東電OL禁断の25時 | |
酒井 あゆみ | |
アドレナライズ |
今更ですが、amazonの電子本で「ぽちっ」としてしまいました。
この事件の事覚えていますか?
事件が起きたのは1997年3月そして、犯人として無期懲役判決を言い渡されていたネパール人の方が無罪だったと2012年11月に判決が下り、冤罪となった事件である。
この本は、被害者の東電OLの方と一時期同じホテトルで働いていた著者が彼女のことを知りたいと書いたノンフィクション作品。
この事件は、殺害のことよりも「エリート社員だった女性が、なぜ夜に体を売る仕事をしていたのか」が注目され、マスコミが騒いだ事件だった。
当時30歳の私。よく主人と話していた。
「裸で女性が首を絞められて死んだ理由はSMが過激になりすぎちゃったのよね」
この事件もその程度のことだと当時は思っていた。(殺害された時は裸ではありませんでした)
ただ、気になっていたこともあった。
当時、私はお金に困っていた。
主人の両親と同居していたので住む場所や食べるところがなくなるわけではないが、周りの人が思っているほど給料は良くなかったし、主人のわがままを聞いていたら借金はどんどん募る一方だった。
まあ、いざとなったら水商売をするか、手っ取り早くなら体を売ればいい。と真剣に考えていた。
だから、数年後の私なのかも。という思いがあった。
この本を読んでも、被害者がなぜこの道を選んだのかさっぱり分からない。
どういう経緯をたどったかはわかるが、被害者は死んでしまい彼女の思いはまったくわからない。
殺害された時は、ホテトルではなく街角に立つ売春婦だった。
水商売や体を張る商売には年齢もある。当時39歳の被害者はもう売春するしかなかったのかもしれない。
お金が目的ではなかっただろう。SEXがしたかったのでもないのだろう。
何かから解放されたかったのか、何かに拘束されたかったのか。
それとも疑似でも恋愛がしたかったのか。
ネットで検索すると、この事件にはいろいろなことが書いてあった。
被害者と被害者の父は東電で原発については反対の意見を持っていた。東電内部で何かあったのではないか。
事件は冤罪となった。それもつい最近。この冤罪のいきさつがおかしい。
被害者なのに、犯罪よりも被害者の経緯についてマスコミが騒ぎあげたことの不信感。
本当の犯人とは。
何だか奥の深い事件を見つけ出してしまう1冊になってしまった。