箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

考える前に感じる

2019年04月20日 11時41分00秒 | 教育・子育てあれこれ
 
 
 
 
小さい子にお母さんがよくいう言葉。
 
「考えなさい。ちょっと考えたらわかるでしょう」
 
 
熱いお茶をお母さんがお子さんに出しました。
 
「熱いから、気をつけるのよ」
 
なのに、子どもは一気に飲もうとします。
 
 
「熱(あつ)! 」
 
 
そして母親は、
「だから言ったでしょ。考えなさい。ちょっと考えたらわかるでしょう」
 
となるのです。
 
 
 
ところで、私は小学生のとき、信州上高地に家族旅行で行きました。
 
上高地を流れる梓川の水に手をつけました。
 
「冷(つめ)た!」
 
雪解けの水は、驚くほど冷たいことを感じました
 
それだけではなく、川はけっこう深く、流れも急でした。
 
川に入れば、流されると感じました
 
だから、落っこちないようにしようと感じました
 
 
つまり、子どもは、最初は考えるのでなく、感じるものなのです。
 
そして、最初から「考えなさい! 考えたらわかるでしょう」ではなく、最初に感じさせて育てるのです。
 
子どもからすれば、「考えろというけど、何をどう考えたらいいのかわからない」となるのです。
 
まず自分で体験させて、感じさせるプロセスを経て、子どもは考えるようになるのです。
 
今の時代、学校の授業では思考力を伸ばそうとします。
 
先日に行われた全国学力学習状況調査でも、子どもの思考力を大切に捉えています。
 
しかし、思考力は、自分で体験させて感じることが基盤になります。
 
もし、お子さんが中学生でも、遅くはないのです。
 
どんどんチャレンジさせ、体験させ、その体験から感じさせるのです。
 
それが積み重なって、思考力を高めていくのです。
 
私は、考える力はこのようにして育んでいくのだと考えています。