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井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

天塩岳 ・ 10’4月

2010-04-16 19:43:59 | ニペソツ山・中央山系の山
 天塩岳には夏道を二回ほど登っていますが、冬に来たことはありません。
そこで、粉雪を求めて道北の山、天塩岳へ行ってみることにしました。

 今週初めは春の低気圧により道内は大荒れの天気でした。
やっと木曜日の未明には低気圧が道内から離れ、天気が回復しつつあります。

 4月16日(金曜日)いつも一緒に行くS氏と二人で天塩岳へ行ってみることにしました。
この山に冬に登るのは二人とも初めてです。
冬のコースをどう取ればいいのか経験者からのアドバイスを受けてのスキー登山となりました。

 札幌を早朝に出発して日帰りの予定です。
天気予報をチェックしている段階では、天候は晴れ時々曇りでまあまあなのですが
風の予測があまりよくありません。
千メートル付近からは10mを超える風の予測なのです。

 さて、金曜日の朝は3時過ぎに札幌を発ちます。
高速道路をひた走り、上川町にある浮島で降ります。
ここから一般道を滝上町へ向かって走るとほどなく浮島トンネルがあります。
このトンネルを抜けると間もなく登山口となります。

 登山口となる林道の入り口は雪の山です。
道路に車を止めるために路側帯の除雪をします。
車1台分を除雪してそこへ駐車します。

 7:00分、それまで曇っていた空がパーッと晴れてきます。
時折吹く風の中、準備が整ったので出発します。
まずは、林道を2キロほど歩かなければなりません。

 林道は足首が埋まるくらいの粉雪が積もっています。
初めての道ですので回りに注意を払いながら歩きます。
7~8分歩くと登山口の標識が見えてきます。
この標識を見ながら左折します。

 右手に沢を見ながら歩いていくと沢にぶつかります。
林道は対岸に続いているのですが、スノーブリッジの一部が川の流れに押し流されたのか
欠落しています。
     
     上流に渡れるところはないか調べたのですが見つかりません。

 よく見ると川底はコンクリートで作られ橋があるのではなくて川の中を直接車が通るように作られているようです。
川下側をよく見ると深さは3センチほどのようです。
そこでスキーを担いで川を渡ることにします。
おそるおそる川の中にはいるとスキー靴の中に水は入ってきません。
爪先立ちになりながら川を渡ることが出来ました。
ホット一息ついてまたスキーを履きます。
こんな時期にスキー靴で渡渉するとは思いませんでした。 

 林道を詰めていくと一ノ沢と二ノ沢の出合いに着きます。
ここには入林届用のポストがありました。
ここまで1時間15分ほどかかっています。

 さあ、ここから沢を渡り前方の尾根に取り付きます。
標高差5百メートルほどの急な尾根です。
沢に降りるとすぐにスノーブリッジを見つけることが出来ました。
急な斜面を登り出しますが、私達はこのコースは初めてですので慎重にコースを選び登ります。
林の中の雪はフカフカの粉雪です。
帰りの滑走を楽しみに辛いバイトが続きます。

 10:00分、やっとこの斜面を登り終え1200メートルの平らな尾根に上がることが出来ました。
目の前には左側に続く尾根に大きな雪庇が出来ています。
     
     やっと天塩岳の山頂が姿を見せてくれました。

 強い風が左手西側から吹いてきます。
遮るもののない平坦な尾根状ですので、ジャケットを着て歩きます。
山頂部にかかっている雲が猛烈な勢いで流れています。
でも、青空がドンドン広がっているので、広い尾根を快調に歩きます。

 山頂から南北に繋がる稜線に突き当たる尾根を見ると右側に大きな雪庇が出来ています。
     
     標高1250mほどに進むとそろそろ森林限界が近くなってきます。

 平坦な尾根が終わり、ここから山頂に続く稜線を目指して登ります。
ここからが問題でした。
右手には雪庇があるので岳樺が生えている辺りを歩くのですが表面が固くクラストしています。
ここからスキーアイゼンを付けます。

 しかし、標高が上がるにしたがってクラストというよりは氷化した斜面となってきます。
おまけに風が強くなってきて、バランスを取るのが大変です。
スキーアイゼンの歯を一歩一歩雪面に食い込ませ登っていきます。

 やっとの思いでこの尾根を登りきり1400mの台地に出ます。
11:20分、ここまで来ると山頂は目の前です。
     
     ここまで来ると山頂まで1時間ほどでしょうか。

 ここで、進むか退却するか二人で話し合いました。
その結果、この風の強さは山頂へ向かえばさらに強くなってくると思われるので潔く退却することにします。

 氷化した斜面をスキーで下るのは危険です。
ここからはアイゼンを着けて下ることにします。
スキーをザックに縛り付けストックでバランスを取りながらアイゼンの歯を斜面に食い込ませて慎重に降ります。

 風が強く吹くと身体が押されバランスを崩しそうになります。
それを両手に持ったストックと体の向きを風に対して微妙に変えながら慎重に降ります。
平坦な尾根にたどり着くと心なしか風が弱まったような気がしてホッとしました。

 ここからスキーでも良いのですが、登る斜面もありますのでもうすこし先までアイゼンで歩きます。
1236mのポコまで来たのでここで休憩します。
後ろを振り返ると青空の中に天塩岳の山頂が見えています。
この姿を見ると直ぐにでも行けそうなのですが、風は相変わらず強いようです。
      
      う~ん!残念!

 軽く昼食を取って、気持ちを入れ替えます。
何といっても、ここから出合いまでは粉雪の斜面が待っているのです。
1218mポコの北側を回り込むとここから標高差500mの斜面が続きます。

 見た目は急な斜面ですがタップリある粉雪ですので快適な回転が楽しめます。
スキーのエッジを利かせながら2回3回とターンをする度に粉雪が舞い上がります。
自分のスキーがとても上手くなったような気がします。
これは、雪質がいいからなので決して自分の腕が上がったわけではありません。

 何回か休みながら滑り降りると、あっけないほどの時間で出合いまで降りてしまいます。今日、最大の楽しみがこれで終わってしまいました。

 でも、良い一日を過ごすことが出来ました。

 残り少なくなったスキージーズンです。
さあ、この次はどこへ行きましょう?    

再度、武利岳(1,876m)へ

2008-09-02 07:24:08 | ニペソツ山・中央山系の山
当初の予定を変更して、もう一度武利岳へ行くことにしました。
朝6時過ぎに瀬戸瀬温泉を出ます。
朝霧なのかどんよりとした空模様です。
今日の天気は昨日よりいいはずなのですが、どうなりますか?

丸瀬布町を過ぎてから雲が薄くなり青空が顔を出してくれます。
舗装道路された道から砂利道へはいる頃には太陽が顔を出してくれます。
どうやら今日はいい天気が期待できます。

登山口に着くとすでに5~6台の車が止まっています。
さっそく準備をして7時10分、二度目の登山開始です。

昨日は林道を小さな流れとなっていた水もすっかり引いて
快適な登山道となっています。
意外と水はけがいい道です。

1合目までの林道を15分ほどで歩き終え、
ここから山頂まで3,850mは苅分道になります。
下草もそれほど濡れていないので快適に歩けます。

登山道はすぐに尾根筋へ上がります。
ここからはひたすら尾根の上を登っていきます。

30分ほど歩いたところで一休みします。
昨日降った雨のせいか空気がひんやりして気持ちがいいです。

気持ちよく雑木林の中を歩いていきます。
4合目を過ぎたあたりから急斜面が現れ鎖場が何カ所か
出てきます。

ヒョイと上の方を見るとすでに紅葉している木が見えてきます。
     
まだ8月なのに紅葉はちょっとはやいと思いますが、
しっかりと色づいています。

9時15分、6合目です。
この辺りから尾根が細く急になってきます。
ウラシマツツジがしっかりと深紅の葉に変身しています。
       
  どうやら今年の紅葉は足早のようです。

ハイ松が姿を現してくると、武利岳の核心部へ近づいてきた証拠です。
   
尾根の左手(南側)からはひっきりなしに雲が湧き上がり
上へ消えていきます。
右手はすっきりとした青空が広がり支湧別岳から平山が
よく見えています。

よく見ると尾根の上に岩が見えています。
   
この尾根が武利岳の特徴となっています。
   
こんな岩場が続いていますが、岩はしっかりとしていますし
ハイ松が近くにあるので手がかりは十分、
それほど難しい場所はありません。

快適に登っていくと山頂までの眺望が開けます。
    
一番奥の右手が山頂です。
痩せ尾根が続きますが、ここまで来るときつい登りもなく
ウラシマツツジの紅葉を楽しみながら歩きます。
コケモモも真っ赤な実を付けています。

10時30分、山頂です。
   
山頂には先行する2名の方が休んでいます。

  
目の前には大雪山がその姿を現してくれています。
右手の愛別岳から左手に目を移していくとトムラウシ山まで見えます。
でも、間近に見えるはずの武華岳が見えないのです。
谷間から湧き上がってくる雲が武華岳の姿を隠し続けています。

風もない山頂で昼食を取ります。
太陽が濡れた身体を暖めてくれます。
こんなにのんびりとした気持ちで過ごすことの出来る山頂は
久しぶりです。

武華岳から登ってきた単独の人が山頂へ来ました。
小脇に犬を抱えています。
武華岳からの登山道はコルの辺りで登山道が消えていると
聞いていましたが、手入れがされてそのようなことはないようです。
前武華から2時間半ほどでここまで来たと話してくれます。

40分ほど休んで、11時10分、山頂を後にします。

狭い岩場混じりの尾根を快適に降ります。
2度ほど休んだだけで13時50分登山口へ着きます。

今日はお天気に恵まれ、楽しい登山が堪能できました。

来週は北アルプスへ出掛けます。
本州の山は初めてです。
まずは、穂高岳から槍が岳の縦走をするつもりですが
西穂高岳から登るつもりです。

西穂高岳から奥穂高岳は厳しい岩場のルートとなっています。
このルートを登りきることが出来れば大きな自信が付くと
思っています。

厳しいルートではあるが落ち着いて登れば大丈夫!
天気と体調が鍵です。


武利岳(1,876m)

2008-08-31 22:07:41 | ニペソツ山・中央山系の山
8月はお盆やトマトジュース作りに時間を取られ、
なかなか山へ来ることが出来ませんでした。
やっと、8月最後の週末、30日の土曜日から31日の日曜日に
山へ来ることが出来ました。

当初の計画では、30日の土曜日に網走管内にある武利岳へ登り、
31日はその隣にある平山からニセイカウシュッペ山を登るつもりでした。

30日の早朝札幌を発ち、武利岳の登山口に着いたのは
8時40分でした。

この登山口には神社があり、まずは登山の安全をお祈りします。
       
丸太を組んだ鳥居の奥に小さな社があります。

この登山口には車が10台は楽に止まれる駐車場があります。

天気は曇りです。
曇りというよりは雲の中といった感じですが
降ってはいないので、とりあえず準備をして登ります。

急な林道を歩いていくと20分ほどで登山道になります。
この地点が1合目です。
ここから山頂まで、3,850mと書かれた標識があります。

登山道は下草も適度に刈り払われ歩きやすいので
ドンドン先を急ぎます。

2合目の標識を過ぎた当たりで雨が降ってきます。
強い降りとなってきたので雨具を着て様子を見ます。

15分ほど木の陰で雨宿りをしていたのですが
雨は本降りとなって、止む気配がありません。

やむなく、今日はここで引き返すことにしました。

登山道を雨水が流れていきます。
40分ほどで登山口へ戻ります。

さて、さて、今晩は丸瀬布町のいこいの森で
キャンプをする予定でしたが、この雨の中で
キャンプをする気にもなれず、温泉へいくことにしました。

そこで思い出したのが瀬戸瀬温泉です。
この温泉は、素泊まりの宿として先日の新聞で紹介されてました。
私が子供の頃、スキーに来たことのある懐かしい温泉です。
今晩の宿はこの温泉にすることにしました。
    
建物は古いのですが、お風呂はなかなか素敵です。
何といってもお湯がいいのです。
透明なお湯を身体にかけると肌がスベスベして
気持ちがいいのです。

宿代は3,500円(消費税別)で、素泊まりのみです。
自炊用の台所があるので、今晩食べるために用意してきた
食事をここで作ります。

部屋にはいるとまずは濡れたものを干して一息つきます。

あとは温泉に入ったり、テレビを見てダラダラと過ごします。

ニセイカウシュッペ山(1,879m)

2008-06-12 21:32:36 | ニペソツ山・中央山系の山
6月8日(日)、今日はニセイカウシュッペ山です。
天塩岳ヒュッテでの楽しい一夜が明けました。
鳥の声に目を覚ましたので時計を見ると3時半です。
もう少し明るくなったら起きようと思い寝袋の中でウトウトします。

回りがガタガタしてきたので4時に起きます。
空を見ると雲の合間に青空が顔を出しています。
今日は何とか天気が良くなってくれればいいのですが・・・

5時に天塩岳ヒュッテを立ち、一路、ニセイカウシュッペ山の
登山口を目指します。
愛別町のコンビニで昼食を買い、ここからは無料区間の高速に乗り
上川町を目指します。

上川町で高速を降りると真っ直ぐに国道へ繋がっています。
北見峠へ向かいながら登山口の入口を捜します。
高速道路の下を潜って少し行くと右手に高速道路建設業者の
事務所が見えてきます。
そこが登山口です。
気を付けてみるとニセイカウシュッペ山の登山口と書かれた標識があります。

国道から右折して砂利道を走ります。
2カ所ほどゲートがありましたが、どれもゲートの鎖が
はずされています。
私達は念のために上川の森林管理事務所へ電話して鍵の番号を聞いて
いたのですが、ゲートの鎖をよく見ると鍵は付いていません。
土日ははずしているのかもしれません。

林道をグングン登って6時45分、やっと登山口に着きます。
かなり標高がありそうです。

    
 6時50分、綺麗にカリ払われた広い登山道を登ります。
空はどんよりと曇り、すぐ上は雲の中となりこれから歩く尾根も
雲の中へ消えています。

この登山口から芽刈別第三支川の左岸となる弓なりになって
山頂へ続く尾根をひたすら歩かなければなりません。
しばらく歩くと残雪が現れてきます。

      
ここから尾根の北側を歩くのですが大槍までの半分くらいは
雪の上を歩くことになります。

その中でも数カ所は沢の下まで続く急斜面にびっしりと堅い残雪があり
万が一滑落すると沢の下まで数百メートルは間違いなく
落ちてしまうところがあります。
堅い雪を身長にステップを切って進みます。

雲の中に入ってしまうと寒くなってきます。
8時20分、見晴台に着きますが雲の中ですので
まったく展望がありません。

寒さのため休むと身体が冷えてしまうのでほんの数分休むだけで
黙々と歩きます。
大槍のあたりで雪尻の後と思われる残雪を乗り越えると
いよいよ山頂が近くなってきます。

ハイ松が低くなってくると沢から吹き上がってくる風がまともに
当たる体温を奪っていきます。
ハイ松の陰にキバナシャクナゲが咲いています。

コースが北から西に向かって曲がると山頂は近いです。

9時35分、山頂に着きました。
冷たい風が吹きすさぶ、雲の中で何も見えない山頂です。
記念写真を撮り風を避けられるところまで下山することにします。

   
山頂での1枚ですが、昨日の天塩岳と同じ眺望ゼロです。

眺望が望めない山はつまらないので、さっそく下山します。
山頂下のハイ松の陰で風を避けながら昼食を取ります。
テルモスの熱いお湯はやっぱりいいですね。
熱いお湯がのどを通っていくだけで、ホッとします。

下山の途中で、やっと小槍が姿を現します。

     
昔は層雲峡から小槍、大槍を経て登るコースがあったと聞いています。
ちょうど写真に写っているスカイラインを登ったのでしょうか?
今は廃道となっているようです。

何度か休みながら11時50分、登山口へ戻ってきます。
これで今日の登山も終了です。
昼食は上川町でラーメンを食べることにします。
上川町は町内の飲食店がこぞってラーメンに力を入れている町なのです。
冷たい身体にはラーメンの熱いスープが似合います。
泥だらけの靴を整理して登山口から上川町へ向かいます。

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 高校生時代に山へ登っていたときにはニセイカウシュッペ山は
あこがれの山の一つでした。
それは、その当時、層雲峡から登るかさらに下へ下がった清川から
登るコースしかありませんでした。
いずれのコースも距離が長く途中で1泊しなければならない
難コースでした。
水場の無いのも難点でした。
ニセイカウシュッペ山の山頂に立ちたいと思っていたのですが、
その望みが叶った割には感動はありませんでした。

今のコースでは約2時間半ほどで山頂へ立つことが出来る上に
尾根をただひたすら歩くだけという単調な登山では
感動が薄くなっても仕方がないのかもしれません。

この次は、白滝の平山から登りたいと思います。
こちらからの方が難易度が高そうですので、
きっと楽しい山となるでしょう。
その時には、大雪山の山並みも見えるといいのですが・・・

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天塩岳 その2

2008-06-10 21:04:47 | ニペソツ山・中央山系の山
天塩岳の山頂は風が強く、とても寒いので
記念写真を撮るだけにして下山します。
新道を下ると避難小屋があるのでそこへ向かうことにします。

山頂からすぐ下に向かって伸びてる登山道があります。
これが新道だと思って下ります。
そうです、これが事件の発端です。

手の平大の小さな石や岩が累々と重なり浮き石だらけの
ガラ場の道を注意しながら下っていきます。
ハイ松を切ってあるジグザグの道を下っていくと
突然、雪渓に突き当たります。

その雪渓の急斜面を下りながら、フッとイヤな気持ちがしました。
地図で見ていた新道は緩い尾根状の斜面を下るはずです。
でも、今下っている雪渓の斜面は、グリセードが出来るほど急な斜面なのです。
百メートルほど下るとさらに斜面が急になり狭い沢状の地形になります。
明らかに地図を見て頭の中にある新道とは違います。

沢筋を詰めてくる旧道かと思いましたが、私が地図を読んだところでは、
もっと山頂の北側から降りるのだと思っています。
雪渓の上から下までよく見たのですが、登山道らしい道が見つかりません。
ここは、また山頂へ戻るのが一番確実です。

山頂は見通しが利かないガスの中でしたし、
おまけに冷たい風が強く吹いていたので地図をよく確認せずに
すぐ目にした登山道を下ったのが間違いのもとです。

旧道だと分かったのでこのまま下る手もあったのですが、
残雪がどんな状態で沢を埋めているか分かりません。
もし、沢の開き方によっては簡単に下ることが出来ないかもしれません。
ここは、山頂まで戻るのが最善の策です。

この道迷い?が事件でした。

すっかりお腹がすいたので、とりあえず軽くおにぎりを食べることにします。
テルモスのお湯を飲むと冷たい身体にしみ込んでいきます。
ガスで見通しの利かないの中、個々で判断を誤ると遭難の恐れがあります。
まずはお腹を満たして、地図をもう一度見直します。
やはり新道のある尾根とは違う沢の中へ入ってきています。

さあ、登り返しで山頂へ向かいます。
この4~5百メートルの登り返しはちょっと辛かったですね。
それでも、風に向かいながら13時40分、再びの山頂です。
山頂から南側の尾根を少し下ると登山道があります。
やはり、私達が下りかけた道は旧道のようです。

新道を少し下ると背の高いハイ松が風を防いでくれます。
25分ほど下ると避難小屋が見えてきます。
     
   
    この鋭角的な三角屋根を見たときには本当にホッとしました。

ここでゆっくりと休んで一息つきます。
今日は、寒さと風のためゆっくりと休めなかったので
この避難小屋のありがたさが身にしみました。

一息ついたので登山口にある天塩岳ヒュッテを目指して下ります。
丸山を過ぎて、笹藪が深くなってきた頃から
風が直接身体に当たらなくなったので
気持ちが落ち着きます。
ここからは雑木林の中を快適に下ります。

沢の音が聞こえてくると新道との分岐です。
少し暗くなった沢筋を下っていきます。
16時15分、登山口に戻ります。
駐車場には車が4~5台止まっています。
天塩岳ヒュッテの煙突から煙りが出ています。

天塩岳ヒュッテに入ると中は暖かく、冷え切った身体を暖気が包みます。
中には3グル-プ10人ほどに人がいます。
挨拶をして中へ入り、濡れたものを着替えてストーブの回りに干します。
自分達の場所を確保してやっと一息つきます。

さあ、楽しい山小屋の一夜が始まります。
まずはビールで乾杯です。



天塩岳(1,557m)

2008-06-09 21:11:06 | ニペソツ山・中央山系の山
6月7日(土)、まずは天塩岳へ向かいます。

札幌は曇り空、朝6時に立ちます。
順調に高速道路を走り、2時間ほどで愛別町に着きます。
ここで高速道路を降りて天塩岳の登山口へ向かいます。
愛別町から下川町へ向かう道路を走り、
8時50分、ようやく天塩岳の登山口に着きます。

天気は相変わらずの曇り空、ここにはキャンプ場富山小屋があり、
トイレと炊事場も整備されています。
車が1台もないので、私達の先に登っている人はいないようです。

     
       (写真は次の日の朝に撮りました。)

空を見るとすぐ上から雲です。
山頂は雲の中かもしれませんが、ひょっとして雲を抜けるかもしれないと
淡い期待を持って登ります。

登山道は天塩川の源流に向かって伸びています。
川沿いの道を何度か渡らなければなりませんが、
渡し板の簡易な橋が造られています。

    
  (流れの脇にはエゾリュウキンカの黄色い花が咲いています。)

エゾリュウキンカは通称ヤチブキといわれ食べても美味しいようです。
残念ながら私は食べたことはありません。
暗い沢の中に黄色い花が咲いているのですからとても目立っています。

30分くらい歩くと右岸の尾根へ登っていく新道との分岐点です。
     
このあたりの登山道はとてもよく整備されています。
左手の道を進みます。

さらに15分ほど歩くと沢筋を登っていく旧道と前天塩岳へ登る分岐です。
    
ここからは左手の前天塩岳へ向かうコースを選択します。
左に曲がり、尾根に取り付きます。
ここからは急な登山道を一気に登っていきます。

雲の中に突入しているので、雨ではないのですが
身体が濡れてきます。
気温もグンと低くなってきます。
雨具の上着だけ着て歩きます。

ハイ松の枝が見えるようになってくるとやっと前天塩岳への分岐です。
11時、登りだして2時間ほどで分岐ですが、風も強くなり
視界もほとんど無いので前天塩岳には登らずに天塩岳へ向かいます。

このあたりでハイ松の陰にはキバナシャクナゲが咲いています。
   
   シャナゲの花に霧が水滴となって付いています。

濡れた身体に風が当たるととても寒いので休む時間が
どうしても少なくなってしまいます。
20分ほど歩くと前天塩岳から降りてくる分岐点です。
ここからいったん降って登り返します。

前天塩岳と天塩岳を繋ぐ稜線には残雪が残っています。
時折強い風が吹いてきます。
天塩岳山頂の方から吹いてきますので、その風に向かって
登り返しの斜面を登ります。

視界がほとんど無い、強い風の中でやっと山頂です。

12時10分に天塩岳の山頂へ着きました。
    
        ごらんのような状態です。

この風の強い山頂ではゆっくり休むことも出来ないので
少し降って、風を避けて休むことにします。
帰りは新道へ降りることにしました。
その新道には避難小屋があるからです。
その小屋で昼食を取ることにして、風に追われるようにして山頂を降ります。
ここで事件が起こりました。