照的な姿をしており富士山のようです。
山頂から真っ直ぐに雪で真っ白な沢形が見えますが、これが南西ルンゼです。
知床峠から山頂までは約4キロの道のりです。
昨年は、岩尾別から夏道沿いに登り約6時間の行程でした。
さて、先行する3人組の後を追うようにスキーを滑らせます。
天気予報とおり時折強い西風が吹き付けてきます。
雪の状態は、クラストした古い雪の上に先週降った新雪が数センチ残った状態です。
古いザラメ状の雪の上に降った新雪が歩くにしたがってバシャーと辺り一面
鳴り響くような音を出しています。
どうやら、霜ザラメの層が歩いている刺激で崩れている音のようです。
歩いている場所はまだまだ平らなところですので雪崩の心配はありませんが
もし、南西ルンゼの中でこのような雪の状態であれば雪崩の心配があると思い
注意しながら高度を上げていきます。
30分ほど登って後ろを振り返ると知床峠の駐車場とその向こうに天頂山、
さらにその奥に知西別岳などが真っ白く輝いています。
南西ルンゼの入り口に近づくとだんだん傾斜が増してきます。
表面のクラストした斜面にスキーのエッジのかかり悪くなるのでスキーアイゼンを着けます。
南西ルンゼにはいると風が強くなってきます。
さらにその風がルンゼに中を舞い上がり上下左右いろいろな方向から吹いてきます。
クラストした斜面にジグを切りながらジリジリと高度を上げていきます。
雪の状態を見るとしっかりとクラストした斜面にところどころほんの少し新雪が残っているだけです。
この状態であれば雪崩の心配はないでしょう。
南西ルンゼを半分以上登ったところです。
巨大な雨樋の中を登っているような感じがします。
かなり高度も稼いだのでそろそろスキーをデポしようと思い、
その場所を探しながら登ります。
左右に岩が出てきたのでこの辺りでスキーをデポします。
上を見ると、山頂部へ続くヘリの部分が見えてきました。
この大きな岩の右手を目指して、ここからはピッケルとアイゼンで登ります。
約20分ほどで山頂部へ続く窪地に到達します。
ここからは山頂となる大きな岩が見えています。
ここからの斜面はところどころ凍った斜面となりアイゼンなしには登れません。
風は左手の斜面が防いでくれています。
山頂の手前にある岩陰で休みます。
ここから15分ほどで山頂へ到達しました。
しかし、山頂が吹き上がる風で吹き飛ばされそうです。
狭い岩の上が山頂です。
知床峠から約3時間で登りました。
山頂は雲の中で視界が5メートルほどです。
対風姿勢を取っていないと本当に吹き飛ばされそうですので
風の息を利用して直ぐに降りてしまいます。
南西ルンゼの最上部に戻ると目の下に素晴らしい景色が広がっています。
この斜面をスキーで下るのかと思うと楽しさより恐ろしさが
先に浮かんできます。
スキーをデポした地点まで、アッという間に下ります。
私達よりしたにスキーをデポした人達が下っていきます。
さあ、ここから南西ルンゼを大滑走です。
最初の一回りをするまで恐ろしさが先に立っていましたが、
1回目の回転をすると思いの外スピードが出ないので心に平静が戻ってきます。
そこからは楽しい世界が待っていました。
あれほど苦しい思いをして登った南西ルンゼですが、スキーで滑るとアッという間に下れます。
ただし、雪の状態は下に行くほど最悪です。
それは、先週降った新雪に入るとスキーがまったく滑らなくなるのです。
マルでブレーキを掛けられたようになるので、必死にバランスを取って滑ります。
南西ルンゼを滑っているとヘリコプタがだ飛んできて、私達の頭上でホバリングをしています。
どうやらテレビ局の取材ヘリのようです。
私達が南西ルンゼを滑っているところを写しているのでしょうか?
ルンゼを通り抜け、カンバの疎林を滑り辺りが平らになってくると知床峠が間近に見えます。
そろそろ、私達の南西ルンゼを滑った山行も終わりに近づいたのです。
山頂から1時間で知床峠へ帰って来ました。
時計を見ると2時30分です。
峠のゲート閉門時間1時間前です。
スキーを車の中へしまい、最後に今滑ってきた南西ルンゼを見上げて今日の登山は終わりです。
さあ、ここからは次の目標である斜里岳へ向かいます。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
実は、昨年のGWもこの羅臼岳に登っています。
昨年は岩尾別温泉から夏道を登りました。
この昨年のことについては、後日、あらためて書こうと思っています。
今回は、知床峠にいられる時間が5時間30分ということで
スキーを使っての登山となりました。
今年から本格的に始めた山スキーの最終を飾るにふさわしい山でした。