箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

懐かしい えんぴつ

2023年11月30日 05時00分00秒 | 教育・子育てあれこれ


小学生の時だったと思い出しますが、学校で先生が「えんぴつが一本」という歌を教えてくれ、クラスで歌いました。

1967年の曲で、作詞・作曲は浜口庫之助さん、歌っていたのは坂本 九さんでした。


えんぴつが一本 えんぴつが一本
ぼくのポケットに

えんぴつが一本 えんぴつが一本
ぼくのこころに
青い空を かくときも
まっかなゆうやけ かくときも
黒いあたまの とんがったえんぴつが
一本だけ


こんな歌詞でした。


そのようにして、えんぴつに慣れ親しんだ日々が懐かしく思われます。

またその頃、手で回す鉛筆削りから電動の鉛筆削りにかわりました。

ところが、その後すぐ、シャープペンシルが売り出され、1969年に生まれて初めて、0.9ミリのシャーペンを手にしました。

それ以来、シャーペンを使うことが多くなり、現在に至っています。

ただ、ときどきえんぴつを使うと、なにか郷愁のようなものを感じて、子どもの頃が思い出されるのです。

学校の教師は授業のプロたれ

2023年11月29日 07時01分00秒 | 教育・子育てあれこれ
小学生のとき、ちょうど今の季節には、学外に出て図工の時間に「写生会」という学校行事がありました。

晩秋や初冬の山々は、「山粧う」(やまよそおう)と形容されるほど、色彩が豊かです。

濃い緑色が残る下地に広葉樹が、黄色や茶色、赤色などに染まり、見事な風景が広がります。

わたしは、その色彩豊かな山を写生しようとしました。

しかし、緑、赤、黄、茶色の木々を筆に絵の具をつけ、遠くから忠実にうつしとろうとするのですが、なにぶんにも絵の才能が足りず、色どうしが混ざりあい、山全体が茶色っぽくなってしまいました。

でも、子どものなかには絵の上手い子がいて、写実ともいえる、微妙な色使いを区別でき、見事な絵を描く友だちもいました。



さて、いま中学校の美術の授業にも、「主体的で対話的で、深い学びのある授業」が実践されています。

その点で、授業者は生徒たちに意味のある声かけをして、本日の授業のねらいを明確にする必要があります。

「今日は、秋の色をたくさん見つけてみよう」

「今日は、絵の明暗をはっきりさせて描いてみよう。そのために光と影に気をつけてみなさい」

少なくともわたしが写生をするときには、先生からそんな声かけやねらいの提示はなく、ただ外に出されて「写生をしなさい」だけでした。

思えば、荒っぽい授業がふつうでした。


そして今の時代では、絵が完成したらただ貼りだすだけではありません。

「鑑賞」の学習領域では、グループで相互鑑賞活動を対話により行います。

色づけで工夫したこと、チャレンジしたテクニック、風景の絵を描くことに関心がもてたかなどを、自分の絵をクラスメートに見せながら一人ひとりの生徒が紹介します。

それを聞いたクラスメートは、その作品の感想を話し、評価してくれます。

「ここの色づかいが素敵だと思う」

「山の緑色と紅葉の赤色が対照的で、赤色がすごくひきたっていると思いました」

「影をうまく使っています。Aさんの個性が伝わってきました」

・・・・・・・・・・・・・・・・

このようにすると、生徒の主体性が高まり、対話による、深い学びのある授業が展開できるのです。

親御さんは、自分が今までに受けてきた授業をもとに、わか子が受けている授業が「こんなだろう」と思い浮かべます。

しかし、今の授業は大きく変わってきています。

今や、学校の授業とは奥の深いものです。

誰にでもできるものではありません。

授業のプロである教師だからできるのです。

わたしはこれを教師の「専門職性」と考えています。

教師になったのなら、授業をおろそかにせず、「授業研究」「教材研究」をやり、すぐれた授業を実践するべきです。

そうでないと、AIが授業をしてくれるから、もう専門職性を発揮できない先生はいりませんということにもなりかねません。



2次被害を起こさないように

2023年11月28日 07時12分00秒 | 教育・子育てあれこれ
ハラスメントの被害を受けた人が、社会に向けて声をあげたことに対して、インターネット上で誹謗中傷されるケースが多発しています。

ジャニーズ事件で、被害を告発したところ「売名行為だ」とか「金がほしいのか」と揶揄され、自らの命をたった人がいます。

それ以外にも、被害者が勇気をもって訴えたのに、それを中傷する書き込みをするのは二次被害になり、取り返しのつかない結果を招くことになります。

中傷は匿名であっても、犯罪です。

しかし、ネット上の誹謗中傷を問題するとき、必ずといっていいほどセットで出てくるのは、表現の自由の問題です。

しかし、被害を受けた人がこの社会からいなくなるようにしてしまう言動が許されるという、表現の自由はありえません。

言葉は人を励ますことができる反面、傷つけることにもなります。

コメントを書き込む人は、「言葉の暴力」について正しく深い認識をもたなければなりません。

また、プラットフォーム企業も、投稿管理を厳格にしないといけません。

不適切な投稿は削除して、アカウント凍結などの対応をするなどの対応を確実に行うようにしないと、被害者の2次被害は止まりません。



もろ刃の剣 個人化

2023年11月27日 05時56分00秒 | 教育・子育てあれこれ
人の関心が、まわりの人や周りの人との関係よりも、自分に向くことを、「個人化」といいます。

個人化は、社会学では、privatization(プライバタイゼーション)と呼んでいます。

今の日本社会では、個人化が進んできています。

時代も、集団やグループよりも、個の時代と考えられていて、個性を発揮することやそれを認めていく風潮になっています。

多様性が重視されるのも、個人化の流れを汲んで、個人のありようを尊重していると思われます。


ただし、だからといって、他者と交わらなくてもいいということにはならないのだと思います。

社会や世の中に一歩出ると、その空間は公的なものです。

そうなると、私的な思いや考えは少し抑えて、他者と調和していくという条件がついてくるのです。

ところが現状では、誤解している人が多すぎます。

都市圏の電車の中で、ものを食べるのが平気な人。

スマホに夢中になり、一人で悦にいっている人。

まわりに構わず、大声で話す人。

時間をかけ、入念に化粧に興ずる人。

・・・・・・・・・・・・・・

自分のしたいことを遠慮なく他者にぶつけてきて、心を痛める人はとまどい、黙り、困ったものだという表情を浮かべます。

しかし、個人化に没頭する人は、そのようなまわりの人に気がつきません。

わたしは、個人化を否定するつもりはなく、むしろ集団に個が埋没していた時代とちがい、大切だと考えています。

しかし、個人化はとかく「自分勝手」と隣り合わせにある、もろ刃の剣であることを知っておきたいものです。




心情に訴えかける

2023年11月26日 20時17分00秒 | 教育・子育てあれこれ
人は力を持つことで、その影響はプラスにもマイナスにも働くと思います。

力があることで、組織も集団も変革されます。力のある人がリーダーシップを発揮すると、大きな動きが生まれ、メンバーに満足感が生まれます。

しかし、人が力を持つことで、力の弱い人が排除されたり、ぞんざいに扱われることもあります。

謙虚に見えてた人が傲慢になったり、プライドが高くなったり、大切に接してくれた人を邪険にするようになったりします。

いまの世界は、力の論理が多くの人びとに被害を与えています。

有無を言わさず、他国を攻める戦争はその最たるものです。

いさかいや不和合が起きるのは、力の論理でものごとを動かそうとするからです。

力に任せるより、心情に訴える道理が働いている方が、信頼が生まれます。

それが力のを持った人がするべきことです。



宿題についての一考

2023年11月25日 06時02分00秒 | 教育・子育てあれこれ
漢字の読み書きを覚えたり、九九を覚えたり、歴史上の人物の名前を覚えるのをはじめとして、学習には覚えるしかないものもあります。

それらを学校の先生が、いわゆる「宿題」として子どもに課すことには、十分な意味があります。

また、宿題をすることで家庭学習の習慣が子どもに身につくという効果があります。

とくに子どもが小さいときはそのことが言えます。

放っておくだけで子どもは自ら進んで学習に向かうということは、あまりないでしょう。

だから、宿題には一定の意味があります。

しかし、年齢が進んでも、あいかわらず「〜してきなさい」と強いられると、それは「学習」ではなく「勉強」になってしまいます。

勉強は勉めて(つとめて)強いる(しいる)ことで、子どもによっては勉強は「つらい・しんどい・苦しい」ものになっていきます。

子どもが自分で考えて、判断して取り組んでいくと、それは「学習」(学んで習う)になります。

今の時代やこれからの時代は、言われたことを言われたとおりやっていたらダメなのですから、子どもが自ら学習に向かうようにもっていくべきです。

このことを考えたとき、子どもが小学校高学年以上になったときには、みんなに等しく「〜をしてきなさい」という課題の出し方は変えていく必要があります。

学習が必要だと思う子は何時間もすればいいし、今日はしなくていいと思うならしない日があってもいいでしょう。

また、中学校では中間試験や期末試験の定期試験までに問題集やワークブックを何ページから何ページまで、試験範囲にあわせたテスト勉強として宿題に課して、試験終了日に集め、成績に入れていくということをよくしますが、何十年たっても同じことをしています。

自分で学びたい、進んでも学習する子になるには、画一的な宿題の出し方を変えていかなければなりません。






大阪万博の行方

2023年11月24日 07時46分00秒 | 教育・子育てあれこれ
大阪万博2025は、資材高騰や人手不足で4月開幕が延期や中止という話も出ています。

建設費が膨らみ、数カ国が撤退を表明しました。

ただし、その一方では、先日大阪に149カ国等が集まり、参加者会議が開かれました。

あらたにスエーデンやチリの参加表明があり、160ほどが参加主体になっています。

そう考えれば、参加国は多いのですが、今一つ万博の目的がはっきりせず、人びとから共感を集めていないのが、今回の万博です。

わたしは、1970年の大阪万博を経験しています。

「人類の進歩と調和」がテーマでした。

万博では、ムービングウォークやテレビ電話など、当時の最新のテクノロジーが導入され、それをきっかけに後ほど日常生活への広がりを見せました。

また戦後の日本は、軍国主義国でもなく、戦争犯罪国ではないという打ち出しを世界に向けて宣言する機会でもあったのが70年万博だったのです。

大成功だった万博と言えるでしょう。

その点で見ると、2025年万博はコンセプトがはっきりしません。

それこそ、ウクライナや中東で戦争が起こっている今、恒久の平和を希求するというようなコンセプトで万博を開く意味を新たに打ち出すことが必要です。

自己肯定感が低い子には

2023年11月23日 07時34分00秒 | 教育・子育てあれこれ
学校教育の現場ではよく感じることですが、日本の子どもはおしなべて、自尊感情が低いということです。

自尊感情のなかでも、自己肯定感が低いということです。

これは、外国の子どもとの討論会等ではその傾向がはっきりと現れます。

日本の子どもは、周りを見て、その様子を伺ってから意見を述べようとします。

しかし、外国の子はあまり周りを気にせず、自己主張できます。

なぜこうも日本の子は自分に自信がもてないのでしょか。

それには、いくつかの理由が考えられます。

日本の社会や学校では同調圧力が強くはたらきます。

周りの子の人の様子をみて、自分だけが突出しないように、最高度の気をつかうようにしむけられているからと考えられます。

また、小さいとからほめられて育った経験に乏しいため、自信をもてないから消極的になるからとも考えられます。

それで、自己肯定感が低いですね、仕方ないですねとなるかというと、そうでもないのです。

TikTokやインスタなどのSNSの世界では、自分のダンスを披露したり、ファッションを披露したり、体験したことを自由に発信しています。

人間関係のしがらみがないところでは、自由に自己表現がてきるのです。それだけ日々の日常では、抑圧され抑えつけられ、がまんしていることの反動かもしれません。

また、大学生や若い教員がグループワークとかを数人のグループで行うと、けっこう自分の考えや意見を話し、和気あいあいとした会話ができるのです。

誰もが高い潜在化した話したいという意欲をもっていると改めて感じるのです。

潜在力がありと自身で気づいた子は、イキイキと話すようになり、伸びていきます。

このような経験をたくさん積み、グループで知恵やアイデアを出して、他者から評価され、自己評価につなげ、自分の自信につなげていく学習活動が学校教育の中で行われることが、自己肯定感をあげていく効果をもちます。



いい夫婦の日にちなんで

2023年11月22日 12時44分00秒 | 教育・子育てあれこれ
今日11月22日は「いい夫婦の日」だそうです。

夫婦になるためには、どこかでの出会いがなければなりません。

その出会いのため、最近はマッチングアプリを利用する人が多くなっています。

この1年以内に結婚した人のおよそ4人に1人がマッチングアプリで知り合ったという結果が、生命保険会社の調査でわかりました。

マッチングアプリを利用したのは・・・

職場に出会いがないから

手軽に会うことができるから

好みの相手を選ぶことができるから

などの理由が並びます。

20代ではマッチングアプリ利用がいちばん多くなっています。

30代でも、2番目に多くなっています。

いまはSNSが浸透し、インターネットでのコミニケーションに長けている若い世代のの特徴を表しているのでしょう。

「ネットで結婚相手と知り合う人間関係なんて」と言うのは、今の時代に合わないのです。

こと見合い結婚と比較して、自分で好みの相手に近づくことができるという点では、自由度が高く利用者が多いのも納得がいきます。

雪のたよりを聞く頃

2023年11月21日 07時00分00秒 | 教育・子育てあれこれ
暦の上では、今日11月21日から12月6日までを「小雪」(しょうせつ)と言います。

この頃には、国内で雪の話題や便りが聞こえ始めます。

雪は昔から「五穀の精」と呼ばれています。豊作の前触れと考えられてきました。

また、雪にはめでたい花という意味で、「瑞花」(ずいか)という異称があります。

豪雪にならず、雪をしあわせの花として、降るのを楽しみたいものです。

中島美嘉さんの「雪の華」は、ちようどこの時期以降の恋人同士の寄り添う愛をうたったものです。

雪をしあわせの華として、お互いへのあふれる思い・愛を描いた名曲です。



自分の心のもちようです

2023年11月20日 08時14分00秒 | 教育・子育てあれこれ

2000年を過ぎたころからしきりに「勝ち組」『負け組』という言葉を聞くようになりました。

 

様々な場面で、私たちは人と自分を比べます。

 

でも、人生は勝ち負けではないと、あらためて思うのです。

 

ベンツやBMW、果てはポルシェやフェラーリに乗って、1泊何十万というホテルに泊まれて幸せ。

そう思う人もいるでしょう。

 

でも、日本でいちばん朝食がおいしいと言われるホテルが神戸市にありますが、1泊朝食付きで、期間によっては8,000円程度で泊まることができます。

 

けっして豪華な部屋ではないですが、いつもきれいに掃除されています。

 

そこへ、わたしは妻と一緒に泊まり、本当においしい食事のひとときを過ごすと、それ以上求めるものはありません。

 

ものを食べて「おいしいなあ」と感じる心と体があるのに気づくとき、「ありがたいなあ」と感じるのです。

 

人それぞれのしあわせを感じる基準があればいいのではないでしょうか。

 

周りと比べてあれこれ気にするのでなく、自分が「これでいい」と思えることができれば、そんな心のもちようで過ごすことができれば、ほんとうにそれでいいのではないでしょうか。

 

 


子どもにとって意味のある学校に

2023年11月19日 08時52分00秒 | 教育・子育てあれこれ

新型コロナウイルスの感染が拡大した2年間で不登校の児童生徒は急増しました。

2022年度で、29万9000人となりました。

不登校の理由として学校があげたのは、無気力、不安で、およそ半数をしめています。

この理由が多いことから、新型コロナウイルス感染拡大による制限された生活から環境が変化し、生活リズムが崩れたことが推測できます。

不登校の児童生徒に対しては、一人ひとりに適した支援が必要になります。

それに加えて、不登校を生じさせない学校づくりが必要になります。

一つ言えることは、学級・学校を楽しく通いがいのある場所にすることが必要だということです。

子どもの願いは昔も今も基本的には変わっていません。

授業がわかりたい。
友だちとおしゃべりしたい。
学校行事を楽しみたい。
部活でがんばりたい。

それらの願いに応える学校であれば、子どもは学校を休みにくくなります。

もちろん、それだけで不登校をなくすことはできないですが、学校がその子にとって意味のある居場所になるなら、意欲がわき不登校の未然防止につながります。

不登校児童生徒に個別の支援を進めながらも、基本的・根源的な学校づくりを進めていくことに、学校は注力すべきです。



進化し続けるホスピタリティ ディズニーリゾート

2023年11月18日 11時54分00秒 | 教育・子育てあれこれ

東京ディズニーリゾートは今年で開業40周年です。

 

わたしが大学を卒業して間もなくしてから、東京ディズニーランドが開園しました。

 

開業当初は年間の入場者数を1000万人を目指していましたが、開園1年で達成しました。

 

その後、順調に入場者数は増え、2018年度には過去最高となる3255万人となりました。

 

新型コロナウイルス感染拡大で客数は一時減りましたが、今は堅調に訪問する人が増えています。

 

リピーターが多く、顧客満足度が高く、世界屈指の人気あるテーマパークになりました。

 

40周年にちなみ、わたしも今年の9月に、久しぶりにリピーターとしてランドとシーへ行きました。

 

気がついたのは、ホーキとちり取りをもった「カストーディアル」といわれるスタッフがいなくなったことでした。かといって、園内に落ちている場面には遭遇しませんでした。

 

時代とともにホスピタリティは変わっていくのだと思いました。

 

そのぶん、キャスト(スタッフ)からゲストに声かけをする場面がふえたかな、と自分も声をかけられて感じました。

 

いまは、キャストがマニュアル通りの動きをするのではないホスピタリティを追求しているようです。

 

どうすればお客さんに喜びや楽しさをもたせることができるか。その根本は、キャストがゲストの表情や反応を見ながら、一人ひとりがみずから考えて動いているのかなと感じました。

 

マニュアル通りでないところに新たな感動が生まれる。ディズニーは進化し続けていると感じた次第です。

 


社会へつながる窓を開けておく

2023年11月17日 08時55分00秒 | 教育・子育てあれこれ

わたしは中学生の社会の時間に、はじめて「核家族」という言葉を習いました。

 

父親と母親だけまたは父親と母親とその子ども(未婚)で構成されるのが核家族です。

 

1950年代からぼちぼち増えはじめ、日本の高度経済成長期に著しく広がりました。

 

その世帯では、家族としての意識が強く打ち出され、「○○家」としてどうあるべきかという価値観が家族内で幅をきかせていました。

 

ある意味で、個の意識が家族の価値観に埋没していました

 

ところが半世紀の間に、独居世帯が増え今にいたっています。

 

もう核家族も成立しにくくなってきています。

 

それとともに、家族のあり方が移り変わり、「個人化」(=privatization プライバタイゼーション)が進行してきて、個人の意識が強くなってきました。

 

家族をつくる成員の価値観もまちまちになってきています。

 

親が「せめて孫がほしい」と願っても、子ども世代が「子どもをもつとたいへんだから」と言う場合もあります。

 

この意識が家族という集団に埋没していた頃は、「そうだね、こどもを産むよ」となっていたのですが、そんな時代でもありません。

 

 

ただそうなると、人間というものは、かえって家族を求める反動も出てくるように思います。これもまた自然の流れかもしれません。

 

人間関係の煩わしさから離れてしまうと、人は不安になります。

 

人に受け入れてもらえる。人と共感しあえる積み重ねは安心や喜びをもたらします。

 

家族はいらないと思って生きてきたけど、老齢期を前にすると、やはり不安が襲ってくることもあるでしょう。

 

そこで、大切なのは社会へつながる「窓」を開けておくことでしょう。

 

困ったとき、苦しいときには地域や社会に「助けて」と声をあげることができるようにしておくことでしょう。

 

そして、それに応える「ケアする人」の基本的な姿勢は、ひとつのきまったカタチがあるのではなく、家族の姿の変化に寄り添っていくことでしょう。

 

個人が人間関係を絶やさずにいるためには、深い入り込みではない、社会や地域の活動へのかかわりを保つことです。

 

あの人といつもいっしょではないけれど、いざというときにはこの活動のつながりで助けたり、助けてくれる関係をたもっている。

 

このような人と人のつながりが、いま流の人間関係なのだと思います。


今年の猛暑 その影響

2023年11月16日 07時07分00秒 | 教育・子育てあれこれ

今年の夏が暑くて雨不足だったことは、統計からもはっきりしています。

 

6月から8月の平均気温は、1898年の気象庁の統計開始からもっとも暑かったのです。

 

当然、農作物にも影響が出ています。9月末での1等米は約6割の比率に落ち込みました。

 

昨年の比率はは75分ほどでした。

 

なかでも、新潟県産コシヒカリの1等米比率は1割ちょっとで、昨年の7割以上から大きく落ち込みました。

 

異常とも言える高温で、稲穂が十分に生育せず、米が十分に育ちませんでした。

 

さらに、水不足が追い打ちをかけました。

 

その結果、モミの中に十分米が育たないと、脱穀してもきれいな米粒が取り出せないとか、欠けた粒になる場合も出てきます。

 

私の家での畑でも、サツマイモを掘るとすると、まず土に水分がなくパサパサでカチカチの土が出てきて、いつもとちがうことを実感しました。

 

当然、掘り起こしたイモは昨年よりも小ぶりで、十分生育していないイモでした。。


 

それでもこの高温化の条件でも、稲の場合は高温耐性品種の米のできばえはよかったそうです。

 

 

将来の温暖化の傾向を考えると、高温耐性の米や野菜の品種栽培を試行していく必要を考えさせられた今年の夏でした。